とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

W杯アジア最終予選グループB 日本対サウジアラビア

 日本がすばらしいゲームを展開したと思う。しかし結果は2-1。失点したことは不満に思うが、可能性は感じた。久保や大迫のさらなる成長を期待したい。先発はCF大迫、左SH原口。左SB長友の先発はあれと思ったが、それよりも驚いたのは右SH久保だ。オマール戦で齋藤がアピールしたので、本田でなければ齋藤が先発するかと思っていたが、まさか久保とは。若い力の台頭に期待したい。一方で長友や長谷部を先発させたこと。また、本田、香川、岡崎とこれまでの日本を支えてきた選手たちが交代出場したところは、ハリルホジッチが経験のある選手を重用するというこれまでの傾向が垣間見られた。ベテランと若手がうまく溶け合って、いい日本代表を作っていってほしい。

 ゲームは序盤から日本が押していく。2分、CB森重のフィードをCF大迫が収めて、OH清武がミドルシュートを放つ。4分にはCF大迫が得たFKをOH清武が蹴って、CB吉田がヘディングシュート。日本は出足が早く、再三サウジアラビアのパスをカットして攻めていくが、サウジアラビアの守備も堅く、前線へパスが入らない。逆に18分には、FWジャーセムにドリブルで運ばれ、スルーパスからFWサラウィがシュートを放つが、GK西川がキャッチした。

 20分、OH清武のカットから左SH原口がドリブル。縦パスを受けたCF大迫が反転してシュートを打つが、GKウワイスに止められる。22分にはOH清武の縦パスに右サイドを上がった右SB酒井宏樹のクロスから右SH久保がシュート。しかしCBハウサウィがブロックする。サウジアラビアも26分、FWサラウィの落としからFWジャーセムが右に展開。右SBファラタのクロスに右SHジェフリが飛び込むが、ここはわずかに届かない。しかし次第にサウジアラビアの攻撃にリズムがでてくる。

 日本も守備意識高く守る。特に出足が早いのがいい。39分、CH長谷部のスルーパスを右SH久保が落とし、CF大迫がシュート。しかし力んだが、大きく上に外した。42分にはCF大迫がDFを背負いながらキープすると、左SH原口がドリブルからミドルシュート。しかしこれもバーの上。そして45分、CF大迫のポストプレーからOH清武が右に展開。右SH久保のクロスのこぼれをOH清武がミドルシュートを放つと、CHハイブリの手に当たってPKを得る。これを清武が落ち着いて決めて、ようやく日本が先制点を挙げた。前半はこれで折り返す。

 日本は後半頭、右SH久保を本田に交代する。リードしたことで前でのボールキープなどを期待したのだろうか。3分、OH清武のFKに右SH本田がシュートするが、その前にCB吉田が立ちはだかっている。あれあれ。8分、OH清武の縦パスから左SB長友が抜け出して、クロスに右SH本田が走り込む。しかしCHハイブリが寄せてブロック。こぼれ球をOH清武がシュートするが、これもCBハウサウィにブロックされる。

 サウジアラビアのゴール前の守備が堅い。12分には右SHシェフリに代えてムワラドを投入。18分、CF大迫のポストプレーから左SH原口がドリブル。ミドルシュートを放つが、GKウワイスがセーブする。20分、日本はOH清武を香川に交代。しかしその後、サウジアラビアがパスを回し、攻める時間帯が続く。日本はしっかりと寄せて守っていく。27分には左SH原口の寄せからボールを奪い、ドリブルからクロスを入れるが、右SH本田はシュートならず。25分、サウジアラビアはCHハイブリに代えてルワイリを投入。日本が攻めるが、なかなかシュートまでいけない。

 33分、CB森重のサイドチェンジから右SB酒井宏樹のスルーパスに右SH本田が抜け出し、サウジアラビアの守備が薄い中、十分な時間があったと思うが、左足に持ち替えてシュートを打つもGKウワイスにセーブされる。決定機で決められない本田はやはり本調子ではない。サウジアラビアは34分、FWジャーセムに代えてシャムラニを投入する。そして35分、左サイドで本田と左SB長友のパス交換から長友が抜け出し、クロスにOH香川がスルーして左SH原口がシュート。これが決まり、ようやく日本が待望の追加点を挙げた。41分には左SH原口のドリブルから右に流すと、右SH本田がシュート。しかし枠を外す。譲ったようなパスだったが、本田の衰えを感じる。

 そして45分、サウジアラビアがダイナミックな攻撃を見せる。左SHアビドが中へ仕掛けて、右に回すと、FWシャムラニがシュート。GK西川がファインセーブ。しかしこのこぼれ球をCBオスマンがシュートすると、ライン上で長友がクリアするが、この時点でわずかにゴールラインを割っていた。ゴールが認められて、サウジアラビアが1点を返す。さらに攻めるサウジアラビア。耐える日本。アディショナルタイム50分には右SBファラタが上がってクロスにFWシャムラニがヘディングシュート。しかしGK西川がナイスセーブ。ゴールを死守する。そしてタイムアップ。2-1。日本が絶対に負けられないゲーム、サウジアラビアに勝利した。

 1点差のため、勝ち点では並んだものの順位でサウジアラビアを上回ることはできなかったが、オーストラリアがタイと引き分けて、日本は2位に浮上した。しかしUAEイラクに勝利して、これで勝ち点差1の中に4チームがひしめく大混戦。まだまだ厳しい戦いは続く。2月から再開する後半のシリーズにはUAEサウジアラビアとアウェイで戦うことになる。その頃には本田や香川も復活しているだろうか。大迫や原口の調子はどうか。ハリルホジッチにはこのゲームのように柔軟かつ大胆に選手を起用し、W杯本戦につなげてほしい。