とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

EAFF E-1サッカー選手権(男子) 日本対韓国

 女子は北朝鮮に完敗だった。そして男子もまた女子以上の惨敗。やはり海外組と国内組の差はこれほど大きいのか。W杯メンバー選考への最終アピールの場のはずが、反アピールになってしまった。結局、W杯で使えそうなのは、井手口、川又、中村位か。それにしてもお寒い限りだ。先発は左SB車屋、右IH井手口。その他は第2戦と同じで、布陣は4-1-4-1。一方、韓国は4-4-2。イグノやキムミヌなど懐かしい名前が先発に連なっている。彼らはW杯出場を必死に掴み取ろうとしていた。その気持ちが日韓の最大の違い。それが結果に現れたのかもしれない。

 開始1分、左SB車屋のクロスにCF小林がヘディングシュート。立ち上がりは日本が攻めていった。そして3分、左SH土居の落としから右SH伊東が仕掛け、PA内でCBチャンヒョンスに倒される。PK。これをCF小林が落ち着いて決めて、日本が幸先よく先制点を挙げた。しかしこれで勘違いしたか、その後の87分は全く韓国のものになった。7分、CHチョンウヨンのパスを右SHイジェソンがダイレクトで斜め前。FWキムシヌクがシュートを放つ。11分、チュセジョンのFKにFWキムシヌクがニアに走り込み、ヘディングシュート。GK中村航輔がナイスセーブ。12分、左SHキムミヌがヘディングで前につなぐと、FWキムシヌクもