とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

女子W杯 アメリカ延長ロスタイムからの逆転

 ビデオを撮らなかったことを後悔している。しかも延長戦しか見ていない。前半のオウンゴールと延長戦の2得点、PK戦は見たけれど、やはりサッカーは90分乃至120分フルで見なければゲームの流れもわからないし、どんなプレーがあったのかわからない。延長戦を見た限りでは、ブラジルが巧さに溺れて、先に気持ちが切れて、アメリカの不屈の闘志に女神まで呼び込んでしまったように見えた。
 それにしても動画サイトで見るブラジルのマルタのプレーは圧巻だ。PKのシーンも二人のDFに囲まれながらゴール前に抜け出し、DFが倒して得たもの。しかも一旦は止められたPKの蹴り直し。キッカーが変わるシーンも珍しいが、変わったマルタがきちんと決めるところが面白い。アメリカはこれでDFを一人退場で欠いてしまう。
 延長2分のゴールも左からのクロスにつま先で引っ掛けるようにして山なりにGKを越えるシュート。ポストに当ててゴールに放り込んだ。さすがマルタというプレイ。その後、アメリカに惜しい場面もあったがGKのファインセーブで得点にならず。このまま終わるかと思った。
 だがブラジルのDF陣に疲れが目立つ。日本対ドイツ戦でもそうだったが、女子にとって延長戦は体力的にかなりきつい。後半7分、DFのフォルミガが足を攣って交代すると、その後のゴール前の攻防の後、エリカがゴール前で倒れて担架で運ばれる。しかし途中で担架から抜け出たエリカは走ってポジションに戻る。このプレーが非スポーツ的行為としてイエローカードをもらい、かつ3分と長いロスタイムがアメリカに与えられた。
 そしてロスタイム2分、ボックスの長いクロスにワンバクの高いヘディングシュートがゴールネットに突き刺さり、起死回生の同点ゴールを挙げた。
 まるで男子W杯のアメリカのよう。どうしてアメリカはこうまで勝負強いのだ。PK戦もアメリカの方が気力が漲っていたようだ。1本目のPKをブラジルのGKアンドレアが止めたが、明らかに蹴る前に前に出ている。やり直しPKを決めると、後はアメリカが5本揃え、1本止められたブラジルに勝って準決勝進出を決めた。失敗したブラジルの選手はオウンゴールも入れてしまったダイアネ。彼女の日ではなかった。
 グループリーグでは不調だったアメリカだが、これで勢いづくと怖い。日本もスウェーデンに何とか勝利し、アメリカに対して練習試合2連敗の雪辱と行きたいところだ。アメリカもまだ完璧な強さではないと思いたい。