とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

プレミアの神様は努力する者に報いる慈悲の心を持っている?

 4節まで3勝1分の2位でチェルシーを追いかけるアーセナル。前節ボルトン戦は中盤まで同点で苦しんだが、最後は連続得点で突き放し、4-1で快勝した。しかし、ウォルコットファンペルシーをケガで欠き、チャンピオンズ・リーグもあって中2日とコンディションは最悪。片やサンダーランドは前節から1週間を空け、ホームでの戦いに積極的に勝利を狙ってきた。
 前半、ほとんどアーセナルらしいパス回しを見せられなかったにも関わらず、先制点は皮肉な形でアーセナルに転がり込む。前半13分、CBファーディナントのクリアが詰め寄ったセスクの足に当たり、そのままゴールに飛び込んでいった。クリア直前に瞬間的にスピードを速め、かつちゃんとゴールに向けて足首の面を作っていたセスクの技術の確かさを評価すべきかもしれないが、やはりラッキーだと思う。
 ゲームは徹頭徹尾サンダーランド・ペースで進む。15分、CKに見せたオヌオハのヘディングシュートの高さ。16分、リチャードソンがクロスを上げるとマルブランクがシュート。アーセナルも17分、ソングのヘディングシュート。28分、ソングのスルーパスアルシャビンがシュート。しかし、ほとんどパスが回らず、サンダーランドのミスでボールを奪っても、すぐに高いプレッシングから2人・3人で囲まれ、またボールを奪われる。
 サンダーランドはボールを奪ったらすぐに前線に放り込み、ベント、ウェルベックの高いCF二人が起点となって後方から押し上げる戦い方。36分、ヘンダーソンのクロスにリベロスがヘディングシュート。45分にはエルモハマディのクロスにウェルベックがヘディングシュート。アーセナルのCBはその都度下げられ、大忙し。しかし、踏ん張る。
 後半に入ってもサンダーランド・ペース。1分、ウェルベックがシュート。アーセナルはセスクが太股の違和感を訴え、前半29分に交代。代わりに入ったロシツキーを中心に、アルシャビン、ナスリが攻撃を作る。2分、シャマックのクロスにアルシャビン。4分、ロシツキーのドリブルからソングがパス、アルシャビンがシュート。7分、ナスリのスルーパスにシャマックが走り込みシュート。GKがセーブ。
 しかし、後半10分。ソングが2枚目のイエローで退場。これでアーセナルの攻勢も一段落してしまう。6分、サンダーランドの右サイド、エルモハマディのクロスにベントがヘディングシュート。13分にもヘンダーソンのクロスをベントがシュート。中盤でエルモハマディ、ヘンダーソン、マルブランクが非常に精力的に動いて、再三、クロスを放り込む。SBでは左サイドをリチャードソンがよく上がりフォローする。特にエジプト代表でサンダーランドのセレクションに応募して入団したというエルモハマディの動きがすばらしい。しかしトップのシュート精度が課題。アーセナルの守備陣がよくがんばっていたのかもしれない。
 29分、孤軍奮闘のナスリがドリブルでPAに入ったところで、後ろから詰めたエルモハマディがナスリの足を払ってしまう。PK献上。しかしこれを蹴ったロシツキーがゴール上にふかしてゴールにならない。サンダーランドは窮地を救われる。そこからはまたサンダーランド・ペース。
 36分、マルブランクのクロスに途中交代のギャンが高いヘディングシュート。44分にはエルモハマディのクロスを落としたところをヘンダーソンがミドルシュート。そしてロスタイム4分過ぎ、ゼンデンのパスをエルモハマディがヘッドでゴール前に送り込み、混戦の中、ベントがついに同点ゴールを決めた。
 圧倒的にサンダーランド・ペース。ボール支配率でも54%とアーセナルを上回ったサンダーランドが、アーセナルの強運の前に破れるかという寸前のところで追い付いた。プレミアリーグの神様は努力したチームに報いることを忘れてはいなかった? もっとも、アーセナルにとってこの内容で勝点1は大きい。第7節、序盤の山場、チェルシー戦が待ちかまえる。それまでにアーセナルは戦力を整えられるだろうか。そこまで厳しい日程が続く。