とんま天狗は雲の上

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FA杯決勝はチェルシーがリバプールを破り、一時の歓喜

 2011/12シーズンのFA杯決勝はチェルシーリバプールの対戦。リーグ戦ではイマイチ活躍できなかった両チームだが、伝統の強豪チーム同士とあってウェンブレースタジアムはやはり相当に盛り上がっている。
 リバプールは既に今シーズンのリーグ杯を取得。カップ戦2冠をめざす。一方のチェルシーはCL決勝を控え、勢いをつけたいところ。リーグ戦では4位確保も厳しい中、一つでもタイトルがほしい。
 負けられないゲームということで、両チームとも慎重な立ち上がり。無理攻めはしない。なかなかFWにボールが入らないなあと観ていたら、11分、マタのスルーパスにラミレスがホセ・エンリケをうまくかわして抜け出し、GKレイナのニアを抜くシュート。チェルシーが先制した。
 リバプールもすぐに反撃する。14分、右SBグレン・ジョンソンが駆け上がってクロスを入れると、CBイバノビッチがヘッドで返す。これを右SHベラミーがボレーシュートイバノビッチがクリア。しばらくリバプールが攻勢をかけるが、チェルシーも落ち着いて守り、逆にチェルシー・ペースになってくる。リバプールはトップのスアレスに全くボールが入らない。まだドログバの方が時折ポストプレーを見せるが、それにしても膠着状態。
 41分、DMFスピアリングのクロスをヘンダーソンが戻し、スアレスがシュートを放つが、枠の外。よく言えば緊迫した、悪く言えば膠着したゲーム展開のまま、1-0で前半を終えた。
 後半に入っても慎重な立ち上がり。しかしやや押し気味にゲームを進めるチェルシーが後半の早いうちに追加点を入れて突き放す。7分、ミケルが縦に入れたボールをランパードがスルーパスドログバがバックステップで呼び込み、スクルテルの股間を抜いてゴールに叩き込む。
 10分、リバプールが動く。スピアリングに代えてキャロルを投入。だが、しばらくはチェルシー・ペース。17分、ランパードがFK。19分、カルーの縦パスをマタがポストに入り前に送ると、ドログバが走り込みシュート。だがその直後、スアレスがドリブルで左サイドを上がっていくと、マークについた右SBボシングアがクリア。しかしこのボールがスアレスの足に当たり、これが絶好のクロスとなって中央に転がると、キャロルがCBテリーを切り返して振り切りシュート。リバプールが1点を返した。
 これでリバプールに反撃ムードが盛り上がる。21分、スアレスのクロスをキャロルが胸で落とし、ヘンダーソンがシュート。28分、スアレスがドリブルで中に切れ込み、シュート。GKチェフがナイスセーブ。31分にはG.ジョンソンのクロスにキャロルがヘディングシュート。
 32分、足を痛めたラミレスに代えてメイレレスを投入。チェルシーは中盤にキープ力を加え、守りを固める。リバプールは33分、カイトを投入し、前線でかき回して攻める。そして37分、ジェラードがスアレスとのパス交換から右に流すと、G.ジョンソンが中へドリブル。スアレスとスイッチしてアーリークロスにキャロルが強烈なヘディングシュート。GKチェフがライン上で掻きだし、DFがクリア。喜ぶキャロル。だがゴールは認められない。チェフの守備がさすが。
 このプレーでチェルシーが持ち直し、その後は時間をうまく使ってリバプールの反撃をかわし、このままタイムアップ。チェルシーFA杯を獲得した。
 日本では言えば天皇杯のようなものだろう。チェルシーの新監督、若い僧侶のような風貌のディマッテオが喜び、マルーダがはしゃぎ、選手たちが歓喜。そしてサポーターの喜びようがすごい。やはり一つでもタイトルを獲るということは大きい。ランパードが優勝カップにワインを注いで呑みほした。
 だがこれも一時の歓喜。その後のリーグ戦、再度のリバプール戦ではあっさりと敗戦。来シーズンのCL出場をCL決勝での勝利、ヨーロッパ・チャンピオンとなることに賭ける。チェルシー、今シーズン最後の決戦はもう来週に迫っている。