とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

J1リーグ第11節 名古屋グランパスvs.セレッソ大阪

 前節、首位のレイソル相手に会心の勝利。公式戦4連勝でホーム、トヨタスタジアムに帰ってきた。相手は同じ勝ち点で並ぶセレッソ。セレッソはここ5試合、2敗3分け。勝てていない。しかも、リーグ戦ではホームで2019年以降、セレッソには7連勝中。絶対的な相性の良さを誇る。

 グランパスの布陣は前節と同様、3-5-2。木村と永井をトップに、和泉と中山がWBに開く。中盤は、稲垣をアンカーに、森島と内田がIHに並び、CBは右から、原、佐藤、高嶺。GKはシュミット・ダニエル。藤井がベンチにも入っていないのは不安だ。対するセレッソの布陣は3-4-3。サバックをトップに、シャドーは右にルーカス・フェルナンデス、左に小見。中盤は、香川と田中駿汰がボランチに並び、WBは右に奥田、左にハビエル・フェルナンデス。CBは右から、クールズ、鷹塚、井上。GKは中村航輔。

 開始3分、グランパスは自陣から左IH森島が右前に長い縦パスを入れると、右WB和泉と左WBハビエル・フェルナンデスが交錯し、こぼれたボールを右IH内田が持ち込んで、クロス。これに左WB中山が走り込んで、ヘディングシュート。グランパスが幸先よく、先制点を挙げた。

 しかし、その後は強い雨が降り出したこともあってか、グランパスが主導権を握るも、安全にパスを回す展開が続く。すると26分、セレッソは、CB佐藤が右サイドでCFサバックに倒されたが、主審はファールを取らず。こぼれ球を拾ったCH田中の縦パスに左FW小見が走り込み、戻したパスをCH田中がクロス。ファーに流れたボールを右WB奥田がミドルシュートするが、右IH内田がブロック。さらにこぼれ球を左WBハビエル・フェルナンデスがシュート。しかしこれはCB佐藤がブロックした。

 グランパスも35分、右WB和泉の縦パスに右CB原が走り込むと、クロスをFW木村がヘディングで折り返し、左IH森島がシュート。しかしDFがブロックする。41分、左IH森島が直接FKを狙うが、バーの上。そして42分、右CB原の縦パスにFW永井が抜け出し、落としを右IH内田がシュート。これはGK中村がナイスセーブ。はね返りをFW木村がシュート。これは右FWルーカス・フェルナンデスがブロック。さらに左IH森島がシュート。CB鷹塚がブロックしたこぼれ球を木村がシュート。ついにネットを揺らした。と思ったら、最初のFW永井の位置がオフサイド。ゴールは認められなかった。

 45+2分にも、左IH森島のFKのはね返りを左CB高嶺がミドルシュート。GK中村のファインセーブで弾いたボールを右WB和泉がシュート。しかし枠を捉えられない。前半はこのまま、グランパスのリードで折り返した。

 しかし後半に入ると、セレッソが反撃をする。2分、CH香川のFKを右CBクルーズがヘディングで落とすと、左FW小見がボレーシュート。さらに続く右FWルーカス・フェルナンデスのCKから左WBハビエル・フェルナンデスがヘディングシュート。しかし枠は捉えられない。グランパスも8分、左WB中山の仕掛けから、戻しをCH稲垣がクロス。FW永井がヘディングシュートを放つが、これはGK中村がキャッチした。

 一方、セレッソも11分、CFサバックがポストで収め、スルーパスに右FWルーカス・フェルナンデスが抜け出して、シュート。GKシュミットがファインセーブで弾き出したが、ルーカスの位置がオフサイドだった。グランパスは15分、長い、森島、中山に代えて、CF山岸、左WB小屋松、右WB甲田を投入。内田がCHに下がり、和泉をシャドーに上げて、木村と並べる3-4-3の布陣に変更した。

 そして17分、左CB井上からの縦パスをCFサバックが収めると、CH稲垣が突いたボールが右FWルーカス・フェルナンデスに渡り、縦パスにCFサバックが走り込む。CB佐藤が付いて対応したが、強引なシュートはCB佐藤の足に当たって、フワッとGKシュミットの上を越えて、ファーに飛び込んだ。セレッソに同点に追い付かれてしまう。

