とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

五輪代表 バーレーンの抵抗に落ち着いて対処し勝ち点を積み上げた。

 五輪最終予選第2戦はバーレーンとアウェイで対戦。マスコミは先日の北朝鮮戦を例に、異様な雰囲気の中での中東のアウェイの危機感を煽ったが、A代表と五輪代表では観客の関心は雲泥の差。バーレーンのサポーターはほとんどおらず、日本のサポーターの方が多い位。これで選手たちもかなり落ち着いてやれたのではないか。
 それよりも日本を悩ませたのは、強い風と柔らかいピッチと突貫してくるバーレーンの当たりの強さ。とにかくバーレーンのプレスが速い。トラップをしているとあっという間に複数の選手に囲まれる。慌ててパスを出すと、ボールの転がりが遅く、味方選手に届く前にカットされ、前方に放り込まれる。クリアにもたつくとバーレーンの選手たちが突貫してくる。MF陣の足が早く、日本のボランチの位置でボールを奪われると、あっという間にゴール前までボールが飛んでくる。風下ということもあり、どうしても受けに回ってしまい、ヒヤヒヤする場面が何度もあった。
 攻撃もままならない。パスがつながらない。大津がドリブルでがんばるが、バーレーンのタックルが荒く、何度も倒される。バーレーンの厳しい当たりはファールにならず、日本の攻撃陣の接触がファールになる。
 10分、ショートコーナーを東が中に入れ、大津が飛び込むが、GKルトフッラーがセーブ。遠目から放り込むボールは強風もあって球速が抑えられ、ことごとくGKがキャッチする。だが、このあたりからようやく日本も少しずつボールを回すことができるようになってきた。23分、扇原が左に流し、大迫のクロスに東がミドルシュート
 バーレーンは風上を生かして遠目から長いボールを放り込む。39分、マルードのミドルシュートがポストをかすめる。これが一番肝を冷やした。だが、これが決まらずまた日本ペース。そして44分、山本の蹴ったCKにGKルトフッラーが飛び出すが、手に当ててこぼすと、こぼれ球を大津が拾い右足アウトでゴールにねじ込む。ようやく日本が先制した。
 前半のヒーローは大津。左SB比嘉もよく攻撃に絡んだが、パスが不正確でピンチを招く。だが、日本のウィークポイントと言われてきたCB濱田と鈴木が落ち着いて対応した。バーレーンは後半早々、CFをアラウィーに交代。後半はドリブルを混ぜて攻めてくる。日本のファールが増える。6分、FKからアラウィーがヘディングシュート。
 日本はボランチで囲まれボールを奪われてはピンチを招くことから、7分に山本を山口に代える。DFラインから落ち着いてパスをつなぐようになり、前線まで持ち込んでいくが、最終パスの精度が低い。11分、山口のミドルシュートはGKの正面。バーレーンがまたプレスを強めてくる。日本が押される。
 だが22分、東が猛然と前線に走り込むと、扇原が前にボールを入れる。東とDFが競ったこぼれ球を山田がシュート。GKのこぼれ球を東がゴールに叩き込む。押された中、日本が追加点を入れた。東の走り込みが見事。これを扇原が見逃さなかった。
 25分には大津に代えて永井を投入。バーレーンのDFラインを深く押し込む作戦。
 35分、山田と交錯したアブドアヘリが山田の顔を踏みつけて一発レッド。反撃がままならないバーレーンが苛立ち、荒れたプレーが目立つ。だが日本は挑発に乗ることなく落ち着いてプレー。流血した山田に代えて40分、酒井高徳を左MFに入れて押し込んでいく。ロスタイムにバーレーンがスルーパスからアラウィーにシュートを打たれるが、直後にはゴールキックから大迫のシュートがバーを叩く。そしてタイムアップ。
 日本は中東の劣悪な環境、荒れたゲームによく対応し、確実に勝点を積み重ねた。心配したアウェイの異様なサポーター環境がなかったことも幸いした。これで最終予選はシリアとの決戦となった。27日のホームでのシリア戦で予選突破に目途をつけろ。このグループでは日本が飛び抜けていることを証明しろ。