とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

読書

星に仄めかされて☆

前作「地球にちりばめられて」は多くの登場人物が欧州を追いつ追われつしつつ、母国や母語の意味を考えさせられる作品だった。前作の最後では「それなら、みんなで行こう」と新たな旅立ちが宣言されたと私のブログには書かれているが、いったいどこへ向かう…

力なき者たちの力

2月の「100分de名著」で取り上げられた。すぐに図書館で予約したが、コロナ禍もあって、ようやく順番が回ってきた。わずか150ページの薄い本だが、内容はしっかりつまって、難解でもある。「100分de名著」を視たおかげで理解が進んだ。 本書はハヴェルらによ…

2050年のメディア

「2050年のメディア」というタイトルは、筆者が2018年に慶應大学湘南藤沢キャンパスで始めた講座名であり、働き始めて32年、では32年後の2050年のメディアはどうなっているのか考えてみたいという趣旨で付けられた。しかし2050年のメディアを予測する内容の…

令和日本の敗戦

現在の日本は、まるで敗戦に向かってひた走っていた戦争末期のようだと筆者は言う。確かにそうかもしれない。現実を直視せず、やたらと威勢のいい掛け声ばかりを声高に唱える安倍首相。その内実は、粉飾と欺瞞に満ちている。そして、異次元の金融政策や「生…

フットボール批評issue28

サッカーのない日常が始まって、早や3ヶ月が経とうとしている。それでも先月からブンデスリーガが始まって、いよいよ来月にはJ1リーグも開幕する。来月になったら、またDAZNを再契約しよう。 それにしてもこの間、新型コロナへの対応という点において、Jリー…

皇国日本とアメリカ大権

「序論」で、以下のように書かれている。 ○『國體の本義』の皇国主義が洗脳であったとすれば、脱洗脳をすませない限り、その洗脳の効果は残ってしまう。…では、脱洗脳をするには、どうすればよいか。/『國體の本義』のテキストと、正面から向き合うことであ…

地球温暖化「CO2犯人説」は世紀の大ウソ

これまで、地球温暖化に係る本はいくつも読んできた。本書は、地質学者である丸山茂徳氏を中心に、10人の執筆者による論文等を集めたものである。論文と書いたが、インタビュー記事もあり、また有馬純や米本昌平など、文中で「温暖化懐疑論者ではない」と公…

感染爆発・新型コロナ危機

「田中宇の国際ニュース解説」は欠かさず読んでいる。ただし有料会員ではないので、無料配信記事だけ。本書は、中国武漢で新型コロナウイルスの感染が爆発的な広がりを見せ、横浜港に大型クルーズ船「ダイヤモンドプリンセス号」が入港した翌日の2月4日から7…

ペスト

新型コロナの感染拡大に伴い、ベストセラーになっているのが、カミュの「ペスト」だ。先月にはNHKのEテレ「100分de名著」でも再放送をしていた。これを見て興味を持ち、書店に行ったが、既に売り切れていた。そんな話を友人にしたところ、最近読み返したとい…

ネガティブ・ケイパビリティ 答えの出ない事態に耐える力☆

今、私は、これからどうなるのか全くわからない状況の前で、ただ待っている。ネガティブ・ケイパビリティとは、「どうにも答えの出ない、どうにも対処しようのない事態に耐える能力」、あるいは「性急に証明や理由を求めずに、不確実さや不思議さ、懐疑の中…

夢みる人のクロスロード

「あいちトリエンナーレ」と言えば、昨年の「表現の自由」を巡る騒動が思い出される。だが本書はその前、2016年の「あいちトリエンナーレ」の際に、芸術監督であった港千尋氏を編者として作成された本である。図書館が閉鎖されている今、未読のままに置かれ…

幸福な監視国家・中国

新型コロナ対策にあたり、中国ではGPSやスマホアプリを利用して感染者の移動状況等を追跡・把握し、感染拡大予防に効果があったという。一方で、かねてから中国政府は、監視カメラやスマホ等を通じて国民の行動や言動を管理し、人権侵害を繰り返す監視国家だ…

「ブックカバーチャレンジ」をブログでやってみる。

先日、「ブックカバーチャレンジはやらないよ」と書いた。よく知っている知人や友人に、おすすめの本7冊をFacebookで紹介するなんてことは、恐ろしくとてもできない。でもこの匿名ブログでなら、本の紹介はいつもやっていること。自分の人生の中で、今でも記…

ぼくたち日本の味方です

図書館が閉鎖されて、ついに手持ちの本を読むしかなくなった。本書は2015年に文庫版が出版された際に購入したのだが、「文庫版のためのまえがき」を読んでショックを受けた。なんと「どんどん沈む日本をそれでも愛せますか?」のタイトルを変えて再発行され…

くらやみに、馬といる☆

この本が出て比較的すぐに購入した。ちなみにアマゾンでは売っていない。いくつかのネット書店では販売されているようだが、私は発行元のカディブックスで購入した。作者の河田さん自身が立ち上げた小さな出版社だ。 昨年読んだ「はしっこで、馬といる」は河…