 グランパスも20分、右WB甲田のCKのクリアをCH稲垣がミドルシュート。DFブロックのこぼれ球をCH内田が狙うが、シュートはうまく当たらない。24分、セレッソは、小見を左FW上門に交代。一方、グランパスも25分、内田をCH小野に交代した。しかし、その後はセレッソがピッチを広く使い、長いパスをつないで攻める。35分、セレッソはサバックを下げてCF櫻川に後退しようとするが、サバックの退場が遅く、櫻川の入場が認められない。グランパスが一人多い中で、36分、右WB甲田が仕掛けて、右に流し、CH稲垣がシュート。しかしCB井上がブロックする。続くCKの流れから、CH小野のクロスにCF山岸がボレーシュート。しかしうまく当たらず、ポスト左に外れた。

 43分には、右WB甲田が右FW和泉とのパス交換で右サイドを抜け出し、クロスにCH稲垣がシュート。しかしバーの上を越える。45分、セレッソはルーカス・フェルナンデスを右FW阪田に交代。45+2分、右WB甲田からの縦パスをCF山岸がうまくCB鷹塚をかわしてシュート。ネットを揺らすが、主審はファールを宣告。ゴールは認められない。そしてタイムアップ。結局、1-1のドローで終わった。

 2018年からのホームでの9戦負けなしは続いたが、勝てるゲームだった。早い時間に先制して、その後は雨もあって安全運転。そこで集中力が切れてしまった感があった。また、交代出場の左WB小屋松がまだ本調子ではない。右WB奥田に競り負けるシーンも多く、左サイドからの攻撃は少なかった。逆に、右WB甲田はよく仕掛けて可能性を感じたが、ゴールにはつながらなかった。次はアウェイで9位マリノスと対戦する。マリノスはここ3試合ドロー。今節は最下位ヴェルディに終盤追い付かれている。次節もホームだ。今度こそ、ホームのサポーターに8月末以来の勝利を届けてほしい。

J1リーグ第10節 柏レイソルvs.名古屋グランパス

 長い中断明けの前節は、フロンターレに後半28分、山岸のゴールで勝ち越して、5試合ぶりに勝利したグランパス。ミッドウィークのルヴァン杯では、ファジアーノに3-3の同点からPK戦で勝利して、これで公式戦3連勝となった。だが、今節の相手は3連勝で首位に立つレイソル。しかもアウェイ。厳しい結果になることを覚悟した。

 レイソルの布陣は3-4-3。藤尾をトップに、小泉と山内がシャドー。ボランチに中川と小西を置き、WBは右に久保、左に遠藤渓太。CBは右から、戸嶋、古賀、杉岡。GKは若原。対するグランパスは3-5-2の布陣。木村と永井を2トップに置き、内田と森島が左右のIH。アンカーに稲垣を置き、右WBは野上、左WBに和泉。CBは右から、原、藤井、高嶺。GKはシュミット・ダニエル。前節と同じメンバーが先発した。

 序盤、レイソルが攻勢をかける。2分、右CB戸嶋の縦パスをCF藤尾が落とし、右FW小泉の縦パスにCH小西が走り込んで、クロス。右WB久保が走り込むがわずかに届かない。しかしさすが流れるようなワンタッチパスでゴール前に入っていく。しかしグランパスも負けずに前からプレスを掛けると、6分、右FW小泉から左CB高嶺がボールを奪い、そのまま持ち上がって左に流すと、FW木村のクロスに右IH内田がGKの前に飛び込んでシュート。グランパスが先制点を挙げた。

 しかもこのプレーでGK若原が脳震盪。13分にGK永井堅梧と交代する。しかし、その後も攻めるグランパスは14分、右WB野上のアバウトなフィードにFW永井が快足を飛ばして走り込むと、追い付いて、クロス。だがFW木村のヘディングシュートは枠を外す。さらに17分、左CB杉岡からFW永井がボールを奪うと、クロスに再びFW木村。しかしうまく当たらず、シュートはポスト右に外した。

 2度の決定機を外すと、嫌な雰囲気。すると23分、CF藤尾がCB藤井と競り合って抜け出すと、戻しのパスを左WB遠藤が強烈なミドルシュート。レイソルに同点に追い付かれてしまう。その後もお互い激しい球際の攻防。そして36分、右FW小泉の縦パスを左CB高嶺がカットすると、こぼれ球をFW永井が左に落とし、FW木村がミドルシュート。これが決まる。グランパスが前半のうちに再びリードした。木村が前の2度のシュートミスを取り戻す値千金のゴールだった。

