W杯もいよいよ残り4試合。準決勝が始まった。第1試合はともにPK戦で勝ち上がってきたアルゼンチンとクロアチアが対戦。アルゼンチンは、グループリーグ初戦でサウジアラビアに負けたものの、その後は3連勝。準々決勝も後半38分までオランダに2-0とリードしていたのに、その後、同点に追い付かれ、PK戦まで持ち込まれた。でもGKエミリアーノ・マルティネスがPKを2本止めて、勝ち上がってきた。一方、クロアチアはなんとブラジルにPK戦で勝利した。ここまで日本戦も含めて1勝4分。うち2試合はPK戦での勝利。粘り強さが半端ない。
アルゼンチンの布陣は4-4-2。アルバレスとメッシの2トップに、右SHデパウル、左SHマクアリエステル。ボランチはパレデスとエンソ・フェルナンデス。DFは右SBモリーナ、左SBタグリアフィコ。オタメンディとロメロのCBに、GKはエミリアーノ・マルティネス。一方、クロアチアは4-3-3。クラマリッチをトップに、右WGにパシャリッチ、左WGペリシッチ。中盤はブロゾビッチをアンカーに、右IHモドリッチ、左IHコバチッチ。DFは右SBユラノビッチ、左SBにソサ。CBはロブレンとグバルディオラ。GKはリバコビッチ。ブラジル戦と同じ先発だ。
序盤はアルゼンチンがパスを繋ぎ、クロアチアが守る展開。10分過ぎにはクロアチアがパスを繋いで、攻めていく。だがお互い譲らない。アルゼンチンはFWメッシがボールをキープしてゲームを作ると、クロアチアはモドリッチ、コバチッチ、ブロゾビッチの中盤の3人がゲームを締める。
25分、アルゼンチンのCHエンソ・フェルナンデスがようやくチーム最初のシュート。一方、クロアチアもここまでシュート1本だが、決定機は作れない。27分、左IHコバチッチがDFのプレスを受けながらもドリブルで前に運ぶと、CFクラマリッチが左SBタグリアフィコに倒される。これで得たFKをモドリッチが蹴るが、DFにブロックされた。さらに31分、今度は右IHモドリッチがドリブルでDFをかわし、中へのパスをCFクラマリッチが落として、右WGパシャリッチから左IHコバチッチと繋ぎ、最後は左WGペリシッチがシュート。だがバーの上を越えた。
そして32分、アルゼンチンが自陣ゴール前のパスからCHエンソ・フェルナンデスが前線へフィード。これにFWアルバレスが走り込み、抜け出すと、対応したGKリバコビッチがPA内で倒してしまう。34分、メッシがPKを決めて、アルゼンチンが先制点を挙げた。さらに39分、クロアチアのショートCKからCHブロゾビッチがクロスを入れるが、プレスをかけたDFの足に当たってアルゼンチンが回収。FWメッシを経由してFWアルバレスがボールを持つと、そのままドリブル。右SBユラノビッチ、左SBソサとかわして、最後はGKリバコビッチもかわしてシュート。アルゼンチンが追加点を挙げた。
勢いづくアルゼンチンは41分、右SHデパウルがミドルシュート。続くメッシのCKに左SHマクアリステルがヘディングシュートを放つが、GKリバコビッチがファインセーブで弾き出した。クロアチアも45分、右IHモドリッチがミドルシュート。CBオタメンディがブロックしたはね返りをもう一度モドリッチが回収すると、右に流して、右SBユラノビッチがクロス性のシュート。GKエミリアーノ・マルティネスがナイスセーブした。前半はこのまま2-0で折り返す。
すると後半最初、クロアチアはパシャリッチとソサを下げて、右WGにブラシッチ、左WGにオルシッチを投入。ペリシッチを左SBに下げる。後半はクロアチアが積極的に攻めて、アルゼンチンが守る展開。それでも4分、FWメッシのキープから左SHマクアリステルに繋ぎ、右SHデパウルの落としから、CHパレデスがミドルシュート。GKリバコビッチがキャッチする。5分、クロアチアはブロゾビッチを下げて、CFペトコビッチを投入。クラマリッチをトップ下に下げて、4-2-3-1で攻撃する。しかしこういう展開こそメッシが生きる。13分にはFWメッシのドリブルからCHエンソ・フェルナンデスとワンツー。抜け出してシュートを放つが、GKリバコビッチがナイスセーブした。
17分、CHモドリッチのFKはCBロブレンに合わず、クリアされる。直後、アルゼンチンはパレデスを下げて、左CBリサンドロ・マルティネスを投入。布陣を3-5-2にして守りを固める。そして24分、右SBモリーナからのスローインをFWアルバレスが落とすと、メッシがCBグバルディオラのマークを振り切るように右サイドをドリブルで持ち込むと、最後は落としをFWアルバレスがシュート。決定的な3点目を挙げた。
クロアチアは27分、クラマリッチに代えて、FWリバヤ。4-4-2にして、前線に高い選手を並べる。28分、左SBペリシッチのFKはGKエミリアーノ・マルティネスがキャッチ。29分にはデパウルとアルバレスを下げて、右SHパラシオス、FWにディバラを投入。30分、左SBペリシッチのミドルシュート。33分、左SHオルシッチのミドルシュート。いずれも枠を捉えられない。36分にはモドリッチを下げて、CHマイェルを投入。38分、PA手前のFKをFWディバラが受けて、横に流し、左SHマクアリステルがボレーシュート。だがポストの右。40分、CHマイェルのCKをCBロブレンがニアでヘディングシュートするが、ファーに流れる。
アルゼンチンは41分、マクアリエステルとモリーナを下げて、左IHコレア、右WBフォイスを投入する。44分、CHコバチッチがドリブルで持ち上がり、CHマイェルがミドルシュート。だがGKエミリアーノ・マルティネスがキャッチ。45+3分、右SHブラシッチ、45+5分、CBロブレンがミドルシュートを放つが、いずれも枠の外。そしてタイムアップ。3-0。アルゼンチンが快勝。2014年以来、2大会ぶりの決勝進出を決めた。
初戦こそ、サウジアラビアに苦杯を喫したが、その後はだんだんとチームが良くなっている。特にメッシの活かし方という点では、これまでのW杯の中でも最も整理され、いいチームになっている。メッシももう35歳。最後のW杯になるかもしれない。このままの勢いで1986年以来、36年ぶりの優勝を手にすることができるだろうか。相手はフランスか、モロッコか。もう1試合の準決勝は今夜行われる。どちらが相手でも楽しみな決勝戦になりそうだ。