とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

J2リーグ最終節 松本山雅対横浜FC

 グランパスが来シーズンから参戦するJ2リーグ。J2は最終節までJ1自動昇格チームの決定が持ち越された。できればエスパルスのゲームが見たかったが、残念ながら無料での放送はなく、BS1で放送した松本山雅横浜FCのゲームを観戦した。山雅はシュミット・ダニエルや高崎など今シーズンからプレーしている選手もいるが、多くは昨年J1を戦った選手が中心。対する横浜FCには寺田以外知っている選手がいない。

 始まってみると、ホームの大声援の前で絶対勝たなくてはいけない山雅に較べて、横浜FCの方が動きは軽快。短いパスをつないで山雅陣地へ攻め入っていく。7分にはCH中里のミドルシュートがわずかにバーの上を掠める。そして9分、GK渋谷からのフィードをFWイバが落とし、左SH野村のスルーパスに右SH野崎が走り込んでシュート。流れるような攻撃で先制点を挙げた。

 13分には左SB永田のパスカットから左サイドへ開いたFWイバへパス。イバが仕掛けて強烈なシュートを放つが、GKシュミット・ダニエルの正面。大きく弾き返した。さらに20分にはCKから山雅の選手のトラップミスを受けてFWイバがシュート。DFがブロックする。山雅もようやく23分、鐵戸のCKにCB後藤がニアでフリック。CB飯田がDFと競り合いながらシュートを放つが、バーに弾き返される。しかしこの辺りから次第に山雅が主導権を握って攻め始める。

 24分、左WB飯尾のドリブルから右FW工藤が落として、飯尾がシュート。しかし力なくGK渋谷がキャッチ。33分、左CB喜山の縦パスを左FW鐵戸が受けて、スルーパスに左WB飯尾が走り込み、クロスのこぼれをCF高崎がシュート。しかしGK渋谷がナイスセーブ。そしてアディショナルタイム、左WB飯尾のスローインからCF高崎がうまくDFを背負って前を向き、シュート。GK渋谷がナイスセーブ。こぼれ球からCH岩間がシュート。これはDFがブロック。さらにPA内でCB飯田がボレーシュートを放つと、これが右SB市村の手に当たってPK。これを高崎が落ち着いて決めて、前半終了間際に山雅が同点に追いついた。

 しかし後半になっても横浜FCがまたペースを握る。パスサッカーで山雅陣内に攻め込むが、後半5分、右FW工藤のパスカットから縦パスにCF高崎が走り込み、頭でボールを突いて右SB市村をかわすと、シュート。これが決まり、山雅が逆転する。一瞬のチャンスを逃さないいかにも山雅らしい得点だ。だが9分、今度は横浜FCが、CH中里のCKからCB西河がドンピシャ・ヘディングシュート。ネットに強烈に突き刺して、すぐに同点に追い付く。

 その後は一進一退の展開。13分、左SB永田の縦パスをFWイバが落とし、永田の縦パスに左SH野村が中へ持ち込んでミドルシュート。わずかにバーの上。あわやゴールかと思った。山雅も16分から猛攻。CB喜山のFKからのフィードを右CB後藤がヘディングで折り返し、CB飯田が飛び込んでいくが、わずかに届かない。続く鐵戸のCKからCB喜山がシュート。いったんDFにはね返されたがもう一度シュート。GK渋谷がファインセーブ。さらに鐵戸のCKから右CB後藤がヘディングシュート。DFがブロックする。19分にはCHパウリーニョのクロスをGK渋谷がファンブル。CB飯田が詰めてシュートを放つが、枠は捉えられない。山雅、必死の攻撃が続く。

 すると20分、横浜FCは右SH野崎に代えて内田を投入。山雅は左SH鐵戸に代えて宮阪。さらに31分、横浜FCがFW小野瀬に代えて大久保を投入すると、山雅も34分、左CB喜山に代えてFW三島。岩間をCHに下げて、パウリーニョのワンボランチか。横浜FCも35分、左SH野村に代えて左SB田所を投入。永田を左SHに上げる。そして37分、宮阪の蹴ったCKにFW三島がニアで低い位置からのヘディングシュート。これが決まり、もう一度山雅が勝ち越した。

 横浜FCも反撃する。39分、CH中里のクロスからFW大久保がヘディングシュートするも、GKシュミット・ダニエルがキャッチ。山雅も40分、FW三島のスルーパスにOH工藤が抜け出すも、シュートは枠を外す。このゲーム、工藤は絶不調だった。横浜FCも43分、FKからFW大久保のヘディングシュートがバーを叩いたが、その後はチャンスを作れず。点の取り合いとなったゲームは二転三転の末、3-2で松本山雅が勝利した。

 しかし結局、エスパルスが勝利したため、3位のまま。コンサドーレが引き分けたため、首位との勝ち点差はわずかに1。それでも自動昇格とはならず、松本山雅プレーオフに回ることになった。「怖いリーグ」と反町監督が言っていたがそのとおり。グランパスはそんなリーグで思惑通り、1年でJ1昇格などできるだろうか。風間監督になるということはチームを一から作り直すということ。1年でチーム作りが完成すればいいが、エスパルスも今シーズンの前半はチーム作りが間に合わず、後半になってようやく勝利を重ね、2位に滑り込んだ。グランパスのチーム作りがエスパルスのように間に合うだろうか。

 山雅にはプレーオフに向けて自信になったことだろう。しかしこのサッカーではJ1に昇格しても昨シーズンと同じ結果になるのではないか。J1は甘くない。でもJ2も同様に甘くない。そんなことを思いながら観戦をしていた。