とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

ルヴァン杯決勝 セレッソ大阪対川崎フロンターレ

 フロンターレはどこまでサッカーの神様に見放されているんだろうか。今季、先々週まで3つのタイトルの可能性があったのに、天皇杯準々決勝でレイソルに敗れ、先週はまたリーグ戦でレイソルに敗れて、首位アントラーズとの勝ち点差は4に広がった。まだリーグ優勝の可能性はあるが、まずはこのルヴァン杯で優勝して、リーグ戦に弾みをつけてほしかった。しかしサッカーの神様は今度もフロンターレを見放して、その微笑はセレッソに注がれた。それも開始1分、フロンターレのミスで奪われた1点を最後まで取り戻せなかった。まさに神様に呪われたようなミスだった。

 セレッソには清武、フロンターレにはGKチョンソンリョンと大島が帰ってきた。それでセレッソは柿谷をFWに上げて4-4-2の布陣。清武は左SHで先発。またCBにはヨニッチと並んで木本が入った。一方のレイソルは大島がボランチに戻ってエドゥアルド・ネットと並ぶ。中村憲剛がトップ下に入り、右SH家長、左SHには三好が先発した。

 開始47秒、左SB丸橋のスローインをFW柿谷がフリックすると、CBエドゥアルドがクリアできず横を抜けたボールをCF杉本が拾って、抜け出しシュート。セレッソが先制点を挙げた。CBエドゥアルドとFW杉本の距離がわずかに遠かった。フロンターレ痛恨のミス。序盤で1点のビハインドを背負うことになった。

 しかしその後はフロンターレが押し込む。6分、CF小林がミドルシュート。16分、右SH家長のドリブルから中へのパスをOH中村憲剛がワンタッチでスルーパス。右SBエウシーニョが走り込みシュートを放つが、GKキムジンヒョンがナイスセーブではね返す。25分、右SH家長のスルーパスに、左SH三好がゴール右まで走り込んで、落としをCF小林がヒールでシュート。しかしDFがブロックする。27分には左SH三好がPA内を切れ込み、ゴール横まで行くが、パスはGKキムジンヒョンが抑えた。

 30分には左SH三好がミドルシュート。先制後、ほとんど守備に回っていたセレッソは34分、CHソウザのクロス性のFKが直接ゴールを襲う。GKチョンソンリョンがパンチングでクリア。40分、OH中村憲剛のクロスにCB谷口がヘディングシュート。枠を捉えられない。セレッソも41分、左SH清武のFW柿谷を狙った縦パスのクリアを直接ミドルシュート。しかしGKチョンソンリョンがナイスセーブ。フロンターレは43分、OH中村の縦パスをCF小林が落とし、中村憲剛ミドルシュート。しかしポスト左に外れる。ゴールが遠いフロンターレ。前半は1-0のまま、折り返した。

 するとフロンターレは後半頭から左SH三好を長谷川に交代する。結果論かもしれないが、この交代が早過ぎたと思う。3分、右SBエウシーニョのクロスにCF小林がシュート。GKキムジンヒョンがセーブ。11分、CB谷口の縦パスから、右SH家長のクロスにCF小林がオーバーヘッドシュート。しかし枠を捉えられない。16分にはOH中村の縦パスに走り込んだ右SH家長。このタイミングで前を向いてシュートを打つチャンスがあったと思うが、家長は後ろに戻り、DFの厳しいチェックにOH中村憲剛、CHエドゥアルド・ネットとシュートは打てず、最後は左SH長谷川がミドルシュートを放ったが、大きく右に外した。

 するとその直後、右SB松田のパスから右SH水沼がスルーパス。FW柿谷がシュートを放つ。GKチョンソンリョンがファインセーブ。その後もフロンターレがパスを回し、セレッソがカウンターを狙う展開が続く。26分、中村憲剛のCKにCB谷口がヘディングシュート。しかしこれも枠を外す。27分、右SH家長の縦パスを受けた右SBエウシーニョがDFを背負いながら、反転してシュート。枠を外す。

 30分、フロンターレはエウシーニョに代えてFW知念を投入。長谷川を右SBに回し、中村憲剛を左SH。4-4-2にして反撃する。34分、左SH中村から左に展開。左SB車屋のクロスに右SB長谷川がヘディングシュート。しかしこれも大きく左に外す。長谷川は元気よく仕掛けるが、キックミスが多い。チャンスにシュートやクロスが大きく外れる。

 35分、フロンターレはCHエドゥアルド・ネットに代えて、ケガから癒えた阿部を投入する。中村を下げて阿部が左SH。とは言っても、ほとんど全員攻撃。これに対してセレッソは39分、FW柿谷を下げて山村をCBで起用。5-4-1にして守りを固める。42分、左SH阿部がミドルシュートを放つが、枠を捉えられない。44分にはセレッソがCB木本に代えて山下を投入。そしてアディショナルタイム47分、攻め込まれた状況から右CB松田が大きく前線へフィード。これに左SH清武が走り込むと、一緒に駆け上がってきた右SH水沼にパス。フリーの水沼にGKチョンソンリョンが飛び出すと、左に流して、CHソウザがシュート。セレッソ、ダメ押し点。最後は時間を使ってタイムアップ。2-0。セレッソフロンターレを破って、初めてのタイトル、ルヴァン杯優勝を決めた。

 またもタイトルから見放されたフロンターレ。一方のセレッソもリーグ戦優勝直前の最終節で逆転されることを繰り返してきた。初めてのタイトルだ。杉本がインタビューで、「これは通過点。これからセレッソの歴史が始まる」的なことを言っていたが、そうなるとすばらしい。このゲーム、先制点はフロンターレのミスだし、その後はほとんど守りに回っていたが、しかし粘り強く守り抜いた。セレッソを決勝戦まで勝ち上げてきたサブメンバーの力もある。チーム力で獲ったタイトルだ。セレッソ、おめでとう。そしてフロンターレには「まだリーグ戦がある」と言おう。せめて残り3試合は全勝で締めくくりたい。