とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

セスクのいないアーセナル アストンビラの若さの前にタジタジ

 アーセナルは好きなチームで応援しているのだけれど、そのパスサッカーはなかなか得点に直結しないことが多く、取りこぼしも多い。前節トットナム戦を取りこぼしと言うのはトットナムに失礼かもしれないが、後半2トップに変更して見違えるようなゲーム展開を見せたトットナムの前に、力負けしたような感じで敗戦。
 その直後のチャンピオンズ・リーグでは格下ポルトガルのブラガに0-2で完敗。しかもそのゲームでセスクとエブエが負傷し、このアストンビラ戦には欠場。ということで、アーセナルはかなり不安を持ってゲームに臨んだのではないか。
 一方のアストンビラもケガ人続出で13位に低迷。このゲームではカリューの1トップに37歳のピレスをトップ下に入れるが、これが全く機能しない。
 キックオフ直後、パスミスを拾ったアルシャビンがドリブルからクロスを上げると、シャマックがGKと競り合いつつシュート。その後もしばらくアーセナルアストンビラを攻め立てる。3分にはウィルシャーのスルーパスロシツキーがシュート。5分、ソングのクロスにシャマックがヘディングシュート。6分にはロシツキー、シャマックとつなぎ、ウィルシャーがポストに入ってシャマックがシュート。
 その後、ようやくアストンビラも落ち着いたかと思ったが、14分にシャマックがヘディングでつないでロシツキーが抜け出しシュート。17分にはCKからロシツキーがつないでナスリがシュート。
 アストンビラがシュートを打ったのはようやく25分。右SHのダウニングからのクロスをCMのクラークが逸らしアシュリー・ヤングがシュート。アストンビラは前線の二人は全く機能しないが、20歳のバナン、21歳のクラークという若いセントラル・ミッドフィルダーがよくがんばって、なんとかアーセナルの攻撃を封じ込めている。
 がそれも39分、ゴールキックからのボールを受けたアルシャビンがドリブルで抜け出すと、中に切れ込みグラウンダーのシュート。これがDFの股を抜き、GKの届かないところで転がり込んでいく。アルシャビン得意の形で、ようやくアーセナルが先制した。
 さらに40分には、アルシャビンがシャマックとのワンツーからスルーパスにナスリが走り込みシュート。しかしこれはわずかにサイドネット。44分、サーニャのクロスにシャマックがヘディングシュート。しかしこれはGKフリーデルがナイスセーブ。そして45分、アルシャビンが蹴ったCKをファーからナスリが叩きつけるボレーシュート。2点目を入れた。
 パスをつないでもつないでもなかなか得点にならないアーセナルのいつもの形。せめてセスクがいれば決定的なパスが何本かあるだろうと思っていたが、得点をするときはアルシャビンとナスリの個人技。この辺がアーセナルらしいと言えばアーセナルらしい。
 しかし後半開始から前半全く機能しなかったピレスを代えて19歳のデルフォンソを入れて2トップにすると、アストンビラが俄然攻勢に出てくる。そして7分、アーセナル・ゴール前の攻勢からバナンがクロスを入れると、スキラチがクリアしたボールをクラークが受けシュート。トットナムが後半序盤から1点を返し、前節のトットナム戦を思い出すような展開。
 しかしアーセナルも11分、アルシャビンからロシツキーのスルーパスにシャマックが抜け出し、GKの脇を抜くきれいなシュートで突き放す。3-1。
 これで大丈夫かと思ったら21分、アストンビラがカリューに代えてアイルランドを入れると、またゲームが動き出す。23分、バナンのスルーパスにダウニングが走り込みクロスにデルフォンソが飛び込む。さらに直後、右SBルーク・ヤングのクロスにダウニングとDFが競ると、こぼれ球をクラークがシュート。25分、アイルランドのクロスも鋭い。
 そして26分、CKをCBのダンが逸らし、クラークがバックヘッドを決める。2-3。アストンビラが追いかけてくる。32分、FKにダンがヘディングシュート。39分にはCKにダンのヘディング。一方的に受け身に回るアーセナル。40分、たまらずギブス、デニウソンを入れて守備を強化。
 これで少し余裕が出たか、何とか時間を進めてゲームをコントロールし、ロスタイム3分。ウィルシャーのスルーパスをシャマックが落とし、デニウソンがシュート。こぼれ球をシャマックが拾い、クロスにウィルシャーが頭から飛び込んでようやくダメ押しの4点目を入れる。
 終わってみれば4-2だが、かなり辛勝。セスクがいない時のアルシャビン、ナスリ、ロシツキーのコンビは攻めども攻めども得点にならない。後半、アルシャビンが中央に入り、少しパスが出るようになったが、ロシツキーの中央はなかなかスムーズにパスが出ずイライラ。これならいっそのことウィルシャーをトップ下の位置に入れて、デニウソンとソングでボランチを組んだらと思うが、どうだろう。いずれにせよ、苦しみながらも貴重な勝点を手に入れた。ここはしばらく我慢の時。首位にしがみついていくしかない。
 一方のアストンビラは敗戦ながら若手に可能性が見えたゲームではなかったか。クラーク、バナンのボランチコンビにデルフォンソの若手3人組を、アイルランド、A.ヤング、ダウニングで支えていけば、まだまだ勝点は伸ばせるはず。これからの活躍に期待したい。