とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

読書

新型コロナウイルスの真実

岩田健太郎氏と言えば、単身、ダイヤモンド・プリンセス号に乗り込み、感染対策が不十分なことを暴露した医師として有名だ。その事件の後、たぶん初めて取材を受け、発行した本だと思う。「新型コロナウイルスの真実」というタイトルがついているが、まだわ…

街場の日韓論

安倍総理の突然の辞任表明。そして今は自民党総裁選の真っ只中だが、各候補者が話した日韓関係に関する方針等がマスコミに大きく取り上げることは少ない。「過去最悪の日韓関係」と「まえがき」に書かれているが、昨年のGSOMIAに至る様々な出来事は現在も何…

フィデル出陣☆

「フィデル誕生」の続編となる「ポーラースター」シリーズの第4部。「フィデル誕生」の読書感想で、「第4部ではカストロとゲバラが出合い、キューバ革命が進行していくのだろう」と書いたが、そうではなかった。本書の最後でようやくカストロとゲバラは出合…

プラヴィエクとそのほかの時代☆

オルガ・トカルチュクの邦訳3作目、「プラヴィエクとそのほかの時代」を読んだ。邦訳は3作目だが、ポーランドでの執筆と発行は最も早く、1996年に出版されている。そして3作の中では最も読みやすい。 プラヴィエクというポーランド西部の架空の土地を舞台に…

真実の終わり

機関銃のようにトランプ批判が乱射される。筆者は全米一の辛口で辛辣な文芸批評家と言われるそうだが、その銃口がトランプ政権に向けられ、嘘とポピュリズムでアメリカの政治を奪い、全体主義へ導こうとしていると批判する。だが、筆者が真実と主張するロシ…

街場の親子論

思想家である内田樹と娘の「るん」さんとの往復書簡集である。「るん」さんのことはこれまでの内田樹の本の中でもある程度書かれていたが、独り立ちして以降のことはあまり書かれていない。高校を卒業した後、離婚した妻(「るん」さんにとっては母親)と一…

動物感覚

○私は動物がどんなふうに考えているかわかるのだが(P9) 書き出しを読んでびっくりした。えっ、そこまで自信を持って、自分は動物の気持ちがわかると言ってしまっていいの? でも読み進めるうちに、確かにそう言っても過言ではないということがわかってくる。…

カササギ殺人事件☆

久しぶりに面白い推理小説を読んだ。2018年秋の出版だが、その後、日本のミステリ関係の賞を総なめにしている。これにはちょっと興味が引かれ、図書館で予約した。コロナ禍もあって順番が回ってくるまで時間がかかったが、ようやく読み終えた。普段ほとんど…

西への出口

中東か、北アフリカか、それとも西アジアか。難民あふれる紛争地帯で生まれ育ったふたりの男女が、恋に落ち、武装組織に占拠される中で、「西への出口」から外に脱出する。難民キャンプらしいそこはギリシャのミコノス島で、さらに扉を通って、ロンドンの邸…

哲学とは何か☆

竹田青嗣の本はいつか読みたいと思っていた。だがどれも難しそう。と思ったら「哲学とは何か」というタイトルの入門書が出版された。竹田青嗣は哲学をどう論ずるのか。興味を持って読み始めた。 「序 哲学の方法と功績」で、共同体の秩序を安定させるため、…

サル化する世界

ここ数年の間、筆者が様々な媒体に寄稿したエッセイ等を集めたもの。ブログに掲載されたものもあれば、文春オンラインでのインタビュー記事もある。中でも、姜尚中とのトークセッションで語った「比較敗戦論」と、東京私学文系教科研究会での講演録「AI時代…

京都まみれ

「京都ぎらい」がベストセラーになり、井上章一も一躍、全国区の著名人の一人になった。個人的にも京都で生活した経験があるだけに、「京都ぎらい」はそれなりに面白く読んだが、「2016年、私が読んだ本ベスト10」の第4位に挙げている。そんなに面白かったと…

星に仄めかされて☆

前作「地球にちりばめられて」は多くの登場人物が欧州を追いつ追われつしつつ、母国や母語の意味を考えさせられる作品だった。前作の最後では「それなら、みんなで行こう」と新たな旅立ちが宣言されたと私のブログには書かれているが、いったいどこへ向かう…

力なき者たちの力

2月の「100分de名著」で取り上げられた。すぐに図書館で予約したが、コロナ禍もあって、ようやく順番が回ってきた。わずか150ページの薄い本だが、内容はしっかりつまって、難解でもある。「100分de名著」を視たおかげで理解が進んだ。 本書はハヴェルらによ…

2050年のメディア

「2050年のメディア」というタイトルは、筆者が2018年に慶應大学湘南藤沢キャンパスで始めた講座名であり、働き始めて32年、では32年後の2050年のメディアはどうなっているのか考えてみたいという趣旨で付けられた。しかし2050年のメディアを予測する内容の…

