とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

FIFAワールドカップ2022 3位決定戦 クロアチアvs.モロッコ

 同じグループFで対戦した時はスコアレスで引き分けたクロアチアとモロッコ。その後、首位でグループリーグを突破したモロッコは、スペインにPK戦ポルトガルは1-0で破り、フランスに初めての敗戦を喫した。一方のクロアチアは、グループを2位で通過し、その後は日本、ブラジルをPK戦で下し、準決勝でアルゼンチンに敗戦。お互いここまで1敗しただけだが、連敗するのは悔しい。最後は勝利で大会を終えたいところ。お互い、圧倒的な攻撃力は持たないが、守備力は堅い。FIFA順位こそクロアチアが12位と、モロッコの22位を上回るが、勢いはモロッコにあるかもしれない。拮抗したゲームが期待された。

 クロアチアの布陣は4-2-3-1。リバヤをトップに、トップ下にクラマリッチ。右SHにマイェルが先発し、左SHはオリシッチ。ボランチコバチッチとモドリッチ。DFは右SBにスタニシッチ。ペリシッチが左SBに下がり、CBは大会初出場のシュータロとグバルディオラ。GKはリバコビッチ。一方、モロッコの布陣は4-3-3。エンネシリをトップに、右WGツィエク、左WGブファル。中盤はアムラバトをアンカーに、右IHサビリ、左IHエルハヌス。DFは右SBハキミ、左SBアティアトアッラー。ダリとエルセミクのCBにGKはブヌ。キャプテンのサイスとマズラウィはケガで出られない。

 序盤はクロアチアがパスを回して攻めていく。そして7分、正面やや左寄りのFKを右SHマイェルが縦に入れると、走り込んだ左SBペリシッチはヘディングで中へ落とし、CBグバルディオラがダイビングヘッド。クロアチアが先制点を挙げた。これでゲームはクロアチア・ペース、と思ったら、9分、今度はモロッコが右WGツィエクのFKをOHクラマリッチが頭で弾いたが、これがちょうどゴール前に落ちて、CBダリが走り込みヘディングシュート。すぐにモロッコが追い付いた。これは面白いゲームになりそうだ。

 その後もクロアチアが攻めて、モロッコが守る展開が続く。10分、左SHオルシッチがカットインからミドルシュートを放つが、わずかにポストの右。14分には右SBスタニシッチがミドルシュート。さらに18分、左WGブファルからOHクラマリッチがボールを奪うと、ドリブルで上がり、左に流して、左SHオルシッチがミドルシュート。これはOHクラマリッチに当たるが、はね返りをCHコバチッチが拾って左に流し、左SBペリシッチのクロスにOHクラマリッチがヘディングシュート。GKブヌがキャッチする。

 24分、CHモドリッチミドルシュートはGKブヌが弾き、CFリバヤが詰めるが、何とかGKブヌが弾いてクリアする。26分、右SHマイェルのFKから左SBペリシッチがヘディングシュートも、枠を捉えられない。モロッコもようやく29分、右WGツィエクのスルーパスに右SBハキミが抜け出してクロスを入れるが、CFエンネシリに合わない。33分、左WGブファルの仕掛けから左IHエルハヌスのスルーパスに走り込む。だがCBシュータロが詰めて、シュートは枠を外れた。さらに37分、右WGツィエクのCKにCFエンネシリがニアでヘディングするが、ファーに流れる。40分には右WGツィエクがボールキープからミドルシュートを放つ。

 モロッコが押し気味の前半終盤だったが、42分、CHコバチッチが中盤でボールを奪うと、CFリバヤが左に流し、左SHオルシッチがカットインからミドルシュート。右ポストに当たったシュートははね返って、ゴールに飛び込んだ。クロアチアが勝ち越した。前半はこのまま終了する。

 すると後半の最初、モロッコは右IHサビリに代えて右WGシャイル。ツィエクを右IHに置いて、司令塔の役割。しかし後半も序盤はクロアチアが攻勢をかける。2分、CHモドリッチのFKを左SBペリシッチが落とし、左SHオルシッチがミドルシュート。わずかにポスト左に外れた。さらに6分には右SHマイェルのクロスにOHクラマリッチが走り込むが、トラップは右に流れた。

 その後、モロッコはシャイルを左WGに移し、ブファルが右WGに入る。しかし11分にはエルハヌスを下げて、ウナヒを投入。アムラバトとのダブルボランチにして、シャイルがトップ下。ツィエクとブファルを両SHに置く4-2-3-1の布陣に変更する。するとしばらくモロッコが攻勢。16分、クロアチアがクラマリッチを下げて、OHブラシッチを投入すると、モロッコは19分、ブファルとダリに代えて、左SHザルリとCBバヌンを投入。21分にはクロアチアがリバヤとマイェルを下げて、CFペトコビッチとOHパシャリッチを投入。ブラシッチが右SHに回る。しかし直後の22分、今度はモロッコのCBエルヤミクが股裏の不調を訴えて、CHアマラと交代。アムラバトをCBに下げて対応する。

 26分、右SHブラシッチがミドルシュート。29分には右SHツィエクのスルーパスをCBグバルディオラがカットすると、そのまま駆け上がり、この流れから左SHオルシッチのスルーパスに走り込んだのはグバルディオラ。CBアムラバトの足がかかり、PA内で倒れたかと思ったが、主審はPKを取らず。モロッコは30分、左SHザルリのクロスにCFエンネシリが抜け出し、GKと一対一。だがシュートはGKリバコビッチがファインセーブした。その後、CHアマラがPA内でCFペトコビッチに倒される場面があったが、これもPKを取らなかった。

 終盤もお互い激しい攻撃の応酬。42分、OHパシャリッチの縦パスを左SHオリシッチが左に流し、CHコバチッチがシュート。だがわずかにポストの右。アディショナルタイムは6分。45+1分、右SHツィエクがミドルシュート。45+4分、左SHザルリがミドルシュート。さらに45+6分、右SHツィエクのサイドチェンジから、左SBアティアトアッラーのクロスにCFエンネシリがヘディングシュート。だがバーの上。枠を捉えられない。そしてタイムアップ。2-1。クロアチアが激戦を制し、3位を確保した。

 お互い厳しいゲームだった。モロッコはもちろん勝てば初めての3位。クロアチアも前回大会は準優勝だったとはいえ、絶対3位は確保したい戦いだった。中でもモドリッチが最後まで戦う姿勢を見せて、チームを鼓舞した。今年で37歳。だがまだ代表は継続すると言う。すごい選手だ。日本は惜しくもクロアチアPK戦で敗れたわけだが、その差はPK戦の差以上に大きい。また、モロッコも最後まで熱く戦った。3位決定戦にしては熱く楽しいゲームだった。