3連敗して降格圏からの勝ち点差は4。いよいよお尻に火が付いてきたグランパス。対戦相手のフロンターレもここ3試合勝ちなし。前節はアルビレックスに1-1のドロー。8位につけるものの優勝争いをするチームとの勝ち点差は大きい。
グランパスの布陣はいつもの3-4-3。木村が移籍後初めて先発でピッチに立ち、ユンカーと2トップを組む。トップ下に和泉。累積出場停止から戻った森島が稲垣とダブルボランチを組み、WBは右に森、左に中山。CBは右から、原、三國、そして移籍してきたばかりの藤井が左CBで先発した。GKはピサノ。一方、フロンターレの布陣は4-2-3-1。エリソンをトップに、トップ下に大関。伊藤達哉と橘田が左右のSHに開き、ボランチは山本悠樹と河原。DFは、右SBにファンウェルメスケルケン際、左SBに三浦颯太。佐々木旭と丸山のCBに、GKは山口。
序盤から、フロンターレがパスを回して主導権を握る。そして7分、OH大関がCFエリソンにパスを送ると、時間を作って右に展開。右SH伊藤がシュート。これがCB藤井の股下を抜いて、ゴールに突き刺さる。フロンターレが幸先よく先制点を挙げた。前節と同じ、前半7分での失点。9分、FWユンカーがミドルシュートを放つが、けっこうフリーだったのに、枠を捉えられない。結局、前節と何も変わっていない。また同じ展開のゲームを見せられるのかとゲーム開始早々、失望感が襲う。
案の定、その後もフロンターレが攻勢。グランパスは三國がエリソンを抑えるのに四苦八苦。バタバタが止まらない。しかし12分、ユンカーに対応したCB丸山が足を痛め、Jリーグ初デビューのCB神橋と交代する。そして17分、左WB中山がドリブルで持ち上がり、縦パスを送るも、DFにカットされると、CH山本のスルーパスにCFエリソンが抜け出して、シュート。GKピサノのニアを打ち抜いた。フロンターレが追加点を挙げた。
グランパスも22分、右WB森のクロスを左WB中山がヘディングで落とし、CH森島のクロスにFWユンカーがシュート。しかしGK山口がナイスセーブ。はね返りをFW木村がシュート。しかしライン上でCH山本がブロックした。その後、給水タイム。しかしそれがよかったのか、32分、左WB中山のスルーパスにFW木村が走り込むと、戻しのパスをCH稲垣がクロス。これを右WB森がヘディングで叩き込み、グランパスが1点を返した。森がJリーグ初ゴールだ。
さらに45+3分、CH森島からのサイドチェンジを右WB森がダイレクトで落とすと、右CB原がトラップで左へ流して、ミドルシュート。これがゴールに突き刺さる。なんと前半の内にグランパスが同点に追い付いた。45+6分には、フロンターレの右SH伊藤がミドルシュートを放つが、枠の外。前半は2-2の同点で折り返した。
グランパスは後半立ち上がり、藤井を下げて、左CBの野上を投入。やはりまだ実戦で戦うには勘が戻っていなかったか。いきなり救世主的な期待をするというのも無理な話。それでも同点に追い付いた勢いで、後半はグランパスが攻勢をかけると思いきや、後半もやはりフロンターレ・ペース。2分、左SH橘田からのパスをOH大崎がミドルシュート。これはGKピサノがセーブする。その後もパスを回して攻め込むフロンターレ。すると6分、右CB原からのフィードをトラップしようとしたユンカーが振り上げた足が左CB神橋の顔面を直撃。ユンカーは一発レッドカードで退場となってしまった。
一人少ないグランパスはひたすら守る。フロンターレはこの時間あたりから、橘田と伊藤の左右を入れ替え、伊東が左SHに入った。19分、CH山本のミドルシュートはポストの左。20分、グランパスは、中山と森島を下げて、左WB徳元、CH椎橋を投入。守備を固める。28分、右SH伊藤がミドルシュート。31分にも、右SBファンウェルメスケルケンがミドルシュートを放つ。
32分、フロンターレは大関に代えて、OH神田。一方、グランパスも、木村に代えて、FW永井を投入する。そして33分、GKピサノのフィードをFW永井がフリック。OH和泉が落として、FW永井がミドルシュート。これはGK山口がセーブするが、こぼれ球を左WB徳元が走り込み、シュート。なんと一人少ないグランパスが勝ち越した! かと思ったら、徳元の位置がオフサイド、ゴールは認められない。
と、VAR検証が終わった直後の35分、左CB神橋が右サイドへ大きくフィードすると、左WB徳元の上を越えて右サイドに張っていたCFエリソンのもとへ。仕掛けるエリソンに対して、左WB徳元が足を滑らせ、付いていけず、ミドルシュートは左CB野上の股下を抜いて、ゴールに飛び込んだ。フロンターレが勝ち越した。と、またその直後の36分、GKピサノのフィードにFW永井が走り込み、抜け出して、ゴール前で右へパス。走り込んだOH和泉が難なく蹴り込んで、再びグランパスが同点に追い付く。すごいゲームだ。
39分、左SB三浦からサイドチェンジのパスを左WB徳元がヘディングではね返すも、CFエリソンがミドルシュート。同じような展開からフロンターレがゴールを狙う。40分、グランパスは和泉を下げて、FW山岸を投入。しかし攻めるフロンターレ。45分、CFエリソンのクロスにCH山本がボレーシュートもうまく当たらず。グランパスも45+1分、右WB森のクロスにFW山岸がヘディングシュート。左へ外れる。45+3分、左SH伊藤がカットインからシュート。伊藤はこの時間になってもキレキレだ。
直後には橘田を下げて、右SH持山を投入する。そして45+4分、FWエリソンのシュートはDFがブロック。45+5分、直後のCKの流れから、CH山本がクロスを入れると、クリアを拾った左SH伊藤が仕掛けて、右WB森、CH椎橋を抜いてシュート。ゴール。ついにフロンターレに勝ち越されてしまった。グランパスも45+10分、左WB徳元のFKのクリアをCH稲垣が得意のボレーシュート。しかし枠は捉えられず。そしてタイムアップ。4-3。激闘はフロンターレの勝利で終わった。
グランパスはこれで4連敗。マリノスがドローで降格圏を脱し、18位ベルマーレとの勝ち点差はわずか3。いよいよ降格圏が見えてきた。それでも今回のようなゲームを観ると、まだまだやれるかも、という気になる。次はホームで直上15位のFC東京を迎える。今日の結果次第だが、勝てば順位が入れ替わるかもしれないゲーム。その前に、水曜日にはサンフレッチェとの天皇杯準々決勝があるが、長谷川監督はどういうメンバーを起用するだろうか。いや、勝ち点の計算ではなく、目の前のゲームで必死に勝ちに行くことが次にもつながるだろう。もう負けられない。ただ必死に戦うのみ。