 しかし、GK若原の治療もあって、長い9分のアディショナルタイムに、レイソルが積極的にゴールを狙う。45+3分、CF藤尾がDFを背負って、反転からシュート。45+10分にはCH小西がミドルシュートを放つが、GKシュミットがセーブする。前半はグランパスの1点リードで折り返した。

 後半立ち上がり、レイソルは、山内と戸嶋を下げて、右CB原田。そして左FWに途中交代でゴールを重ねる瀬川を投入する。後半もお互い激しい攻防。レイソルは11分、CH中川がミドルシュート。12分、グランパスは永井を下げて、左Wに甲田を投入。木村をワントップに置き、内田を右FWに上げる3-4-3の布陣を取る。16分には、中盤で左CB高嶺がパスカットをすると、縦パスにCF木村が走り込み、クロスに左FW甲田がミドルシュート。しかしこれはGK永井がキャッチする。

 18分、グランパスは、木村をCF山岸に交代。一方、レイソルも23分、小西と遠藤を下げて、CH原川と左WB弓場を投入。さらに28分には、藤尾に代えてCF細谷を投入する。一方、グランパスも32分、森島、野上、和泉に代えて、CH小野、左FW小屋松、左WB徳元を投入。甲田を右WBに回す。33分、レイソルは左WB弓場の縦パスにCF細谷が走り込み、右CB原を抜いてクロス。右FW小泉がスルーして、右WB久保がシュート。しかし枠を捉えられない。

 すると34分、CH小野がドリブルで右サイドに持ち上がると、戻しを右CB原がつなぎ、右WB甲田が仕掛けて、CH原川を抜くと、縦パスをCF山岸が受けて、うまく持ち出しシュート。グランパスが3点目を挙げた。その後は、反撃するレイソル。だが、グランパスも集中力高く守る。39分、右FW小泉のスルーパスにCF細谷が抜け出してクロス。これが左WB徳元に当たって、こぼれ球を右WB久保がシュート。しかしGKシュミットがナイスセーブで抑える。

 グランパスは41分、高嶺を下げて、左CBに佐藤を投入。守りを固める。レイソルも44分、CH原川。45分にはCF細谷がミドルシュートを放つが、GKシュミット正面でキャッチ。その後も攻めるレイソルだが、グランパスが最後まで集中力高く守り切り、3-1。グランパスがレイソルに勝利し、首位から引きずり下ろした。

 前節で披露した、永井が先発して、後半、山岸を投入するパターンがこのゲームでも嵌って、山岸が追加点を挙げた。また、甲田の若々しいプレーもいいし、小野も効いている。守りでも、稲垣と高嶺ばかりが目立っていたこれまでと違い、全員が前からプレスをかけて、ルーズボールも拾えていた。もっとも、相手がパスを中心に攻めるレイソルだからやりやすかったかもしれない。高さもないので、CKも必ずショートCKだし、ロングボールもほとんど上げてこないのは守りやすかった。

 さて、次節はミッドウィークにセレッソ、週末にマリノス。さらにルヴァン杯のレッズ戦があって、ヴィッセル戦と、今後も連戦が続く。まずは次のセレッソ戦をホームでしっかり勝利して、その後につなげていきたい。ようやく点が取れるようになった。この勢いで順位も上位に上げていきたい。

人新世の「黙示録」☆

 2020年に出版された『人新世の「資本論」』では、マルクスの思想に沿いながら、今後の新しい経済システムとして「脱成長コミュニズム」を揚げていた。しかし、それから6年、環境問題がさらに深刻になるだけでなく、ウクライナ戦争やイラン戦争が勃発するなど、世界はますます悪い方向に向かっている。加えて、AIの急速な発展と暴走があり、GAFAMらによるレント経済によるテクノ資本主義が進行。コモンの囲い込みと破壊はさらに進んでしまっている。この先に見込まれるのは、テクノ・エリートたちによる「テクノ・ファシズム」。

 こうした状況に対抗するためには「脱成長コミュニズム」では足りない。そこで、左派加速主義、すなわち太陽コミュニズムを検討するが、それではもう古い。斎藤幸平はそこで強烈な左派批判を行う。そして提案するのが、「暗黒社会主義」。そして、そこに至る前に、ハイエクの新自由主義批判を展開する。

