とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

W杯アジア最終予選グループB 日本対イラク

 山口蛍の劇的な勝ち越し弾でかろうじて日本が勝利を得た。イラクはけっして弱いチームではなく、これまで2敗しているというもののいずれもPKでの失点で、守りも堅ければ攻撃も鋭い。日本が油断したということはなかったと思うが、ある意味想定内。勝ち越し弾はさすがに想定できなかったが。それにしても山口蛍は10月6日が誕生日だったか。山口の両親はどうしてこんな時期に生まれた子供に「蛍」なんて名前をつけたんだろう? 秋に光る蛍・・・。

 序盤からイラクが積極的に攻撃を仕掛けてきた。前半3分、右SHアハメド・ヤシーンのCKにCHサアド・アブドゥルアミールがヘディング。ポストを叩く。5分にもCHアムジェド・アットワンがミドルシュートを放った。日本は、序盤は様子見の展開。11分、CH柏木の縦パスをCF岡崎が落として、OH清武がミドルシュート。GKモハメド・ハミードがナイスセーブで弾き出した。

 次第に日本がパスを回して攻める展開になっていくが、イラクのプレスがよく、ダイレクトパスをつなぐことができない。そこで前線に長いパスを送り込むが、うまく合わない。そんなイライラした状況が続いていく。先制したのはようやく25分。中盤で左SH原口がボールを奪い、OH清武に預けるとフリーランニング。清武もドリブルからいったん右SH本田に預けて右サイドを回って上がっていく。すると本田がキープして縦パスに清武が回りこみ、クロスに原口がGKの前に走り込んでヒールキック。GKの股を抜いて日本が先制した。もっとも清武へのパスが若干遅くオフサイドに見えた。原口、清武のダイナミックなフリーランニングが功を奏したゴールだった。

 これでペースを握った日本は27分、CH柏木のフィードからOH清武が縦パス。右SH本田がヘッドで落とすと、清武がヘディングで戻して、本田がシュート。しかしGKモハメド・ハミードの正面。42分にもOH清武のFKから右SH本田がDFと競り合いながらヘディングシュートをするが、GKモハメド・ハミードがセーブした。前半もこのまま終わろうかと思ったアディショナルタイム48分、OHアラー・アブドゥザフラが起点となって、右SHアハメド・ヤシーンが折り返すと、CFモハナド・カッラルがさらに右に流して、右SHアハメド・ヤシーンがクロス。アラー・アブドゥザフラがボレーシュートを放つ。GK西川がファインセーブ。あわや失点の大ピンチ。何とか1-0で折り返した。

 後半序盤もまたイラクが攻勢をかけてくる。日本が押し返して逆に攻め込むが、イラクの守備が堅い。イラクが中盤でことごとくボールを拾う。身体が強い。8分にはCHアムジェド・アットワンに代えてマフディ・カミルを投入する。そして15分、中盤左深い位置からのFKを右SHアハメド・ヤシーンが蹴りこむと、CHサアド・アブドゥルアミールがヘディングシュート。これが決まり、イラクが同点に追いついた。

 日本は19分、清武のCKにCB吉田がヘディングシュート。だが枠を外す。21分、CH柏木に代えて山口蛍を投入。23分には左SH原口のドリブルから得たFKをOH清武が蹴るが、わずかにゴール右上隅を抜けていく。24分、CFモハナド・カッラルに代えてジャシム・モハンメドを投入。日本が必死に攻めていく。30分、左SH原口が積極的なドリブル突破で左サイドを駆け上がると、クロスに右SH本田がヘディングシュート。しかしDFがはね返す。その直後、CF岡崎に代えて浅野を投入する。岡崎は彼らしいチェイシングの場面もあったが、あまりボールに触れず、彼らしいプレーが見られなかった。

 35分、左SH原口が積極的なドリブル突破で左サイドを駆け上がると、クロスに右SH本田がヘディングシュート。しかし左ポストにはね返された。本田はセリエAでのゲームに出ていないせいか、代表でもなかなかゴールが決まらない。36分には本田も小林悠に交代する。37分、右SB酒井宏樹のクロスにCH山口がヘディングシュート。しかし枠を捉えられない。この時間帯辺りから、イラクは露骨な時間稼ぎが目立ってくる。日本はCB吉田を前線に残しパワープレー。45分、CB森重のフィードをCB吉田がヘディングで落とし、CF浅野が走り込むが、DFにブロックされる。アディショナルタイム46分、CH山口のフィードを同じようにCB吉田が落とし、CF浅野が今度はヘディングシュート。しかし強く当たらず、GKモハメド・ハミードがキャッチする。

 アディショナルタイムは6分。それでも短い位だが、その中でもまたDFが倒れて時間稼ぎ。イライラするが、50分、前線へのフィードに吉田が走り込み、DFを背にがんばってファールをもらう。そして清武が蹴ったFKのはね返りをCH山口が地を這うボレーシュート。これが見事に決まり、日本が起死回生の勝ち越しゴールを挙げた。そしてタイムアップ。2-1。日本が土壇場で勝利。勝ち点3を手にした。

 この後に行われたサウジアラビアとオーストラリアのゲームが2-2で引き分けて、UAEはタイに3-1で勝利したため、終わってみればグループBの4位に後退。もっとも4チームとも2勝ずつで勝ち点差も1だから、実質4チームが並んだと言っていい。そして次は日本対オーストラリアとサウジアラビアUAEの4強同士のゲームが組まれている。11日を終わってどんな結果になっているのだろう。日本としては最低限引き分けでいたいのだが、今の戦力だとけっこう厳しいかもしれない。原口、山口、齋藤学らがいきいきと活躍するゲームを観てみたい。