とんま天狗は雲の上

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ガンバ3連覇への階段 レッズを蹴落とす

 なんと4試合のうち3試合が延長戦となった今年の天皇杯準々決勝。ガンバ対レッズは3連覇を狙うガンバが延長戦の末、レッズを振り切って準決勝進出を決めた。
 それにしてもこの両チーム。中盤を狭く、細かいパスをつないで攻めていくスタイルは本当によく似ている。どちらかと言えば、レッズの方がパス回しが遅く、なかなかシュートに持ち込めない。ガンバはここぞという場面で積極的に前に仕掛け、速い攻めを繰り出していく。
 最初は3分、柏木のサイドチェンジから高橋、宇賀神とつなぎポンテのスルーパスに宇賀神が走り込む。ガンバも6分、明神のFKをルーカスが落とし、橋本がミドルシュート。GK山岸がナイスセーブ。9分には遠藤がルーカスのワンツーからシュート。14分、イ・グノがドリブルからシュート。さらに21分、ルーカスが粘ってキープから橋本、イ・グノがポストに入り橋本がシュート。惜しくもサイドネット。
 ようやくレッズも24分、ポンテからエジミウソンポストプレーに柏木がシュート。ここらからさらに両チームのプレスが厳しくなってくる。34分、遠藤からのパスにイ・グノが右サイドに抜け出し、クロスを安田がシュート。しかしバーに撥ね返される。38分には下平のスルーパスに橋本が抜け出してシュート。レッズも前半終了間際、エジミウソンがシュートを放つが枠外。前半はなかなか前線までボールがつながらず、エジミウソンがボールを触ることも少なかった。
 後半に入ってもガンバ・ペース。6分、遠藤のパスにイ・グノがシュート。16分にも遠藤がボールカットからパス、ルーカスがミドルシュート。さらに20分、ルーカスのパスに安田が上がりクロス。イ・グノが走り込むが届かない。右SBの安田と左SB宇賀神がゲームを通して競り合い、面白い戦いを見せていた。
 レッズは後半4分、このゲーム、ボランチに入った堀之内がケガで鈴木啓太に交代。ガンバも24分、武井に代えて宇佐美を投入。すると27分、ルーカスへの決定的なクロスに山田がハンド。ゴール斜め右からのFKを遠藤があのW杯の時と同じような弾道でゴールに落としこむ。ガンバ先制。
 レッズもエスクデロ田中達也を投入し反撃にかかる。32分にはエスクデロが反転からシュートするもGK正面。ガンバは余裕を持って攻撃をかわしていく。しかし36分。左サイドから宇賀神がドリブルで切れ込むと、右足一旋、ミドルシュートがゴールに飛び込んだ。橋本の寄せがやや甘かったとは言え見事な一発。これで同点に追いついた。
 40分にはポンテのパスを受けた田中がドリブルからシュートを放つが、GK正面。その後も両チーム、固い守備を見せて同点のまま90分が過ぎた。
 延長に入っても両チームの動きが衰えない。1分、ポンテからのパスを田中が落とし、右SB岡本がミドルシュート。ガンバも7分、ルーカスのスルーパスに宇佐美がシュート。8分にはイ・グノに代えて佐々木を投入。佐々木が長い距離をドリブルで運び、ガンバの攻撃に変化を起こす。すると13分、左SB下平からのロングフィードにルーカスが走り込みスルーパス。宇佐美が走り込むと独特の早いタイミングでシュート。DFの股間を抜いてついに勝越し点をゲット。
 その後、レッズが必死に攻撃を仕掛けるが、延長後半6分には足をつった橋本に代えて山口を入れ、ゆとりをもってガンバが逃げ切りを図る。ロスタイムにエスクデロのクロスに宇賀神。さらに田中のミドルシュートとレッズが踏ん張るが、結局、最後まで追いつくことができずタイムアップ。浦和レッズの2010年が終わった。
 似た者同士だが、ガンバの方に一日の長あり。フィンケ監督のパスサッカーは結局ガンバに追いつくことができずに、レッズを去ることになった。またポンテ、細貝も退団。来シーズン、ペトロビッチ監督の下、レッズがどんなチームに生まれ変わるのか。タレントは揃っているだけに、いいサッカーを見せてくれることを期待したい。
 ガンバはこれで3連覇へのハードルをまた越えた。次はエスパルス。また面白いゲームが見られそうだ。