とんま天狗は雲の上

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AFC U23アジアカップ グループB第1戦 日本vs.中国

 先月のマリとウクライナとの親善試合は本当に情けない内容だった。その出場権がかかるu23 アジア杯がカタールで始まった。日本は中国、UAE、韓国と同組のグループB。ここで上位2チームに入るのは簡単ではない。しかもその先には、オーストラリアや開催国カタール、ヨルダンからなるグループAとの準々決勝が待っている。正直、パリ五輪への出場はとても無理だろうと思っている。

 それでもいよいよグループリーグが始まった。初戦は中国。日本の布陣は4-3-3。細谷をトップに、平河と山田が両WGに開き、中盤は、藤田をアンカーに、右IH山本、左IH松木。DFは関根と内野貴史のSBにCBは西尾と高井。GKは小久保。対する中国の布陣は4-2-3-1。リュウジュンシャイをトップに、トップ下にタオチャンロン。SHは右にバイヘラム、左にアイフェイディン。ボランチはジャフェイファンとドゥアンデチー。DFは右SBジュユエ、左SBヤンジーハオ。ジンシュンカイとリャンミャオウェンのCBに、GKはファンジーハオ。

 ゲームは序盤から日本が積極的に攻めていく。そして8分、右IH山本から右に流すと、右WG山田のスルーパスに右SB関根が走り込み、戻しを右WG山田がクロス。これに左IH松木が走り込み、シュート。日本が幸先よく先制点を挙げた。中国は10分、CHジャフェイファンがドリブルからシュート。GK小久保がキャッチする。その後も日本がパスをつないで攻めていくが、16分、日本のCKをDFがクリアし、日本がそのボールを確保すると、中国の選手がバラバラと上がっていく。CHジャフェイファンもゆっくりと上がろうとしたところをCB西尾が身体を寄せ、抑える。それでも前に進もうとするジャに対し、左腕を挙げて遮ろうとした肘がジャフェイファンの顔に当たった。倒れ込むジャフェイファン。プレーを止めてVAR確認に走る主審。提示したのはレッドカード。西尾が一発退場になってしまった。

 日本は、関根がCBに入り、松木が左SB、内野を右SBに回す4-4-1の布陣でとりあえず対応すると、22分には山本を下げて、CB木村を投入した。これでDFラインは元に戻って、中盤は松木と藤田のダブルボランチにする。24分、中国は左SHアイフェイディンのクロスに右SBジュユエがヘディングシュート。GK小久保がキャッチする。次第に攻撃の圧力を強める中国。31分、35分には、CKから右SBバイヘラムが身体に当てるが、いずれも枠には入らなかった。しかし38分、OHタオチャンロンのミドルシュートがバーを叩く。はね返りを左SHアイフェイディンがボレーシュートするが、これはGK小久保がキャッチ。

 さらに42分には、左SBヤンジーハオのクロスを右SHバイヘラムがヘディングシュート。GK小久保がビッグセーブ。さらにはね返りをOHタオチャンロンがヘディングシュートするが、ポスト右に外れた。さらに45+1分にも、右SBジュユエのミドルシュートをGK小久保がファインセーブ。前半は何とか日本1点リードのまま、折り返した。

 後半頭、中国は、アイフェイディンとリュウジュンシャイに代えて、CFドゥユエツェンと右SHシェウェネンを投入。バイヘラムを左SHに回す。そして2分、日本の押し込まれたところからOHタオチャンロンが縦にカウンター。代わったばかりのCFドゥユエツェンがドリブルで持ち上がると、中へのパスを右SHシェウェネンが受けてシュート。しかしこれもGK小久保がファインセーブで弾き出す。このゲームでの小久保は大当たりだ。

 その後も中国がパスを回して攻めるが、日本も前線からよく寄せていって、中国に自由に攻撃をさせない。すると中国は13分、ヤンジーハオとジンシュンカイを左SBフーフタオとCBリュウハオファンに交代する。日本も22分、平河と山田に代えて、左SH佐藤、右SH藤尾を投入。25分にはCH松木のFKにCB高尾とCB木村が飛ぶが、枠は捉えられない。中国も29分、左SBフーフタオのCKが直接ゴールへ。GK小久保がパンチングでファーに弾いた。35分、CHジャフェイファンのミドルシュートもGK小久保がキャッチする。

 その後も日本は集中した守りを切らさず、ボールを持てばしっかりパスをつないで時間を消化する。43分、OHタオチャンロンのミドルシュートはCH松木がブロックする。すると44分、中国はドゥアンデチーに代えて、CHユジンヨン。日本も45分、細谷と内野貴史を下げて、CF内野航太郎とCB鈴木海音を投入。5バックにして守備を固める。しかしアディショナルタイムは日本の方が積極。45+4分、左WG佐藤が仕掛けて、クロスにCF内野航太郎がシュート。45+5分にも右WG藤尾が仕掛けて、戻しをCH松木がシュート。DFにブロックされるが、最後まで積極的にプレーした日本が一人少ない状況を持ち堪え、1-0。初戦を勝利した。

 CB西尾の退場は予想外だが、その後も含め、日本は先月の親善試合に較べ、格段に良くなっていた。中でもCH松木が攻撃だけでなく、西尾の退場後は一時的に左SBを務めるなど、攻守ともに前向きな姿勢を示し、チームを鼓舞した。UAEは韓国相手に終了間際まで粘ったが、0-1で敗戦。データを見る限り、内容的には完敗だった様子。これは意外に行けるかも? いや、安心せず、次のゲームで決勝トーナメント進出を決めよう。積極的なこの姿勢を保ち続けていきたい。