とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

FC東京対サンフレッチェは玄人好みの好ゲーム。どちらが勝っても納得の結果。

 後半アディショナルタイムパク・ヒョンジンのFKでサンフレッチェが勝利したゲーム。TVのダイジェストで見る限りは、FC東京が攻め込むもゴールできず、最後にサンフレッチェが逆転勝利したのかと思っていた。しかしゲーム全体を観てみると、豈図らんや、サンフレッチェがいつもの悠然としたパス回しからシャドーの高萩へのクサビのパス、そしてCF佐藤が絡んでの得意の攻撃を繰り出すと、FC東京がしっかりと受けてカウンター攻撃。相当にレベルの高い好ゲームを展開した。
 前半序盤はサンフレッチェ・ペース。3分、CH青山の縦パスをFW石原が落とし、高萩がシュート。5分にはDFのクリアを青山が直接ボレーシュートFC東京のCH米本もミドルシュートを放つが、こちらは枠を外す。7分、右WBミキッチのクロスのこぼれ球を高萩が左に展開、左WB山岸がミドルシュート。さらに9分、高萩が猛然とダッシュしパスカットをすると、その勢いでCF佐藤とパス交換。ゴール前に迫り、中に戻すと佐藤がシュート。あ、空振り。
 サンフレッチェは攻撃の型を持っている。ゆとりでパスを回して隙を窺い、好機を見るや一気に攻撃を仕掛けていく。型はセットプレーでも。11分、高萩のCKにCB水本がヘディングシュート。ポストを叩く。12分にも高萩のCKからCB塩谷がシュート。
 だが次第にFC東京も慣れてくると、しっかりとした守備からカウンターを狙っていく。22分、CHチャン・ヒョンスがドリブルで駆け上がると、左に展開し、左SH三田のクロスにCFルーカスと東が飛び込む。二人とも触れず。29分、CB森重の縦パスを右WBミキッチが止め切れずトラップが大きくなったところを左SB太田が奪ってシュート。GK西川がナイスセーブ。31分にはOH東のFKにチャン・ヒョンスがヘディングシュート。さらに39分、三田がルーカスをポストにゴール前まで突破。左足アウトで絶妙なシュートをするも、GK西川のスーパーセーブで難を逃れた。FC東京が次第に持ち直し、新人三田の活躍であわやという場面を作り出す。
 後半に入ると、FC東京が高い位置からプレスをかけて攻撃を繰り出す。サンフレッチェも守ると、次はパスを回して隙を窺いラッシュを欠ける。お互い似たような展開。パス、人ともに速さの変化がすばらしい。ダイレクトプレーを織り交ぜ、高度なプレーが展開される。
 13分、ミキッチのクロスを受けて、高萩がフェイントからシュート。マークに付いた右SB徳永が崩れそうで持ち直しブロック。逆に15分、カウンターから右SH長谷川が大きなサイドチェンジ。三田のシュートはポストにはね返される。19分、チャン・ヒョンスの縦パスを三田がルーカスとワンツーからシュート。FC東京がプレスから速攻、サンフレッチェ・ゴールをよく脅かす。
 サンフレッチェも21分、CH森崎和幸の弾丸ミドル。GK権田がナイスセーブ。22分、高萩のCKを塩谷が落とし、CH青山がミドルシュート。GK権田がセーブ。さらに29分、ミキッチのクロスに佐藤が芸術的なヘディングシュート。わずかに枠を外す。FC東京も33分、東のCKからチャン・ヒョンスのヘディングシュートもポストの左。
 サンフレッチェは16分、山岸に代えてパク・ヒョンジンを投入すると、39分には佐藤に代えて野津田を投入。FC東京は42分、長谷川に代えてヴチチェヴィッチを投入。45分、水本からのスルーパスが石原に渡るが、徳永がシュートを打たせない。アディショナルタイム突入。FC東京は武藤、サンフレッチェファン・ソッコの選手交代があった後、最後の1分。ゴール前で石原に縦パスが入ったところを徳永が後ろから倒す。そして得たFKをパク・ヒョンジンが柔らかく壁を越えてゴールへ落とし込む。ファインゴール。サンフレッチェが終了間際、劇的なゴールで好ゲームに決着を付けた。
 それにしても観て楽しいゲーム。序盤はサンフレッチェの一方的なゲームかと思ったが、前半途中から新人三田の活躍もあってFC東京が押し返し、後半にはサンフレッチェ張りにパスを回して押し込んでいく。両者実力伯仲といった展開。結果は最後、サンフレッチェが勝利したが、どちらが勝ってもおかしくないゲーム。惜しむらくはあれだけいいゲームをしたならば、FC東京にはとってはせめて勝ち点1は欲しかったところか。だが決着がついてなおナットクの好ゲームだった。