とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

アジア最終予選で見えてきたもの

 W杯アジア予選の最終戦、オーストラリア戦のビデオを昨日ようやく見終わった。今週は水・木と夜が遅かったので、なかなか見ることができなかった。木曜日の夜に見始めたけど、緊張感のない試合に途中で眠っちゃったしね。結果を先に知ってしまったせいもある。
 最初の5分は日本も前線からボールを追い、オーストラリアを押し込んだが、すぐにオーストラリアが余裕を持ってプレスをかわし始め、6分・7分と続けざまに日本ゴールに迫る。その後もよく言えば互角。見せ場のない試合がダラダラと続く。
 40分の闘莉王のゴールは、中盤から前で展開ができないときの唯一の得点パターンの存在を示したが、それにしてもこの日の攻撃には連動性も展開力もない。俊輔、遠藤、長谷部がいないと、中盤の底からボールを展開することができず、前がいくら頑張っても得点の気配は見えてこない。結局この日も、今野と阿部の能力不足を露にしただけのゲームだった。
 俊輔の代わりとして期待された松井は、このチームでは唯一の可能性のある動きを見せていたが、基本的に使われる選手で使う選手ではない。このチーム唯一の使う選手である憲剛が前目にいるため、松井が前線までボールを運ぶ役目となり、憲剛にボールを託した頃には代わりの選手がいない。やはりボールを運ぶのは、俊輔や遠藤、長谷部の役割で、そこで憲剛が捌くから松井も生きてくる。結局、選手起用の問題と言える。
 14分、32分のケーヒルのゴールは、いずれも阿部が振り切られたり、マークを離したのが原因。あの身体では無理ないが、中澤・闘莉王に代わる大型CBを見つける必要がある。先日の試合では山口だろうと思うが、できれば今後は森重や吉田、青山に経験を積ませてほしい。
 終了間際、内田のクロスから玉田、憲剛がシュートを放つが、いずれもしっかりとしたマークに満足いくシュートも打てずに終わった。玉田もボールをこねるばかりで、そこからの展開が見られない。内田も憲剛以外とはまともに連携できず。とにかく見ていてつまらない試合だった。
 1年半に及ぶアジア最終予選は岡田監督のチーム作りのためのシリーズではあったが、最終戦に至り、結局道半ばということが明らかになった。半ばではあるが、今までの延長線上にベスト4のゴールが輝いているという気はしない。道は複数あり、分かれ道もたくさんある。冷静に現状を見極め、大胆な変革を進めなければ、グループリーグ突破も難しいという現実だけが明らかになった。