とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

司令塔の有無でゲームは変わる。湯郷Belle、レオネッサに3-3のドローでグループ首位を守る。

 なでしこリーグ杯グループAの第5節、湯郷Belle対レオネッサのゲームを観る。レオネッサは澤が欠場していることに加え、田中明日菜がフランクフルトへ移籍。CBに磯金、CHに中島を起用し、右SBはベッキーが先発した。大野がリヨンへの移籍から早々と日本に帰り、AS狭山へ加入したが、大野が移籍した以降のレオネッサのFWは田中陽子が川澄、ゴーベル・ヤネズと共に定位置を確保したようだ。
 序盤2分、右SH川澄がドリブルで駆け上がり、トップ下チ・ソヨンがシュート。湯郷Belleは9分、宮間のCKにCF松岡がヘディングシュート。レオネッサはチ・ソヨンが司令塔になって、縦パス、落とし、左右への展開とよくパスがつながる。12分、チ・ソヨンの縦パスに川澄が抜け出してシュート。レオネッサがあっさりと先制ゴールを挙げた。
 湯郷Belleはなかなかスムーズに攻撃ができない。すぐにレオネッサの選手たちに囲まれ、ボールを奪われてしまう。また、レオネッサの縦パスが有効。楔のパスと落としに翻弄される。18分、川澄の縦パスを中に絞った田中陽子が落とし、チ・ソヨンがシュート。湯郷Belleはなかなかペースがつかめない。ようやく24分、GK福元からのフィードにFW有町が抜け出しシュート。宮間が積極的にボールに触って少しずつペースを取り戻していく。
 25分、高いプレスから宮間にボールがこぼれ、ミドルシュート。32分には宮間から左に展開、左SH中野のクロスにCF松岡が胸トラップ。シュートはDFのチェックでうまく当たらなかった。
 それでもようやく湯郷Belleが反撃するかと思った36分、チ・ソヨンのスルーパスにCFゴーベル・ヤネズが抜け出し、GK福元をかわしてゴールに転がり込む。レオネッサが2点目。ところが直後の37分、右SH横山からのクロスに宮間が走りこむと、ヘディングシュートがふわっとゴールに飛び込む。ようやく反撃の1点。38分、チ・ソヨンから左にスルーパス田中陽子が走り込みシュート。すぐにレオネッサが突き放す3点目のゴール。ところが41分、横山のクロスを松岡とベッキーが競ったこぼれ球を左SH中野がボレーシュート。見事に決まり、またも湯郷Belleが1点差に追いすがる。わずか5分間に2ゴールずつの4ゴール。俄然ゲームが面白くなった。42分には川澄がドリブルからシュートを放つが、GK福元が横っ飛びキャッチしてサポーターの歓声を受ける。前半は3-2とレオネッサ・リードで終えた。
 後半初めにレオネッサがチ・ソヨンを高瀬に交代する。トップ下の位置には田中陽子が回るが、チ・ソヨンのような落ち着きはない。湯郷Belleはベテランの津波古を左SBに起用。前半再三、川澄に破られた左サイドを封じにかかる。それでもゴーベル・ヤネズ、川澄と中盤底からの長いフィードに抜け出すシーンが再三。湯郷Belleは右SH横山がドリブルで仕掛けてシュートを放つが、身体が重そう。レオネッサの左SB渡辺とのマッチアップは渡辺の方が勝っていた。
 15分、宮間のFKにCF松岡がヘディングでコースを変える。GK海堀がナイスセーブ。25分、FW有町のドリブルから松岡の落としを横山がミドルシュート。GK海堀がセーブ。レオネッサは26分、川澄に代えて仲田を投入。さすがに暑い日中のゲームはきつい。湯郷Belleも28分、横山を山口に交代する。
 29分、宮間のFKに松岡がヘディングシュート。またもGK海堀がファインセーブ。さらに31分、山口の突破からクロスに有町がヘディングシュート。GK海堀がこれも弾き返した。レオネッサも35分、仲田のシュート、36分、CKから高瀬のヘディングシュートとシュートを放つが、チ・ソヨンが交代した後半は今一つゲームを作る選手がおらず、個人技勝負という感じになっている。
 対する湯郷Belleは宮間がゲームを作る。42分、宮間からの長いフィードに有町が抜け出しシュート。またもGK海堀が好セーブ。だが44分、宮間のドリブルから縦に有町へパス。クロスに松岡がヘディングシュート。ついに湯郷Belleが同点に追い付いた。その後も45分、宮間のスルーパスに有町がシュートを放つなど攻勢をかけたが、ゴールまで至らず。結局3-3のドローでグループ首位決戦を終えた。
 前半はチ・ソヨン、後半は宮間と司令塔の有無がゲームを決めた。今後、東アジア杯が始まるが、チ・ソヨンが引っ張る韓国は侮れない。日本も宮間と坂口は健在だが、田中陽子ではまだまだ役不足。もっともっと若手に出てきてほしい。ゲームメーカーが必要だ。