とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

グランパス ACL終幕 連携はついに戻らなかった

 グランパスのACL2度目のチャレンジは、決勝トーナメント初戦のベスト4で終了した。本当ならもっとできるはずという思いも強いが、ケガ人の続出でなかなか上がってこないJリーグでの調子をそのまま持ち込んでの敗戦。復活したばかりのダニルソンのケガ、再び演じた田中隼磨と楢崎の連携ミスと、後に影響が残らないか心配だ。
 久しぶりにケネディが復活。中央にターゲットができて、ようやくいつものグランパスが帰ってきた。開始早々の2分、ダニルソンが強烈なミドルシュートでゴールを狙う。13分には小川のCKをDFがクリアしたところを中村がミドルシュート。しかしこれも大きくふかしゴールを外れていった。
 最初は生き生きと動いていたグランパスも、水原三星のプレスの厳しさに次第に後手に回るシーンが多くなってくる。15分、チェ・ソングクのクロスをイ・サンホがヘディングシュート。17分、ヨム・ギフンのクロスをオ・ジャンウンが落としてチェ・ソングクがシュート。あぶない。わずかに枠を外れた。そして20分にはチェ・ソングクがドリブルで上がり、イ・ヨンレがミドルシュート
 水原三星の決定力のなさに助けられてはいたが、中盤のこぼれ球をことごとく水原に拾われ、たまにボールを奪っても速いプレスでグランパスは攻撃が形にならない。特に玉田はほとんど消えていることが多く、ケネディが戻ってきて増やしたいはずのサイド攻撃もSBが出ていく前につぶされてクロスすら上がらない。
 すると24分、左サイドでこまかくボールをつないで隙を窺い、最後はオ・ジャンウンのポストからイ・ヨンレがゴール前に入れたボールに、ヨム・ギフンがうまく新井を外してヘディングシュートを放つ。水原が先制点。いったん消えて前に飛び込むヨム・ギフンの動きの見事さに若い新井がついていけなかった。増川がいれば結果は違っていたかと思うと悔やまれる。
 しかし新井も若干遠慮する場面もありながら、31分には自らの上がりからミドルシュートを放つなど、前向きな姿勢は好感が持てる。40分にもケネディが苦し紛れのミドルシュート。そしてロスタイム2分、右からのクロスをケネディが落とし、玉田がゴールを狙うが、トラップでややもたつき、枠を外してしまった。
 その前の43分、ダニルソンが突然ピッチに倒れて交代をアピール。右足腿裏のハムストリングの故障か。このゲームもアンカーでのプレーでダニルソンがよく効いていただけにその後のゲーム展開に暗雲を感じる交代だった。代わりに永井が起用されたが、永井も最近は疲労が溜まってきているのか、その後、有効な動きを見せることは少なかった。中盤は中村が下がってとりあえず守備を固める。
 後半に入ってもなかなかスムーズに攻撃ができないグランパス。5分にはチェ・ソングクのFKが中村の頭に当たり、あわやオウンゴール。そして12分、相手FWのプレスにパスの出し先を失った田中隼磨が楢崎にバックパス。しかしこれが弱く、PA外で失速するところをヨム・ギフンが猛烈なスピードで追ってくる。あわてて楢崎がクリアするが、これをイ・サンホが拾ってシュート。痛恨の追加点を献上する。
 グランパスも必至で反撃するが、水原は1人を残してブロックを作り、守備を固めてくる。しかしひとたびカウンターに入るとその推進力はすごい。15分、新井のところでボールを奪われ、チェ・ソングクがドリブル前進闘莉王が何とかカバーしてクリア。17分、チェ・ソングクの蹴ったFKも危なかった。
 グランパスは20分、この日生彩を欠いた玉田に代えてルーキーの田中輝希を投入。30分、さっそく隼磨のクロスに輝希がヘディングシュートで飛び込むがゴールならず。31分には疲れの見える中村に代えて磯村を投入。必死の反撃を仕掛けるが、水原の守備は厚く、どうしてもチャンスがつかめない。
 43分、藤本のスルーパスに磯村が抜け出すが、シュートはGKチョン・ソンリョンに止められた。結局、このままゲーム終了。ここでグランパスACLは終幕した。
 日本開催の世界クラブワールドカップに出場という夢はついえたが、今のグランパスに必要なのはケガ人続出の中、早く昨シーズンの連携を取り戻し、Jリーグで戦えるチームにすること。今シーズンは東日本大震災の影響で夏の中断がなく、昨シーズンのようにWカップ中の再調整はできない。早く頭と身体を切り替え、Jリーグに向けて態勢を整えていくことが必要だ。若手の登場で脱皮の可能性は見えてきている。強い心で甦れ!グランパス