令和日本の敗戦

現在の日本は、まるで敗戦に向かってひた走っていた戦争末期のようだと筆者は言う。確かにそうかもしれない。現実を直視せず、やたらと威勢のいい掛け声ばかりを声高に唱える安倍首相。その内実は、粉飾と欺瞞に満ちている。そして、異次元の金融政策や「生…

フットボール批評issue28

サッカーのない日常が始まって、早や3ヶ月が経とうとしている。それでも先月からブンデスリーガが始まって、いよいよ来月にはJ1リーグも開幕する。来月になったら、またDAZNを再契約しよう。 それにしてもこの間、新型コロナへの対応という点において、Jリー…

皇国日本とアメリカ大権

「序論」で、以下のように書かれている。 ○『國體の本義』の皇国主義が洗脳であったとすれば、脱洗脳をすませない限り、その洗脳の効果は残ってしまう。…では、脱洗脳をするには、どうすればよいか。/『國體の本義』のテキストと、正面から向き合うことであ…

地球温暖化「CO2犯人説」は世紀の大ウソ

これまで、地球温暖化に係る本はいくつも読んできた。本書は、地質学者である丸山茂徳氏を中心に、10人の執筆者による論文等を集めたものである。論文と書いたが、インタビュー記事もあり、また有馬純や米本昌平など、文中で「温暖化懐疑論者ではない」と公…

感染爆発・新型コロナ危機

「田中宇の国際ニュース解説」は欠かさず読んでいる。ただし有料会員ではないので、無料配信記事だけ。本書は、中国武漢で新型コロナウイルスの感染が爆発的な広がりを見せ、横浜港に大型クルーズ船「ダイヤモンドプリンセス号」が入港した翌日の2月4日から7…

ペスト

新型コロナの感染拡大に伴い、ベストセラーになっているのが、カミュの「ペスト」だ。先月にはNHKのEテレ「100分de名著」でも再放送をしていた。これを見て興味を持ち、書店に行ったが、既に売り切れていた。そんな話を友人にしたところ、最近読み返したとい…

ネガティブ・ケイパビリティ 答えの出ない事態に耐える力☆

今、私は、これからどうなるのか全くわからない状況の前で、ただ待っている。ネガティブ・ケイパビリティとは、「どうにも答えの出ない、どうにも対処しようのない事態に耐える能力」、あるいは「性急に証明や理由を求めずに、不確実さや不思議さ、懐疑の中…

夢みる人のクロスロード

「あいちトリエンナーレ」と言えば、昨年の「表現の自由」を巡る騒動が思い出される。だが本書はその前、2016年の「あいちトリエンナーレ」の際に、芸術監督であった港千尋氏を編者として作成された本である。図書館が閉鎖されている今、未読のままに置かれ…

幸福な監視国家・中国

新型コロナ対策にあたり、中国ではGPSやスマホアプリを利用して感染者の移動状況等を追跡・把握し、感染拡大予防に効果があったという。一方で、かねてから中国政府は、監視カメラやスマホ等を通じて国民の行動や言動を管理し、人権侵害を繰り返す監視国家だ…

「ブックカバーチャレンジ」をブログでやってみる。

先日、「ブックカバーチャレンジはやらないよ」と書いた。よく知っている知人や友人に、おすすめの本7冊をFacebookで紹介するなんてことは、恐ろしくとてもできない。でもこの匿名ブログでなら、本の紹介はいつもやっていること。自分の人生の中で、今でも記…

ぼくたち日本の味方です

図書館が閉鎖されて、ついに手持ちの本を読むしかなくなった。本書は2015年に文庫版が出版された際に購入したのだが、「文庫版のためのまえがき」を読んでショックを受けた。なんと「どんどん沈む日本をそれでも愛せますか?」のタイトルを変えて再発行され…

くらやみに、馬といる☆

この本が出て比較的すぐに購入した。ちなみにアマゾンでは売っていない。いくつかのネット書店では販売されているようだが、私は発行元のカディブックスで購入した。作者の河田さん自身が立ち上げた小さな出版社だ。 昨年読んだ「はしっこで、馬といる」は河…

生き心地の良い町

2013年の発行だから、ずいぶん前の本である。当時はそれなりに話題になったようだ。私がどこでこの本を知ったのか忘れたが、いい本に巡り合った。徳島県に日本でも有数の自殺希少地域があるという。合併してしまったが、旧海部町地域がそれである。合併後の…

人類はなぜ<神>を生み出したのか?☆

前著「イエス・キリストは実在したのか?」は興味深く読んだ。イエスは実在したが、彼をキリストにしたのはパウロだという説はこれまでもあったが、このことが実に鮮やかに描かれ、面白かった。本書にも前著と同様の面白さを期待したが、そこまでではない。…

今日も、Jリーグ日和

新型コロナウイルスの影響でJリーグはおろか、世界中のサッカー、そしてスポーツがストップしてしまった。観戦できるゲームがないなら、読書で楽しむしかない。実は本書は、「フットボール批評issue26」のプレゼント企画でもらった。平畠啓史のサイン入り! …