とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

EAFF E-1サッカー選手権(女子) 日本対北朝鮮

 完敗でした。日本はこれまで守備面で不安定だった両SBを右SB高木、左SB宇津木に代えて、中盤より前は左SHに籾木を入れた他は前の中国戦と同じ先発。しっかり守りつつ、ゴールを狙う。そんな意図がはっきり見える先発陣だった。しかし序盤から北朝鮮の圧力が強い。5分、FWキムユンミが左サイドから仕掛けてシュートを狙う。GK池田がキャッチしたが、序盤は押される展開で始まった。

 しかし7分、右SH櫨がミドルシュートを放つと、日本もパスを回して次第にペースを掴んでいく。21分には左SH籾木の縦パスをFW岩渕が落とし、右SH櫨が左に展開。左SB宇津木のクロスにFW岩渕がヘディングシュート。しかしこれはオフサイドを取られた。23分にもCH隅田の縦パスを受けたFW田中が反転してシュート。惜しくもポスト右に外れたが、日本も積極的に攻めていった。何より全体的に集中力が高く、攻守の切り替えも早い。

 しかし27分、CBキムウナのフィードにCB鮫島とGK池田の連携が悪く、間をFWキムユンミに入られあわやという場面を作られると、31分には右SHリヒャンシムのクロスにFWソンヒャンシムがヘディングシュート。39分にも右SHリヒャンシムが積極的にミドルシュートを放つなど、北朝鮮の積極的な攻めの姿勢に後手に回るシーンも増えてきた。日本も42分、右SB高木のフィードにCH阪口が走り込み、落としからFW田中がシュートを狙うが、北朝鮮DFの寄せが速くシュートが打てず。前半はスコアレスで折り返した。

 後半4分、CH隅田がミドルシュート。後半序盤は日本が高い集中力から積極的に攻めていった。しかしなかなかシュートまでは至らない。すると16分、CHキムウンファのCKからFWキムユンミがヘディングシュート。GK池田がナイスセーブ。なかなか決定的なチャンスが作れない日本は17分、FW岩渕に代えて左SH中島を投入。籾木をFWに上げる。しかし20分、カウンターで右SHリヒャンシムが前にボールを運ぶと、右に流して、FWソンヒャンシムがクロス。CHキムウンファのシュートは空振りに終わるが、こぼれたボールをFWキムユンミが見事なミドルシュート。ゴール右に決まり、北朝鮮が先制点を挙げた。

 必死に反撃する日本だが、運動量を惜しまず、寄せの早い北朝鮮に攻めあぐねる状況が続く。そして37分、左SHキムピョンファが右SB高木の裏を取り、駆け上がると、クロスに右SHリヒャンシムがシュート。北朝鮮が追加点を挙げた。これも右サイドを突破され、中の守備が整わない中でのカウンター。北朝鮮の攻撃には一瞬の集中力と強さを感じる。日本は直後、右SB高木に代えてFW菅澤を投入。3バックにしてFWの枚数を増やす3-4-3。超攻撃的な布陣でゴールを狙う。

 しかし39分には左SHキムピョンファのミドルシュートがバーを叩く。この積極性が日本には足りない。40分、FW田中の落としからFW菅澤がミドルシュートを放つが、GKキムミョンスンがキャッチ。43分、CH隅田のFKからCH阪口がヘディングシュートするも、枠の外。445分には左SH中島のクロスをCH阪口が落とし、右SH櫨がミドルシュートを放つが、バーの上を越える。結局このまま2-0。日本は北朝鮮に完敗だった。

 日本も高倉監督になって一番の攻めの厚さ、守備の集中力を見せたゲームだったが、北朝鮮のがむしゃらさが上回った。パスを回しても北朝鮮の身体を張った強い守備を破れず、逆にカウンターで1失点。結局このゲームも2点目は右サイドを破られており、SBをどうするか、またカウンターへの対応が課題。しかし守備力を高めた結果、SBの攻撃参加が少なかったのも事実。球際の強さなど、逆に課題もよく見えた。幸い北朝鮮はW杯予選を兼ねるアジア杯は予選で敗退している。厳しいグループに入ったが、上位5チームであれば突破できないことはない。さらに精度を高め、熟成を重ね、アジア杯に臨んでほしい。復活はもう少しのところまで来ている。