とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

はつらつサガン、ベテラン主体のヴィッセル撃破

 今シーズン昇格3チームの中で唯一J1経験のないサンガ。選手も豊田、水沼を除いては聞いたこともない選手がほとんど。だが、初戦ドロー、2戦目敗戦と序盤は少し手間取ったが、前節、マリノス相手に快勝し、徐々に調子を挙げてきた。どんなプレーを見せるのか、楽しみに観はじめた。
 豊田はグランパス時代によく見ていた選手。当時から闘志を見せる選手だったが、五輪代表を経て、格段にうまくなっている。ポストプレーはほとんど競り勝ち、うまく収めて、攻撃の起点になっていた。守備ではCBのヨ・ソンヘが効いている。大久保の仕掛けをことごとくヨ・ソンヘがからめ取る。
 序盤は両チーム狭い中盤の中で激しい攻防を見せる。そして8分、水沼のクロスを豊田がつなぎ、左SHキム・ミヌがヘディングシュート。だがバーにはね返され、詰めた池田のシュートはうまく合わない。
 ヴィッセルは次第に押され気味。それでも10分、ボランチ橋本がミドルシュートを放つと、13分、田中の長いクロスから吉田がシュート。しかしゴール前には必ずDFが付いて、自由にさせない。そして15分、CB高木に豊田が絡んでボールを奪い、クロスに水沼がシュート。DFがブロック。16分には吉田がミドルシュート。だがゴール前に入っていけない。前半は野澤、パク・カンジョのSHが攻撃に絡めず、FW二人で攻めていた。
 28分、ピッチ中央から水沼が右に流し、池田のクロスに豊田がDFと競ってつぶれた後ろに野田が走り込みシュート。ボールはDF伊野波に当たってゴールに飛び込む。サンガ先制。
 その後も中盤の攻防が続くが、前半終了間際の44分、橋本から池田が身体を寄せてボールを奪い、豊田がポストとなって右に流すと、水沼のクロスに豊田が走り込みシュート。またも伊野波に当たってわずかにコースが変わり、ゴールネットに吸い込まれる。サンガ追加点。この2点目が効いた。
 それにしてもサンガの守備は厳しく速い。ショートカウンターは正確で強力だ。後半に入っても、この戦い方は変わらない。
 ヴィッセルは3分、中盤から大久保がミドルシュート。だがGK赤星がナイスセーブを見せる。後はサンガのペースが戻ってくる。5分、野田が左サイドを縦に送ると、豊田が走り込み、キム・ミヌとスイッチしてクロスに池田が走り込みシュート。GK徳重ブロック。12分、豊田のパスに野田がシュート。GK徳重が股を閉じる。
 攻撃がうまく回らないヴィッセルは10分、吉田に代えて茂木。さらに17分、パク・カンジョに代えて都倉に投入。前線にターゲットを作り、大久保を中盤に下げる。24分には茂木がミドルシュート。だがGK赤星の正面。
 26分、ゴールキックから豊田がポストで落とし、野田のスルーパスに水沼が走り込みシュート。直後、野澤のクロスに都倉がつぶれて後方に田中。戻しのパスを大久保が狙うがふかしてしまう。28分には水沼のサイドチェンジからキム・ミヌが中に入れると、豊田が反転からシュート。ゴール右隅わずかに外れる。
 ヴィッセルは30分、野澤のミドルシュート。32分には相馬のアーリークロスを都倉が落とす。走り込んだ田中が胸トラップ。サンガの速い寄せにシュートを打てず。追い付きたいヴィッセルは34分、CBイ・グァンソンを入れて伊野波をボランチに上げ、パワープレーを繰り出すが、サンガの足が止まらない。5分の長いロスタイムには、途中交代岡田のドリブル突破からクロスに池田が合わせてシュート。きれいなゴールで3点目を挙げてヴィッセルを突き放し、3-0で勝利した。
 サンガのゴールはどれも速くてきれい。ゴールシーン以外にも何度もショートカウンターを決めてはヴィッセルゴールに迫った。何より中盤の守備、速い寄せがすばらしい。かつ、終盤まで運動量が衰えない。豊田を筆頭とした闘志、そして溌剌とした戦い方が胸を打つ。思わず応援したくなる好チームだ。