とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

ジェフレディースの頑張りに感動! 皇后杯決勝。

 レオネッサ対ジェフレディースとなった皇后杯決勝。どうせレオネッサの楽勝と予想したが、あに図らんやジェフが予想以上の大健闘。その奮闘振りに感動さえ覚えた。翌日の新聞には「INAC執念の勝利」と見出しが載っていたが、レオネッサ以上にジェフをこそ称えたい。初めての皇后杯にふさわしい熱戦だった。
 序盤からレオネッサが攻めていく。特に右SH川澄が速い。右サイドを突破しては再三クロスを入れていく。だがジェフの守備も堅い。運動量は戦う気持ちの表れ。人数をかけた速いプレスで囲い込んでいく。そして19分、右SB高橋がDFに囲まれながら粘ると、こぼれ球をCH保坂がシュート。ポストを叩く。さらに35分には左SB細川の強力なFKからCB櫻本がヘディングシュート。レオネッサはジェフの速いプレスに次第に攻撃が作れなくなり、前半は0-0のまま終わった。
 後半に入ってもジェフの勢いは衰えない。3分、小川のクロスから深沢がシュート。4分にはCB田中と深沢の競り合いからこぼれ球を小川が拾ってシュート。さらに9分、小川の縦パスに深沢が抜け出し、クロスに右SH清水がシュート。シュートの強さ、パスの精度にはかなり難があるが、運動量だけは負けない。速いプレスで囲い込み、ボールを奪えばすぐに裏を狙う。前への出足も早い。12分には深沢がDFの間を抜けシュート。
 レオネッサは16分、ベッキーミドルシュートが枠に飛ぶ。GK船田がナイスセーブ。18分にはCB甲斐がパス出しを逡巡したところに小川が詰めて突くと、そのまま独走。GKと一対一になるが、シュートは枠を外してしまう。これが決まっていれば・・・。
 後半17分、動きの悪かった大野に代えて中島を投入。25分、澤のクロスを中島がミドルシュート。だがGK船田の正面。32分、細川のロングシュートが伸びるがバーの上。そういえば今シーズン、ジェフのゲームを見るのは3試合目。これまでもよくがんばるチームだなとは思ってはいたが、中1日でよくここまで動けるものだ。23分、右SH清水に代えて河村乃里子を投入。
 レオネッサはなかなか自分たちの思うようにならずイライラ。高瀬がしつこく守備する深沢を思わず突き飛ばしてしまう。40分、ゴーベル・ヤネズのスルーパスに高瀬が抜け出し、GKと一対一。引き付けてループシュートを放つが、ポストの右。わずかに外す。だがようやく残り5分となってレオネッサがペースを握り出す。41分、澤のスルーパスで抜け出した川澄がシュート。GK船田がファインセーブ。弾いたボールはポストを叩いた。
 しかしまだジェフの気持ちは途切れない。いったんベッキーPA近くで抜かれたCH保坂が身体ごと投げ出してベッキーを止める。「ファールじゃないか」と苦笑する星川監督。だがその気持ちの前では笛を吹くことも躊躇われる。43分、中島のCKにゴーベル・ヤネズがヘディングシュート。だがポストの右。直後の45分、ジェフも細川のCKに櫻本がヘディングシュート。同じくポストの左。まだまだ圧されてはいても反発する。
 しかし抵抗もロスタイムまでだった。レオネッサの攻撃をCKに逃れて、残り1分。中島のCKがファーに抜ける。澤が追い付いて折り返すと、高瀬がシュート。DFのクリアが不規則バウンドになってゴール前に詰めた田中の前にこぼれる。押し込む。ついにレオネッサがゴール。ジェフの選手たちが一斉に崩れ落ちる。うーん、残念。
 レオネッサ相手にここまで粘れれば十分。誰もジェフが勝つとは思っていなかった。はずが、ジェフの選手たちだけは違ったようだ。あの崩れ落ち方とタイムアップ後の涙は明らかにジャイアント・キリングを狙っていた。ここまで健闘すれば十分なんて考えて申し訳ない。でもこの90分間の奮闘振りには感動した。女子サッカーの今シーズンの最後を飾るにふさわしいゲームだった。ありがとう、ジェフレディース