 本書では、「ハイエクの呪縛」と呼ぶが、ハイエクが主張した「計画経済vs自由市場」などの二項対立に囚われ、われわれもすっかりハイエク主義者になってしまっている。確かに、ハイエクの時代には、社会の隅々まで目の届いた計画経済を立案することは不可能だった。しかし、いまや我々はAIが跋扈する時代に生きている。こうした技術を用いれば、「デジタル社会主義」も可能ではないか。

 そして、さらに後半は、マルクスの独裁論を紹介しつつ、環境問題への対応を目的とする「エコロジー独裁」を提案し、そして最終提案の「暗黒社会主義」に至る。民主的な手続きによる生存を第一にする社会主義。理解はするが、やはり理想論過ぎるのでは、と思ってしまうが、そこで斎藤は抜かりなく、過去の、そして現在における実例を紹介する。パリ・コミューン、赤いウィーン、そしてエクアドルやコロンビアの左派政権における民主的社会主義の実践。さらに、ニューヨークでは、イスラム教徒のゾーラン・マグダム氏が市長となり、民主社会主義を遂行している。

 そう、ただの理想論ではないのだ。追い詰められた人々がいまや世界各地で声を上げ、行動を始めている。本書の最後で筆者は次にように書いて、みんなに行動を促している。日本が、世界が変わることを期待したい。

○新しい社会が実現するのは、<コモン>であり、慎ましやかな欲求の充足である。目指すのは、ディセント・ライフだ。…トランプ大統領のもとで反動化する米国でも、ニューヨークやミネアポリスなどで、「名もなき者たち」の戦いが成果を見せ始めている。…民主的計画の種をまき続けるのだ。未来はやはり、本書を読んだあなたが、それに向けて立ち上がる決断をするかどうかにかかっている。(P297)

 

 

○成長の停滞に直面し、眼前の利潤最大化のために<コモン>を使い潰すというレントの手口が、近年ますます一般化してきている。…その結果生じる<コモン>の破壊こそが、テクノ資本主義がもたらす反文明的な帰結であり、その最大の問題点である。<コモン>の独占が、富の希少性を人為的に増大させるのだ。/これを放置すれば、テクノ資本主義は囲い込み競争を激化させ、より一層、収奪的になり、格差を広げ、社会的富を吸い上げ、自然も社会も破壊してしまう。(P68)

○暗黒社会主義という新しい物語の主軸は…「必要と自己保存」である。/これこそが、「人新世」の生存主義である。この時代の政治や経済を支配する生存主義のもとでは、もっと直接的に生きるか死ぬか、という「生物的なもの」によって規定されるようになっていく。当然、暗黒社会主義は「成長経済」ではなく、「生存経済」を目指すことになるのだ。(P90)

○21世紀のデジタル技術が、20世紀とは違う状況をつくり出している…。「市場vs計画」というハイエクの二元論に特有のゼロヒャク思考ではとらえられない現実が生まれてきているのである。…貨幣と市場の弊害から完全に自由になった、理想郷としてのコミュニズムを目指すことはできなくとも、貨幣と市場を残した「デジタル市場社会主義」による生産計画には十分に目指す価値がある。8P162)

○グローバル・エリートたちが進めている危機への適応策は、自分たちの既得権益を守るために、共有財であるべき<コモン>を独占し、反リベラル、反人権、反民主主義の体制を構築するというものだ。…今後、次々と襲ってくる災害によって、土地や住居や生活の糧を私たちの多くが失うことになる。破局的状況の結果、さらなる差別や搾取に苦しむことになる弱者が、社会の多数派になっていく。…そのような新しい社会への移行期に求められると本書が考えるのが、環境弱者による「エコロジー独裁」だ。(P224)

○「暗黒社会主義」…を実現するための五つのポイントをまとめれば、次にようになる。/①脱商品化とニーズ型経済への転換/②投資の社会化=民主化/③多元的な価値を反映する経済/④参加型経済による暗黙知の活用/⑤環境制約の経済への埋め込み/それによって資本の支配力を抑制し、その分だけ、経済を民主的で持続可能なものにしていくのだ。平等な社会の実現は、富裕層の放埓な生活にブレーキをかけて、環境を守ることにつながる(P261)