とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

W杯アジア2次予選 日本対アフガニスタン

 シンガポール戦から5試合。無様なゲームを続ける日本代表に対してハリルヒジッチを批判する声が次第に大きくなってきた。そろそろスカッとするゲームを見せなくては。だがTV放送では完全アウェイと不安感を煽る。映像ではそれほど多くのアフガニスタン・サポーターが詰めかけたわけではないが、始終鳴り響くホーンの音は気になる。こんな雰囲気で課題の連携は大丈夫だろうか。武藤に代えて左SHには原口が先発した。

 序盤から日本が押し込む。1分、香川のCKからCB森重がヘディングシュート。しかしGKアジジがセーブ。これまでのゲームを思い出し、またゴールが遠いのかと不安な気持ちが沸き上がる。7分、左SB長友のクロスを右SH本田がヘディングで落とし、CH長谷部がボレーシュート。わずかにバーの上に外れる。しかしアフガニスタンシンガポールカンボジアと違い、比較的前からプレスをかけてくる。日本も左SH原口が外に開き、左SB長友との関係はよさそうだ。

 そして10分、左SH原口が中に向けてドリブルを始めると、OH香川にパス。香川は走り込む原口にパスを戻すことなく反転してミドルシュート。これが見事にゴール左隅に決まり、日本が早い時間で待望の先制点を挙げる。久しぶりに見る香川の笑顔。これでみんなホッとした。

 その後も日本が攻める。18分、CB吉田の縦パスを右SH本田が落とし、CF岡崎がつないでOH香川がシュート。DFがブロック。続く右SH本田のCKにCF岡崎がニアでフリックすると、CB森重と吉田が飛び込むがわずかに届かない。だがこのゲーム、両CBが積極的に押上げ、CBからゲームを作るパスを出していく。また長谷部と山口の両CHもタイミング良い上がりを繰り返し、これまでと比べかなり立体的な崩しができるようになっている。

 さらにいいのが香川。これまでにない抜群のキレで随所に顔を出し、華麗なテクニックを披露。左SH原口のサイドに開いてからの仕掛けも効果的だ。20分、CB森重からのサイドチェンジに右SB酒井宏樹がヘディングでクロス。CF岡崎が飛び込むが、GKアジジが抑える。27分、CB森重の思い切ったロングシュートはGKの前でイレギュラーバウンド。あわやバーを叩く。CH長谷部が詰めてヘディングで落とし、CF岡崎がヘディングシュート。しかし枠に入らない。32分、左SB長友のクロスからCF岡崎のヘディングシュートも枠を捉えられない。岡崎はまだ調子が戻っていないのか。

 それでも34分、左CKから一旦深く戻して左SB長友が前線に縦パスを入れると、CB森重がDFの裏に走り込んでヘディングシュート。GKアジジがファインセーブ。弾いたボールがゴールラインに転がるところを右SH本田がギリギリで拾ってクロス。もう一度CB森重がヘディングシュート。追加点をねじ込んだ。日本2-0。アディショナルタイムには左SH原口の仕掛けで得たFKから香川が流し、右SH本田がミドルシュート。GKアジジにセーブされるが、前半で2得点。いい感じで折り返した。

 後半に入りアフガニスタンがまた高くプレスをかけてくる。しかし5分、右SH本田の縦パスに左SH原口へのOH香川の落としはややずれたが、原口が何とかふんばると、こぼれ球が香川の前へ。抜け出してシュートを決め、日本が後半早々リードを3点差に広げた。だいぶ静まり返るスタジアム。6分、CF岡崎のクロスに左SH原口のヘディングシュートはGKアジジがナイスセーブ。

 しかし12分、右タッチラインスローインから右SH本田が奪い、中へパス。OH香川が仕掛けてスルーパスに後ろからCH山口が上がっていく。完全に裏を取られたDFラインを突破してGKをかわして横パス。CF岡崎が難なく押し込んで日本4点目。ようやく岡崎にもゴールが生まれた。さらに15分、左SH原口の縦パスから右SH本田が強引にミドルシュート。こぼれ球にCF岡崎が反応しシュート。岡崎らしい反応で5点目を挙げる。

 22分にはアフガニスタンのFKをキャッチしたGK西川からのフィードにOH香川と右SH本田が走る。本田のクロスはDFにクリアされたが、その先にはCH長谷部も走り込んでいた。いい感じのカウンター。だが24分、今度はアフガニスタンのカウンター。CB吉田が裏を取られかかったが、右SB酒井宏樹が戻りクリアした。守りもしっかりケアをしている。

 25分、右SB酒井宏樹に代えて左SH宇佐美を投入する。原口が右SBへ。そして28分、左SB長友からのパスをOH香川がヒールで落とし、左SH宇佐美がドリブル。クロスを右SH本田が押し込む。日本6点目。31分には香川に代えて右SH武藤。本田をトップ下へ。32分、左SH宇佐美がドリブルで進み、右SH武藤の落としにOH本田がシュート。枠を外す。41分、本田のFKはGKアジジがナイスセーブで弾き返された。

 36分にはCH長谷部に代わり遠藤が登場。無難にプレーして、代表でも遜色ないところを示す。交代出場の武藤もこの日は積極的なプレーが効いていた。終わってみれば6-0。W杯2次予選、ようやくいい形でゲームを終えることができた。来月にはグループ最大の強敵シリア。その前にこのゲームを見ることができてよかった。選手もこれでようやくリラックスできるだろう。2次予選突破に向けてようやく雲が晴れた思い。後は余裕でやってくれるだろう。ハリルホジッチにはさらに国内組のレベルアップと連携強化に努めてもらいたい。私が言わなくてもハリルホジッチの頭の中には既に多彩な強化プランが描かれていることだろう。