とんま天狗は雲の上

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W杯予選イラク戦。最後の最後でドーハの呪いを振り切った?

 場所はカタールのドーハ。相手はイラクと言えば、1993年のドーハの悲劇を思い出す。もっとも悲願のW杯出場に王手をかけてかなえられなかった前回に較べ、今回はW杯出場を決めた後の消化試合。本田、吉田、長谷部、内田らが欠場する中で、若手の奮起が期待された。
 しかしW杯出場権へわずかに希望を残すイラクの必死の戦いの前に日本が後手に回る。4分、CKから左SHカーションがヘディングシュート。11分にはCHクライシがドリブルで抜け出しカウンター。PA内まで入り込むが、CB伊野波が追い付きクリアした。それにしてもイラクの選手の名前がわからない。NHKではアルファベット表記されている選手名とは全く違う読み方で紹介する。以下はNHK仕様で紹介。
 日本はイラクの激しいプレスになかなかパスが回らない。12分、清武から左に展開、永友のクロスをハーフナーが受けて、反転してシュート。DFの足に当てる。このゲーム、ハーフナーは久しぶりにいいパフォーマンスを見せていた。よく走り回り守備をケア。だが、攻撃時に一発で収める技術がないし、香川との連携もみられず、チャンスを作る場面は稀。香川もボールを触る場面が少なく、代わりに目立っていたのは清武。26分には清武のスルーパスを香川が落とし、清武がシュート。DFに当たってコースが変わるが、GKバイラウィーがナイスセーブで掻き出した。
 25分を過ぎてようやく動きがよくなってきた日本。32分には清武のアーリークロスからハーフナーがヘディングシュート。ポストの右。36分、細貝のクロスに今野がシュート。今野は先日の本田の発言が火を付けたのか積極的な上りと競り合いでイラクの攻撃を止め、攻撃にも積極的に絡んでいた。
 42分、細貝のクロスがゴール前に入る。ハーフナーがわずかに届かなかったが、積極的な上りと正確なパス、クロスを見せ、広い視野からの展開が持ち味の長谷部とはまた違ったパフォーマンスを見せた。アディショナルタイムにはサリムのクロスに右SHアブドラがシュート。伊野波がブロック。高さの栗原に代わり、速さと読みで何度もイラクのゴールを防ぎ、安心できる守備を見せた。
 前半30分過ぎからやや運動量が落ちたイラクだったが、後半に入りまた復活してくる。8分には左SBタミミのミドルシュート。GK川島がナイスセーブ。日本は遠藤、清武らがミスキックを連発。ピッチの悪さに暑さによる集中力の低下が重なる。24分には右SB酒井宏樹のミスからボールを奪われ、カーションがシュート。このタイミングで連続して選手交代。清武とハーフナーに代えて中村と前田を投入する。イラクは前半からよく動き回った右SHアブドラに代えてファディールを投入。イラクの選手も疲れている。
 そして37分、カーションがゴール前のチャンスにオーバーヘッドキックを狙い、伊野波の顔面を蹴って2枚目のイエローカード。一人少なくなってしまう。それでも積極的に走り回り、仕掛けるイラク。42分、香川がドリブルからボールキープ。最後は長友がシュートをふかすが、イラクの守備の戻りが速い。
 このままスコアレスドローかと思った44分、中盤でのパスミスのこぼれを岡崎が拾うとそのままカウンターで駆け上がり、左サイドを駆け上がった遠藤にパス。返しのクロスはややずれたかと思ったが、そこは岡崎、多少のずれは勢いと気持ちで合わせてシュート。ようやく日本がゴールを挙げた。そしてこのままタイムアップ。W杯予選最終戦を因縁の地ドーハで20年前と同様、イラク相手に終了間際のゴールで決着した。しかし今回は日本のゴール。これでドーハの悲劇を払拭したか?
 それにしても本田がいれば本田頼み、本田がいなければ収めどころがない。中村を最初から先発させておけば違った結果になったのではないかと思うが、本田がいない時の攻めの形をどう作るのか。まだまだ先は長い。ブラジル、イタリア、メキシコと対戦するコンフェデレーションカップを日本がどう戦うのか。それが最大の楽しみだ。