とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

J1リーグ第34節 名古屋グランパス対鹿島アントラーズ

 今年のJリーグも終わった。グランパスは序盤こそ3連勝して首位に立ったものの、その後失速。5月から8月にかけては10試合勝利のない期間が続き、ついに風間監督が退任。しかしフィッカデンティ監督に代わった後もなかなか勝利を挙げられず、次に勝利を挙げたのは11月。実に5ヶ月間未勝利だった。この結果、今年もまた最終節まで残留争いに巻き込まれた。観客数だけはマーケティングの成果でかなり伸ばしたものの、昔からのサポーターはけっして納得していない。

 最終節の相手は3位のアントラーズ。前節で優勝は逃したもののACLがかかっている。引き分け以上が求められる。一方、グランパスは、残留は決定していないが、21点差以上の負けでなければ大丈夫ということで、実質は残留が決定。しかしホームでのラストゲーム。無様なゲームは見せられない。グランパスの布陣は4-2-3-1。ジョーをトップに、長谷川アーリアジャスールがトップ下に入り、右SHに前田、左SHにはシャビエルが入る。ボランチはシミッチと米本。吉田のケガは癒えず、左SBは前節に続いて太田宏介。右SBには宮原。CB丸山、CB中谷、GKランゲラックはいつもと変わらない。一方、アントラーズの布陣は4-4-2。セルジーニョと土居の2トップに、右SH遠藤康、左SH白崎。ボランチにはレオシルバと三竿が入り、DFは右SBに永木。左SBには町田が入って、CBはブエノと犬飼。GKはベテラン曽ヶ端が先発した。

 開始1分、左SB町田のクロスに右SH遠藤がヘディングシュート。左に外したが、序盤、アントラーズが積極的に攻めていく。11分には遠藤のCKからCBブエノがヘディングシュート。12分にも遠藤のCKのクリアをCBブエノがシュート。しかしグランパスも序盤はしっかり守備意識が高い。15分過ぎ位から前田とシャビエルの左右を入れ替えると、次第にグランパスも攻められるようになってくる。19分にはGKランゲラックのフィードをCFジョーが落とし、OH長谷川から右に展開。CFジョーのクロスのこぼれをOH[長谷川がシュートする。19分には右SHシャビエルのサイドチェンジ気味の縦パスに左SH前田が走り込みシュートを放つが、DFにブロックされた。

 それでもこのゲームのグランパスは残留が決定的になったからなのか、非常に落ち着いてプレー。守備で慌てることなく、前には速く左SH前田や右SHシャビエルを走らせる。アントラーズも27分、左SB町田のパスをFW土居が右に展開。右SB永木のクロスにFWセルジーニョがシュート。だがこれは枠を外した。その後はお互い互角の状況で時間が進み、このまま前半を終えるのかと思った43分、CH三竿の縦パスを右SH遠藤が右に流すと、駆け上がった右SB永木のクロスにFWセルジーニョとCB丸山が競り合い、わずかにコースが変わったボールがFW土居を背負っていたCB中谷の足に当たってゴールに転がり込む。痛恨のオウンゴールアントラーズが先制点を挙げた。前半はこのまま折り返す。

 後半は序盤、グランパスがパスを回して攻めていく。13分、CH米本の縦パスを受けた左SH前田が仕掛けてクロス。だが飛び込むCFジョーにCB犬飼がマークして、シュートを打たせない。14分、再び前田とシャビエルの左右を入れ替える。16分、右SH前田がカットインして、CHシミッチがシュート。だがCH三竿がブロック。こぼれ球を拾ったCHレオシルバがそのままドリブルで持ち上がると、並走したFWセルジーニョにいったん渡し、戻ったパスをレオシルバがシュート。GKランゲラックがキャッチした。

 18分、アントラーズは右SH遠藤に代えて名古。グランパスもOH長谷川に代えて左SHに伊藤洋輝を投入。シャビエルをFWに上げた。26分にはCH米本のサイドチェンジからFWシャビエルがクロス。FWジョーがヘディングシュートするも、枠を捉えられず。アントラーズは28分、FW土居に代えて上田綺世を投入する。すると30分、右SB永木のFKからFW上田綺世がミドルシュートを放つ。グランパスも36分、FWシャビエルに代えて深堀を投入する。

 40分、FWセルジーニョから右に展開。右SH名古のクロスにFW上田がヘディングシュート。ポストを叩く。グランパスも45+2分、右SH前田のサイドチェンジから、左SH伊藤洋輝がクロス。FWジョーが飛び込むが、届かない。そしてタイムアップ。前半のゴールを守って、アントラーズが1-0で勝利した。アントラーズはこれで3位を確保。来季のACL出場を決めた。

 グランパスは負けても13位。何とか残留は決めたが、入替えプレーオフに回るベルマーレとの勝ち点差はわずか1。厳しいシーズンだった。それでも風間監督が退任して、ようやくまともなサッカーを展開することができた。フィッカデンティ監督は来季も継続。レンタル移籍した相馬とマテウスも戻ってくると言う(本当かどうかわからないけど)。ジョー頼みのサッカーは今季で終わりにしたい。そして来季こそ最後まで優勝争いに絡むサッカーを期待したい。このグランパスが来季はどう変化するか。今から楽しみにしたい。