とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

好調新潟の支柱 矢野と松下の頑張り

 Jリーグが再開した。グランパスは下位ジェフに痛恨の黒星。これで16位との勝点差がわずか4点となり、J2落ちさえあり得る状況に。ゲームを見ていないので何とも言えないが、新聞とダイジェストを見る限り、マギヌン、小川、玉田が抜けて、前線の連携がなかったらしい。マギヌンの近い復活はプラス要素としても、ケネディの加入で連携がどうなるか。ACL次第によっては、巻や津田らとの完全ターンオーバー制もありうるかも。それにしてもかなりやばい。
 それはそれとして、昨日見たゲームは新潟vsガンバ。3トップにして絶好調の新潟がどんな戦い方をするのか、興味があった。観戦後の感想は「すばらしい。」
 3トップと言っても、実質、大島の1トップで、左右のペトロ・ジュニオールと矢野は大島の近くから自軍ゴール前まで幅広く動き、その間に松下とマルシア・リシャルデスが頻繁に顔を出し、ゲームを組み立てる。特に矢野の守備面での頑張りと松下の献身的な動きが光る。
 開始早々はガンバペースでCKからルーカスのヘッドなど、再三いい場面を作るが、次第に新潟が押し始める。3トップ+2(松下・マルシオ)が変幻自在に出入りする中へ、中盤から長いスルーパスが飛び、一瞬で好機を演出する。いったん前にボールが渡れば、周囲には多くの味方選手が上がっており、圧倒的な攻勢に転じる。その点でポストとしてきちんとボールを収める大島も効いている。31分の先制も中盤で矢野が競って大島につないだボールを右サイドに展開し、上がった内田の深いクロスを松下が折り返し、大島を経て矢野がボレーで叩き込んだもので、当然その間にもペトロやマルシオが効果的な陣取りをしており、全員で取った得点と言える。
 特に松下がいい。ガンバ時代はもっぱらサイドの選手という印象だったが、ほぼ中央に位置し、新潟の攻撃のリズムは彼の豊富な運動量と幅広いパスから生まれる。もちろん周りの選手の運動量とマルシオのタメや本間のカバーがあってこそそれが生かされる。
 後半は、ガンバが幡戸と二川を投入。トップが複数となり、二川から左右に長いレンジのパスが出るようになったことで、前半ほとんど孤立していたチョ・ジェジンや佐々木が生きるようになった。しかし、矢野が下がってよく守備をする。後半はほとんど1トップ状態で、矢野はまるで右サイドバックのよう。長身を生かしゴール前で何度もクリアする矢野が見られる。反対に前線に顔を出すこともなくなり、攻撃は大島とマルシオ、ペトロ・ジュニオールにおまかせ状態。
 そんな中、ペトロからマルシオに渡ってのミドル・シュートによる追加点は効いた。終了間際、CKから中澤のヘッドがバーを叩き、二川がポストにぶつけ、下平のミドルもキーパーの堅守にあい、タイムアップ。
 後半はかなり運にも助けられたが、勝利の女神を微笑ますだけの頑張りが新潟にはあった。昨年まではマルシオら外国人頼みという感じだったが、矢野や松下が支柱となって支える新潟のカウンター・サッカーは、これからも強いし、恐い。いいチームになったなあ。やるな、鈴木淳監督。