とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

なでしこ決勝進出おめでとう 安藤、大野、澤 ベテランの輝き

 女子W杯準決勝スウェーデン戦。日本は序盤からプレスがよく効き、パスをつないで攻める。グループリーグでアメリカを破り、世界ランキング5位のスウェーデンにもっと苦しむかと思ったが、序盤の数分で技術力の差は明らか。これは行けると思った10分。澤の横パスを左SHウクビストに奪われ、独走ドリブル。熊谷のスライディング空しく、スウェーデンが先制点を挙げた。
 スウェーデンはシェリーンのワントップの下に左からウクビスト、ショーグラン、フォシュベリと3枚並べ、さらにダールクビスト、ハンマルストロムのダブルボランチ。中盤を5枚にして日本の中盤のパス回しにプレスをかける。だが、日本も落ち着いてサイドに回し、左サイドから鮫島、宮間とクロスを入れてくる。これはCBの高さにはね返されたが、18分、CB岩清水が縦に入れると、大野が受けて左へドリブル。さらに左サイドでフリーの宮間にわたってクロスに川澄が飛び込む。後ろから押され態勢を崩すが、ウクビストが触ったボールがもう一度川澄に当たってゴールに飛び込んだ。完璧な形で日本同点。
 このゲーム、日本はこれまで先発の永里に代えて川澄を先発。前線でのポスト勝負は諦め、速い動きのなかから攻撃の形をつくる作戦。28分には右SB近賀から大野のクロスに川澄がシュート。34分の宮間のFKはかろうじてGKリンダールがセーブ。37分、大野の縦パスに澤、川澄、DFのブロックに川澄がシュート。DFがクリアする。
 前半は圧倒的に日本ペース。特に前半は大野の積極的な仕掛けが目についた。スウェーデンはほとんどチャンスを作れない。後半に入り1分、川澄からパスを受けた大野がミドルシュート。わずかにバーに当たり弾かれる。前半の勢いそのまま、日本が圧倒する。そして14分、鮫島のクロスに安藤が飛び込み、GKが弾いたところを澤がヘディングシュート。ついに日本がリードした。
 19分には宮間のスルーパスにまたも安藤が走り込むと、GKリンダールがクリア。しかしこれを拾った川澄が、GKが前に出ているのを見逃さずロングシュート。3点目を入れて突き放す。
 29分には川澄に代えて永里を投入。悔しい気持ちをぶつけて走りまわり、ポストプレーに強さを見せる。37分には安藤が右に流し、澤のクロスを大野が落とし、坂口がミドルシュート。後半は鮫島が積極的に上がり、スウェーデンを押し込む。最後は40分過ぎに入った高瀬、上尾野辺が時間をうまく使い、最後までスウェーデンに攻めさせることなく、日本の完勝で決勝進出を決めた。
 この日もゴールを決めた澤が攻守に活躍しているのはもちろん、安藤の動きの良さが目に付く。また大野に積極性が戻ってきた。先発を外された永里や途中交代でしっかり役割を果たした高瀬、上尾野辺を見ると、日本の勢いは本物。もっともアメリカもブラジル戦起死回生で甦ってきた勢いがある。勝利の可能性は5分と5分。だがチームワークで日本がわずかに勝っているように思うのは気のせいだろうか。いずれにせよ悔いのないゲームを見せてほしい。がんばれ!なでしこ!