とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

勝てるマンU、勝てないアーセナル。でもこれじゃ香川の出番はないぞ。

 プレミアリーグ第10節、2位マンU対6位アーセナルの対戦。前節は最下位クイーンズパーク相手に何とか勝利したアーセナルだったが、週半ばのカップ戦では18位レディングに7-5と壮絶なゲームを演じている。もっともマンUチェルシー相手に5-4は必ずしも褒められた結果ではないが。
 両チームほぼ現時点ではベストの布陣。香川のいないマンUルーニーをトップ下に、右SHバレンシア、左SHアシュリー・ヤングとウィング攻撃主体の前節と同じ先発。いや、全員同じメンバーか? ちなみにアーセナルも前節と同じ。
 序盤、いつものようにホームのマンUが攻勢をかける。と3分、右サイドを抜け出したラファエルのクロスに対するCBフェルメーレンのクリアが中途半端になったところにファンペルシーが詰め寄ってシュート。マンUが幸先よく先制点を挙げる。その後もマンUのプレスが速い。アーセナルはボールキープはするものの、なかなか守備ブロックの中に入っていけない。
 21分、左SBエブラからルーニーのスルーパスファンペルシーが反応してシュート。GKマンノーネがナイスセーブ。アーセナルは23分、右SHラムジーがドリブルからクロスを入れるのがようやく。だがGKデヘアが弾き返す。
 マンUは28分、バレンシアのクロスのクリアをキャリックが右に流し、ルーニーがシュート。GKマンノーネが弾き返すが、エブラが拾ってクロスにファンペルシーがヘディングシュート。45分にはヤングのクロスにカソルラがハンドの反則。PKを与えるが、ルーニーが外して1点差のまま、前半を終えた。
 後半に入ってもマンUペースは変わらない。1分、CBファーディナンドからの縦パスをバレンシアが受けて、DFをかわして前へ。ファンペルシーが収めてクロスにバレンシアがシュート。3分、ヤングのクロスに右SBラファエルがシュート。DFのクリアをキャリックミドルシュートを放つ。アーセナルが苦労して前へボールを運び、それでも守備ブロックを破れず、奪われたボールはマンUがスルッと前へ運んでシュートまで至ってしまう。アーセナルのシュートは遠目から小さな隙を突いて打つばかり。9分、カソルラからボールを受けたジルーが遠目から反転してシュートを放つが、GKデヘアが楽々セーブした。
 そして22分、ルーニーがショートCKからクロスを入れると、エブラが強烈なヘディングシュート。あっさりとマンUが追加点を入れる。さらに24分、ウィルシャーがエブラへのタックルでファールを取られ2枚目のイエローカードアーセナルが一人少なくなって万事休す。それでもロスタイム5分にサーニャのクロスからアルシャビンの落としをカソルラミドルシュートを決めて1点を返したが、ゲームはそこまで。2-1でマンUが快勝した。
 強豪アーセナルとの対戦ということで期待したが、昨シーズンまでの戦い方であっさりアーセナルを葬ってみせた。厳しいプレスで相手を追い込み、ボールを奪ったら速攻。このスタイルがマンUにしっかり根付いている。香川には両SHをやれるほどの速さも、CHをやれるほどの守備の強さもなく、かといってルーニーのポジションに入っても、強さに劣るので、パスを受けても一発でターンするわけにはいかず、パス交換しながらキラーパスを出していくのが香川スタイルだ。つまりチームのスタイルを変えざるを得ない。
 シーズン前からわかっていたこととは言え、今までのスタイルを変える必然性がなければ香川の起用もあり得ない。香川の前途多難を感じさせるマンUの圧勝劇だった。