とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

伯仲した好ゲーム。マリノスの強さは本物。ツキも味方して開幕4連勝。

 開幕3連勝と好スタートを切ったマリノス。だが相手はベルマーレなど下位チームが多く、攻撃はマルキーニョスなどの個人技頼みではないかと疑っていた。だが今シーズンの強さは本物。好調のFC東京も下し、開幕4連勝。ナビスコも入れれば6連勝となった。
 このゲームではマルキーニョスが出場停止。代わりにジェフから移籍した藤田がCFに入り、右SHには大卒ルーキー佐藤が入った。まず序盤、目に着いたのはマリノスのプレス。守備のバランスがいいのか、あっという間にFC東京のボールホルダーを囲んでいく。パスの出し処がなくなったFC東京は、9分、11分とCH高橋がミドルシュート
 だがFC東京のプレスも厳しい。お互い中盤の競り合いからなかなか前に進めず、シュートが少ない展開。だが、俊輔頼みのマリノスに比べ、FC東京はFW渡辺が好調。初先発の李もよく動いて、前線の突破力ではFC東京の方が上回る。13分、カウンターから李がドリブルで持ち上がり、最後は渡辺がシュート。マリノスは俊輔のスルーパスに、藤田や左SH兵藤が盛んにDFの裏を狙って飛び出していく。
 一進一退の好ゲームが続く中、27分、CH長谷川アーリアジャスールからの縦パスを受けた左SHルーカスが中へドリブル。長谷川が上がると左に展開。そこに左SB太田が駆け上がりダイレクトでクロスを入れる。CB栗原が背を伸ばして頭に触るが、コースが変わっても李が落ち着いて合わせてボレーシュート。これが見事に決まり、FC東京が先制した。いかにも李らしい、日本復帰を自ら祝う美しいファインボレーだった。
 マリノスは藤田の抜け出しもFC東京DF陣がしっかりケア。仕方なく33分俊輔がミドルシュート。37分には富澤がミドルシュートを放つが、いずれもGK権田が好セーブを見せてゴールを守った。逆にFC東京は42分、ルーカスを起点に太田のクロスのこぼれ球を李がコースを狙ったヘディングシュート。だが、GK榎本もファインセーブ。ゴールを許さない。前半はFC東京の1点リードで終えた。
 マリノスは後半最初から佐藤に代えて右SHに端戸を投入。これで右からの突破も出てきて攻撃に厚みが加わる。FC東京も13分、右SH東を起点に渡辺の落としを高橋がクロス。東が走り込むが、GK榎本が抑える。このゲーム、右SHに入って存在感が薄かった東がようやく中に入ってゲームに参加した。
 すると15分、PA前左からのFKを俊輔が蹴ると、壁に当たってコースが変わり、ネットに吸い込まれる。マリノス同点。ラッキーとも言えるが、壁の端にいた東が思わずよけてできた隙間を東に当たったボールが抜けたもので、悔やまれる失点と言える。
 これでゲームが動いた。22分には端戸のクロスに兵藤が飛び込みヘディングシュート。そして23分、右SB天野のスローインを端戸が受けて、キープから天野が抜け出し、クロスに藤田がヘディングシュート。ついにマリノスが勝ち越した。CB森重が吊り出され、CB加賀とSB徳永の間にうまく入り込まれた。
 FC東京は25分、李を米本に交代。東をトップ下に入れて反撃のスイッチを入れる。すると27分、渡辺のスルーパスに東が走り込み、落としのパスをルーカスがシュート。だがポストにはね返される。そして37分、マリノスミスパスを拾った長谷川がドリブルで前に運び、東のクロスに渡辺がシュート。しっかりと同点に追い付く。さすがFC東京。東がトップ下に入ると攻撃に変化が現れる。決定力では李もいいが、東はトップ下の方が輝いている。
 これで終了かと思ったが、マリノスは強い。終了間際の45分、FC東京PA前まで攻め込むと、兵藤のスルーパスに藤田が抜け出しシュート。土壇場で突き放す勝ち越しゴールを決めてマリノスが勝利した。オフサイドぎりぎりだったが、あそこはきちんとケアしておかなくては。FC東京にとっては、いいゲームをしながら惜しまれる2失点で課題の残るゲームとなった。
 一方、マリノスの強さは本物。特に今シーズンは守備のバランスがいい。その中で俊輔が中盤を広く遊弋、落ち着いてボールを持ってはスルーパスを出している。他の選手のプレスがいいだけに俊輔を捉えるのは大変。この好調さはしばらく続きそうだ。