とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

FIFAワールドカップ2022 グループF第2戦 ベルギーvs.モロッコ

 決勝トーナメント1回戦で唯一、ヨーロッパ・南米以外からベスト8に進出したモロッコ。グループリーグの段階から、非常にいいサッカーを展開し、ベルギーも破って、首位通過を果たした。ある意味、日本と同じような形で決勝トーナメントに勝ち上がっている。そして決勝トーナメント1回戦ではスペインをPK戦の末、下した。しにゲームを観ようかと思ったが、スコアレスのままPK戦までもつれ込むゲームを観るのは、なかなかしんどい(タイパって奴ですか)。それよりもグループリーグでベルギーを破ったゲームを観てみようと思った。

 ベルギーの布陣は4-2-3-1。バチュアイをトップに、トップ下にエデン・アザール。右SHにデブルイネが入り、左SHはトルガン・アザールボランチヴィッツェルとオナナで組む。DFは右SBムニエ、左SBカスターニュ。アルデルウェイレルトとフェルトンゲンのCBに、GKはクルトワ。ただし、攻撃時にはデブルイネが中に絞って、ムニエが高い位置を取り、3-4-3の布陣になる。一方、モロッコの布陣は4-3-3。エンネシリをトップに、右WGツィエク、左WGブファル。中盤はアムラバトをアンカーに、右IHウナイ、左IHアマラ。DFは右SBハキミ、左SBアズラウィ。サイスとアゲルドのCBに、GKはムニル。

 序盤からベルギーが主導権を握って攻めていく。5分にはOHエデン・アザールから左に展開。左SHトルガン・アザールのスルーパスにCFバチュアイが走り込み、シュート。GKムニルがセーブする。しかしモロッコの守備も堅い。16分、左SHトルガン・アザールからのFKをOHエデン・アザールが落とし、右SHデブルイネがミドルシュートを放つ。続く右SBムニエのCKにCHオナナがヘディングシュート。しかし枠を外す。

 モロッコは21分、右WGツィエクがミドルシュート。わずかにバーの上を越えたが、そうだ、モロッコにはツィエクがいるじゃないか。28分にはCBアゲルドが左サイドに大きく縦パスを入れると、左WGブファルのクロスを右SBハキミが落とし、左IHアマラがシュート。しかし枠を捉えられなかった。ベルギーは序盤こそ攻め込んだが、次第にモロッコの守備を攻めあぐね、膠着した状況が続く。

 35分、モロッコは右CBアゲルドの縦パスに右SBハキミは抜け出して、そのままシュートを放つ。が、バーの上。ベルギーも39分、右SHデブルイネのFKはわずかにバーの上を越えた。そして45+2分、右WGツィエクが左SHトルガン・アザールに倒されて得たFKをツィエクが直接狙う。走り込んだCBサイスの頭の上を抜けて、ゴールに飛び込んだ。と思ったら、VARの結果、CBサイスの飛び出しが早くオフサイド。ゴールは認められなかった。しかし、DFの壁の上を越えて、落ちていったツィエクのFKが抜群に良かった。後半はこのままスコアレスで折り返した。

 後半も同じような展開。ベルギーがパスを回すが、モロッコの守りを崩せない。5分、右WGツィエクのミドルシュートはGKクルトワがキャッチ。ベルギーも7分、OHエデン・アザールがドリブルからそのままミドルシュートを放つが、GKムニルがナイスセーブ。続くデブルイネのCKにCHオナナがヘディングシュートするも、枠を捉えられない。12分には右WGツィエクの正確なサイドチェンジから左WGブファルがミドルシュート

 攻めあぐねるベルギーは15分、エデン・アザールとオナナを下げて、OHメルテンスとCHティーレマンを投入する。20分、OHメルテンスミドルシュートはGKムニルがナイスセーブ。21分、CFバチュアイのシュートはDFがブロックして、GKムニルがキャッチした。23分、モロッコもアマラとハキミを下げて、左IHサビツ、左SBアティヤト・アラーを投入。マズラウィが右SBに回る。24分、右IHウナイがミドルシュート。28分、モロッコはさらに二人を交代。そして28分、左サイド深い位置で左WGブファルの突破を右SBムニエが倒す。この後、モロッコは二人を選手交代。ブファルとエンシネリを下げて、左WBアブクラルとCFハムダラーを投入。そして再開直後のFKを左IHサビリが蹴ると、そのままゴールに突き刺さった。なんと、モロッコが先制点を挙げた。

 ベルギーは30分、トルガン・アザールとバチュアイを下げて、左WBトロサール、CFデケテラーレを投入。さらに36分にはムニエを下げて、FWルカクを投入する。布陣は3-3-2-2-2。FWにルカクとデケテラーレを並べ、デブルイネとメルテンスがトップ下で自由に動き回る。ヴィッツェルがアンカーに入り、ティーレマンスが右WBに入る。トロサールが左WBに入り、カスターニュが右CBに回った。一方、モロッコも33分、ウナイを下げて、右CBエルヤミク。5-4-1にして守る。

 37分、メルテンスのCKにCBフェルトンゲンがヘディングシュートするが、ポストの右。必死に攻め立てるが、今一つ噛み合わないベルギー。すると45+2分、GKムニルのフィードを左SHアブクラルが落とすと、右SHツィエクがドリブルで左から右へ仕掛け、クロスをアブクラルがシュート。モロッコがダメ押しの追加点を挙げた。そしてタイムアップ。2-0。モロッコが勝利。グループの首位に躍り出た。

 ベルギーの出来が悪かったこともあっただろう。攻撃がかみ合わないし、決定力もない。そして守備も緩慢。だがやはりそれ以上にモロッコをほめるべきだろう。ツィエクがさすがのプレーでモロッコの攻撃をリードし、守備もしっかりしている。ベスト8進出もけっしてフロックではなく、しっかりとした実力があった。これでモロッコも初めてのベスト8進出。他の7チームを見ると、ベスト8の凄さがよくわかる。しかしその中でもポルトガルが一番やりやすい相手ではないか。一気にベスト4進出も不可能ではない。次はモロッコを応援しよう。