とんま天狗は雲の上

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病気の名称 COVID-19

 今回の新型肺炎には、WHOによって正式にCOVID-19(コビッド・ナインティーン)という名称がつけられた。一部のネトウを中心に中国肺炎と書き散らす輩もいるようだが、風評被害などを避けるため、最近では病名等に地名等は入れないということになっているそうだ。かつて1918~19年に大流行したスペインかぜは、実際の流行源はアメリカだったにも関わらず、当時は第一次世界大戦中のため、情報統制によりアメリカでの大流行が伝えられず、一方、戦争に参加をしていなかったスペインでの感染が大きく報じられたため、病名に「スペイン」という国名が入ってしまった。かわいそうなスペイン。

 スペインかぜはインフルエンザの一つだが、インフルエンザにはAソ連型やA香港型のウイルスがある。1977~78年にかけてソ連で流行したソ連かぜ、1968年に香港から広がった香港かぜ(他にもアジアかぜなどもあったようだ)のウイルスを指すが、当時はまだ地名を付けることにあまり抵抗はなかったのだろう。

 そう言えば、日本脳炎も堂々と「日本」と付けられている。他にも広東住血線虫やエボラ出血熱、ジカ熱なども地名由来だし、MERSも中東呼吸器疾患という意味で、それらも現在では病名にすることはないのだそうだ。そう言えば、人間の病気ではないが、「豚コレラ」の名称を「CSF(豚熱)」と改めるということもあったが、これはこれらとは無関係ということで、名称が改められた。一方、「アフリカ豚熱(ASF)」は1012年ケニアで発生が最初だそうで、だから「アフリカ豚熱」と言われる。ちなみにこの名称も「アフリカ豚コレラ」から改められたが、「アフリカ」の地名が削除されることはなかった。

 今回の新型肺炎もこのまま日本での感染が広がり、さらにクルーズ船経由で世界各国へ広がっていくと、日本肺炎とかクルーズ肺炎などと呼ばれる恐れだってあったかもしれない。WHOが早々とCOVID-19(コビッド・ナインティーン)と正式名称を決めたのはグッドジョブと言えるだろう。