とんま天狗は雲の上

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トーレス復活でリバプール、チェルシー撃破 チェルシーはドログバがいなけりゃただのチーム?

 2連勝とようやく調子を取り戻してきたリバプール。それでも首位独走のチェルシーに対しては歯が立たないだろうと思って見始めたが・・・。CLがあって中3日のチェルシーは、ドログバが先発からはずれ、エッシェンはケガで欠場。これがチェルシーの攻撃の組み立てに大きな影響を及ぼした。一方のリバプールはジェラードが復帰。メイレレスやコンチェスキの新戦力に若手の右SBケリーもようやくなじんできて、いいハーモニーを醸している。何よりルーカスがようやくチームにフィットして存在感を示すようになってきたことが大きい。そしてフェルナンド・トーレスの復調。
 立ち上がりからリバプールの動きに自信のようなものが感じられる。ジェラードも一時のような孤軍奮闘的な悲壮感が影をひそめ、チームの一員としてリーダーシップを発揮する。すると11分、CBスクルテルから出たパスを中盤のスペースに出たカイトがしっかりと受け、前方へアーリークロス。これにF.トーレスが彼本来のトラップと動きでDFを抑えつつシュート。先制点を挙げる。
 ミケルの右のスペース。本来ならラミレスがカバーすべき位置だと思うが、そこはぽっかり空いていた。エッシェンがいれば、と思った瞬間。
 チェルシーもその直後、マルーダのスルーパスにA.コールが上がり、クロスにカルーがヘディングで飛び込むが、ゴールならず。ドログバがいればもっとしっかりとトップで拠点を作り、DFを引き付けることで逆にスペースを生み出すことができるのだろうに、アネルカマルーダ、カルーとスペースでもらいたがる似たようなFWが3人。却ってスペースができず攻撃が形にならない。
 33分にはリバプールが細かいパスのつなぎからケリーがミドルシュート。そして44分、中盤でメイレレスがボールを奪い取ると、左サイドにいたF.トーレスにパス。イバノビッチを軽くフェイントでいなすと芸術的なシュートをゴール隅に叩き込んだ。1点目もそうだったが、他の選手ではありえないような一瞬の間を作り出し、そこから鋭く繊細なシュートが飛び出してくる。F.トーレスならではのゴール。ようやく本来のF.トーレスが戻ってきた。
 さすがにチェルシーも後半最初からドログバを投入。立ち上がり2分にはM.ロドリゲスミドルシュートなどリバプールが攻め込む場面も見られたが、次第にドログバを中心にチェルシーが攻撃の圧力を強めてくる。
 15分、A.コールのクロスにラミレスがヘディングシュート。16分にはCKの流れの中からテリーのスルーパスジルコフが走り込みシュート。21分、右サイドをドログバが抜け出しクロス。マルーダがドンピシャで合わすが、GKレイナが抜群の反応でクリア。
 リバプールも29分、CKからメイレレスがシュート。撥ね返りを狙ったカイトのシュートはGKチェフが足をのばしわずかにゴールを外れた。41分には、ボシングワからのパスを受けたアネルカの強烈なシュートがGKレイナを弾いてバー直撃。撥ね返りにドログバが詰めるがキャラガーが一瞬速くクリアする。
 後半はチェルシーも反撃に出たが、エッシェンの不在、ドログバの体調不十分もあって攻撃力がイマイチ。加えてリバプールの気力が上回り、2-0と勝利を挙げた。
 リバプールにとって、ここでチェルシーに完勝したことは大きい。ゲーム後、F.トーレスが「勝点3以上の価値がある」と話していたが、まさにそのとおり。F.トーレスの復調、チーム全体の連携とバランスができてきたことで自信がよみがえってきた。これからの進撃が楽しみだ。