とんま天狗は雲の上

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ブンデスリーガ第19節 ヘルタ・ベルリン対ドルトムント

 前節のヴォルフスブルク戦を観たかった。香川に対してドイツの現地新聞が厳しい評価をしていることに対して、日本の解説者は概して高く評価している。スコアレス・ドローに終わった故の低評価? では、ゴールを挙げたならどうか。他のゲームに先立って開催されたヘルタ・ベルリンとの対戦を観戦した。ドルトムントは前節に引き続き、オバメヤンがベンチ外となって、代わりにシュルレがCFで先発。17歳サンチョは左SHに入り、右SHプリシッチ。香川とゲッツェがIHで並ぶ4-1-4-1の布陣。対するヘルタはシェルブレッドとマイアーをCHに並べる4-2-3-1。ドゥダがトップ下に入り、CFはゼルケ。

 前半序盤、ドルトムントがパスを回して攻めていく。ヘルタも高い位置からプレスをかけて互角の展開が続く。14分、左サイドからSHプリシッチのクロスに右IH香川がヘディングシュート。枠を外す。CBにヘディング空振りの後ろで、合わせるのが難しかった。16分にはCHバイグルがミドルシュートを放つ。ドルトムントは右SHラザロが積極的。20分、右SHラザロの落としからCHバイザーがミドルシュートを放つ。22分、左SBプラッテンハルトのFKはわずかにバーの上。少しずつ、ヘルタが押し返し始める。

 30分、左サイドから右SHラザロのFKはわずかにポストの左。サイドネットに突き刺さった。33分、左SBプラッテンハルトのCKにCBシュタルクがヘディングシュート。わずかにポストの右。ドルトムントはCFシュルレにボールが入らない。左SHサンチョの仕掛けもボール持ち過ぎの感じ。うまく展開できない。ようやく35分、左IHゲッツェの縦パスをCFシュルレが落とし、右IH香川が左に展開。左SHサンチュからクロスが入るが、中で合わせられない。右IH香川がトップ下でゲームを作るが、決定的な場面を作るよりは、展開のパスでゲームを作る。前半はスコアレスで折り返した。

 しかし後半開始早々の1分、右SHラザロがOHドゥダとのワンツーで右サイドを抜け出し、クロスにCFゼルケがシュート。ヘルタが先制点を挙げた。ドルトムントも反撃する。11分、右SHプリシッチのミドルシュートはGKクラフトがファインセーブ。続く香川のCKにCBパパスタソプロスがヘディングシュート。しかし枠を捉えられない。14分にはCFシュルレがポストになって左に展開。左SBトルヤンのクロスに右IH香川が合わせるが、シュートはGKクラフトがセーブした。

 逆に17分、左IHゲッツェからCFゼルケがボールを奪うと、CHシェルブレッドがスルーパス。左SHカルーが抜け出して、GKと一対一。しかし右サイドを駆け上がったCHドゥダにパス。ゴールは決めたが、ドゥダの位置がオフサイド。カルーがそのまま決めていれば、追加点の場面だった。

 ドルトムントは23分、ゲッツェに代えてCFイサクを投入。香川をCHに下げて、シュルレを下がり目。4-2-3-1の布陣に変える。するとようやくシュルレがボールに触るようになってきた。24分、CBトプラクミドルシュート。そして26分、左SHサンチョがドリブルで仕掛けて、クロスにCH香川がヘディングシュート。ドルトムントが同点に追い付いた。

 ヘルタは32分、OHドゥダに代えてレッキーを投入。37分、左SBトルヤンの縦パスにCFイサクが走り込み、落としのパスに左SHサンチョが走り込んでシュート。しかしポスト左に外す。39分、左SHカルーに代えてOHダリダを投入。ドルトムントも40分、右SHプリシッチをヤルモレンコに交代する。その直後、OHシュルレのクロスのクリアを左SBトルヤンがミドルシュート。GKクラフトがファインセーブ。41分、OHシュルレのクロスをCFイサクが胸で落とし、左SBトルヤンの落としから、右IH香川がワンタッチでループパス。CFイサクが胸トラップからシュート。しかし枠を外した。続くCKの流れから、CBトプラクが見事なスライディングでボールを奪い返し、右SBピシチェクのスルーパスにCFイサクが抜け出してシュート。バーを叩く。その後はお互いチャンスを作るが、決定機はなし。そのまま1-1で終了した。

 香川はトップ下のポジションながら、展開のパスが多く、決定的な場面を演出する場面は少ない。それでもこの日のゴールのように、ここぞという場面ではゴール前まで走り込むし、トップ下でも決定的なワンタッチパスを出すこともあるが、たぶん調子がよくて視野が広くなっているから、無理にパスを出すよりも、展開してさらに効果的な場面を演出しようとする。それが現地新聞での低評価につながっているのではないか。チャレンジしていないと映ってしまうのではないか。でも今のドルトムントにとって香川は必要な選手だろう。バイグルもプリシッチも香川がいるからこそ活きる。しかし勝ち切れない。やはりオバメヤンの存在はドルトムントにとって非常に大きい。オバメヤンがいれば、もっと動き出しがあるから、香川も違う評価になったかもしれない。