とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

国際親善試合 イラン対日本

 完全アウェイでのイラン戦。シリア戦の後ということもあり、新戦力の可能性を探るということも目的の一つだろうが、右SH本田やOH香川など主要な選手は代えず。CF武藤、左SH宇佐美、CH柴崎、左SB米倉あたりが新戦力と言えるだろうが、彼らも既に代表経験のある選手であり、本当の新戦力は南野ひとり。しかし彼も後半終盤43分からの出場にとどまった。それでもイラン相手に真剣勝負ができたという点では意味のあるゲームだったと言える。

 前半は日本がイランに押し込まれる。5分、FWデジャガーのCKにCBモンタゼリがヘディングシュート。13分にはスローインからCBホセイニがヘディングシュートを放つ。15分過ぎには危ないシーンを何度も迎えるが、何とかDF陣の踏ん張りではね返す日本。しかし23分、右SBガフーリがケガでトラビと交代すると、ようやく日本がパスをつないで攻められるようになってきた。27分にはCH長谷部がミドルシュートを放つが、GKハギギが正面でキャッチ。

 しかしその後もイランの速いプレスと人数をかけたつぶしに日本がなかなかボールを前に運べない。35分には右SHレザイアンのクロスをCB吉田がヘディングでクリアするが、左SBハジサフィが拾ってクロスにFWアズムンが飛び込む。が、うまく合わせられず、シュートを打てなかった。37分、右SHアミリのドリブルから右に展開。右SBレザイアンのクロスをDFが触ってコースが変わったところを左SHトラビがヘディングシュート。GK西川がセーブする。

 途中出場のトラビが神出鬼没でどこが本来のポジションかよくわからなかった。前半は途中から左SHにポジションを取って積極的に仕掛けてくる。そしてアディショナルタイム2分、左SHトラビがドリブルでPA内に侵入。日本は右SB酒井高徳が併走して、後ろからCB吉田が挟んでいくが、吉田の足がトラビに当たり倒してしまう。PK。これをFWデジャガーが決めてイランが先制した。プレミアリーグでは絶対に取らないレベルの接触だが、これがPKになってしまうから、アジアは怖い。

 後半に入って日本は香川に代えてOH清武を投入する。開始1分、左SHトラビのクロスに左SBハジサフィが走り込むが、CB吉田とともに被って頭の上を越えていく。CB森重が倒れてFWアズムンがフリー。だがうまく合わせられず、左SB米倉がクリアした。危ない、危ない。しかし3分、右SH本田からのクロスにCF武藤が走りこむと、飛び出したGKハギギのパンチングしたボールが武藤の身体に当たってはね返り、ゴールに転がり込む。ラッキーな形で日本が同点に追い付いた。

 5分、FWデジャガーから右に流すと、右SHにポジションチェンジしたトラビがクロス。FWアズムンがヘディングシュートするも、枠を外す。6分、OH清武のCKにCB森重がヘディングシュート。しかしこれも枠を捉えられない。イランの速いプレスの前に、パスの出し先を探す日本。それでも13分、イランのCKからカウンターでOH清武がドリブル。左SH宇佐美にスイッチすると、ワンタッチでスルーパス。CF武藤が抜け出すが、トラップが少し長い。GKをかわしてシュートするもGKハギギが身体に当てる。これを拾った右SH本田がさらにシュートを狙うが、後ろから来たDFが倒す。PKかと思ったが取ってくれなかった。

 14分には左SH宇佐美に代えて原口を投入。16分、本田がFKを放つが、GKハギギがキャッチした。20分、イランはCHプーラリガンジを投入。日本も21分、武藤に代えてCF岡崎を投入する。26分、FWデジャガーミドルシュートはGK西川がセーブするが前にこぼす。CB森重がクリア。27分にはCH柴崎に代えて柏木を投入した。すると28分、CH柏木のロングフィードにCF岡崎が走り込み、落としを左SH原口がミドルシュート。しかしうまくヒットせず、GKハギギにセーブされる。

 30分、CF岡崎がオーバーヘッドキック。31分には左SH原口のクロスにOH清武が走り込む。だがシュートは決まらない。逆に39分にはデジャガーのFKからCHプーラリガンジがヘディングシュート。その後もイランの厳しい球際と早い寄せに最後まで悩まされつつも、清武や途中出場の右SB丹羽が強い気持ちを見せて、イラン選手に対抗する。結局このままタイムアップ。ゲームは1-1で終了した。

 これまで2次予選を戦ってきたシリアなどとはイランは一味違った。アウェイで引き分けならいいという考え方もあるだろうが、できればその強い当たりや球際の強さに負けない日本の強さや巧さを見せてほしかった。この後、最終予選もあるかと思うと、まだまだW杯への道は長い。このゲームでは後半43分に南野が出場し、短いながらも彼らしいプレーを見せていたが、こうした若い選手をうまく融合しつつ、全体のレベルを上げていく必要がある。今のままでは予選突破はまだまだ厳しい。さらに連携と速さと強さと、そしてゴールへの貪欲さが必要だ。しばらくは自チームに戻って各自さらなる課題の克服とレベルアップを望みたい。