生き心地の良い町

2013年の発行だから、ずいぶん前の本である。当時はそれなりに話題になったようだ。私がどこでこの本を知ったのか忘れたが、いい本に巡り合った。徳島県に日本でも有数の自殺希少地域があるという。合併してしまったが、旧海部町地域がそれである。合併後の…

人類はなぜ<神>を生み出したのか?☆

前著「イエス・キリストは実在したのか?」は興味深く読んだ。イエスは実在したが、彼をキリストにしたのはパウロだという説はこれまでもあったが、このことが実に鮮やかに描かれ、面白かった。本書にも前著と同様の面白さを期待したが、そこまでではない。…

今日も、Jリーグ日和

新型コロナウイルスの影響でJリーグはおろか、世界中のサッカー、そしてスポーツがストップしてしまった。観戦できるゲームがないなら、読書で楽しむしかない。実は本書は、「フットボール批評issue26」のプレゼント企画でもらった。平畠啓史のサイン入り! …

戦争取材と自己責任☆

2015年7月から18年10月までの3年4ヶ月、シリアで拘束され、帰ってきたジャーナリストの安田純平に、パレスチナを中心に活動するジャパンプレス所属のジャーナリスト、藤原亮司がインタビューする形で進められる対談集。安田純平と言えば、日本に帰ってきた時…

次のテクノロジーで世界はどう変わるのか

筆者の山本康正氏は、東大、ハーバード大大学院を卒業後、グーグルに入社。現在はベンチャー投資家。また京大の特任准教授なども務めている。ネットで検索すると、テレビ朝日の「あいち今なにしてる?」で紹介されたという記事が多く見つかる。 「はじめに」…

なぜ、成熟した民主主義は分断を生み出すのか☆

タイトルだけ見れば、社会の分断を糾合し、否定する内容のように見える。筆者をWikiで検索すると、「右翼評論家」と書かれている。本書を読みだすと、筆者が長く日本及び米国共和党で選挙事務や選挙対策に関わってきたことが示されている。「現在は米国の選…

フットボール批評 issue27

今号の特集は「J産フットボール論の逆襲」。だが、コンサドーレ社長の野々村氏の対談や栗原雄三のインタビューなどでは、あまり「J産のフットボール論」という感じはしない。むしろ、第2特集の「Jリーグ変革と継続のあいだ」に収められた「2020Jリーグの戦術…

逃亡派

1年遅れで2018年ノーベル文学賞を受賞したオルガ・トルカチュクの邦訳としては2作目の作品。ポーランドでは2007年に出版され、翌年、ポーランドの文学賞ニケ賞を受賞。2017年にブッカー国際賞を受賞し、翌年のノーベル文学賞につながった。「昼の家、夜の家…

持続可能な医療

広井良典の著作としては先に「人口減少社会のデザイン」を読んだが、本書については「医療制度」をテーマにした本ということで、これまで読まずにきた。しかし前著を読むうちに、やはり本書も読んでおくべきではないかと思い、遅まきながら手に取ってみた。…

心にとって時間とは何か

「時間」とは何だろう。本書では、それに敢えて「心にとって」と付け加えられている。「心とは何か」と問い掛けたくなるが、それはたぶん主観的に我々が時間をどう捉えているか、という意味合いだと思われる。このため、本書では章ごとに、<知覚>、<自由>、<…

行動経済学の使い方

これまで大竹文雄の本は何冊か読んできて、わかりやすく面白いので、本書も期待して手に取った。行動経済学に関する本書では、第1章「行動経済学の基礎知識」で、プロスペクト理論や現在バイアス、社会的選好やヒューリスティックといった基本的な理論につい…

昼の家、夜の家☆

オルガ・トカルチュクは昨年発表された2018年のノーベル文学賞を受賞したポーランドの作家。邦訳された作品はまだ少ないが、その一つ、「昼の家、夜の家」を読了した。 ポーランドの南西部、チェコとの国境付近にある人口2万5千人ほどの小さな町ノヴァ・ルダ…

沈黙する知性

内田樹と平川克美の対談集である。この二人が小学校以来の同級生ということは周知の事実。同じ波長の二人がまさに異口同音で話をする。どちらかと言えば、平川氏が最初に話を始め、内田氏が「それはこういうことでしょ」と解説をする感じ。多少の意見の違い…

日本国の正体

「○○の正体」というタイトルは、孫崎亨が始めたものだっただろうか。「日米同盟の正体」、「戦後史の正体」で戦後の日米関係を暴露して話題を呼んだ孫崎氏が新たに「○○の正体」シリーズを発行した。今度は「日本国の正体」。いったいどんな日本国の真実が暴…

「地球温暖化」の不都合な真実

先に「『地球温暖化』狂騒曲」を読んだが、本書はその著者である渡辺正氏が訳した本。「『地球温暖化』狂騒曲」の約1年後に発行されているが、原著の発行は2018年だから、渡辺氏は本書を訳しつつ、その知見を取り入れて前著を書いたのだろう。内容的に重複す…