7位に低迷するインテルはCWCに優勝するものの、その直後にベニテス監督を解任。12月24日、なんと昨シーズンまでミランの監督だったレオナルドが次の監督に就任した。ミランで選手として活躍してきたレオナルドがミラノのライバル・チームであるインテルの監督になるとはびっくりしたが、思い返せば昨シーズンの解任当時、ベルルスコーニとの確執も噂されていた。「世界のサッカー情報:レオナルド、ベルルスコーニを批判」によれば、インテルのモラッティ会長とも親しくしていたそうだから、今回の監督人事もむベなるかなというところか。
それはさておき、レオナルド監督の初戦は現在2位につける好調ナポリ。ナポリと言えば、W杯で活躍したウルグアイ代表のカバーニとスロバキア代表のハムシクが所属し大活躍している。ナポリがどんなサッカーを見せるのかにも興味があった。一方、インテルはエトーが累積で欠場。スナイデル、ジュリオ・セザールもケガで欠き、レオナルド監督には厳しいスタートだ。
ところが立ち上がり、あっさりとインテルが先制する。3分、ルシオからのフィードをパンデフが受けると、中央へ流し、モッタが中盤から上がって、一旦スタンコビッチに預けてさらに前進。返しのパスをもらってそのままシュート。見事にゴールを奪う。
対するナポリも6分。中盤からガルガーノが蹴ったFKをドッセーナが受けてシュート。見事に決まったかと思ったがオフサイド。これはインテルのDFラインが巧かった。
その後は互角の展開。長短のパスを回して攻め込むインテルに対して、ナポリは長いパスをサイドや中盤の底から放り込み、カバーニ、ラバッツィ、ハムシクの速い飛び込みで勝負する。そして25分。ラベッツィが蹴ったCKにボランチからパツィエンツァが走り込み見事にヘディングシュートを決める。
その後も互角の展開。33分、ラベッツィのクロスをDFが触りこぼれたところをカバーニが落とし、右SHマッジョがシュート。対するインテルも34分、キブのクロスにミリートが飛び込むが、シュートがうまく足に合わなかった。
しかし若さと速さのナポリに対して、インテルは円熟の技。37分、右SBマイコンが見事な精度のクロスを入れると、こちらもボランチからカンビアッソが走り込み、ドンピシャ・ヘッド。インテルが勝ち越し点を挙げる。
ロスタイムには、インテルがミリートのスルーパスにスタンコビッチが走り込んでシュートを放てば、ナポリもハムシクのサイドチェンジのパスをラベッツィがアーリークロス。カバーニがオーバーヘッド・キックを見せる。
後半2分、ラバッツィのスルーパスにカバーニがクロスを入れると、ハムシクが走り込んでシュート。惜しくもわずかにポスト右に外れる。そして10分、パンデフのCKにモッタが下がりながらのヘディングシュート。これがゴール左隅に決まり、インテルが3点目をゲット。ナポリを突き放す。
ナポリも反撃。13分イエブダ、21分スニィガ、さらに31分にはソーサを投入。後半は押しに押していく。30分、CKにマッジョがヘディングシュート。37分、FKにイエブダがヘディングシュート。38分にはマッジョのクロスにスニィガがヘッド。39分、ソーサのクロスにラベッツィがヘディングシュート。しかしインテルもマリーガ、ビアビアニー、さらにはムンタリも投入し、中央をしっかりと固めて守りぬく。
ロスタイムにはラベッツィのクロスにマッジョがヘディングで飛び込むがゴールならず。結局このまま時間が過ぎて、インテルはうれしいレオナルドの初采配、初勝利を手に入れた。
これ1試合ではレオナルド監督がどんなサッカーをするのか語れないが、スタンコビッチ、パンデフにモッタが絡んで前線が躍動するサッカーのように見える。エトーが出場してどうなるか、さらにインテルのサッカーを見てみたい。
一方、ナポリが好調な原因もよくわかる。若くて溌剌とした速いサッカーだ。両チームで独走するミランを追いかけて、セリエAを盛り上げることを期待したい。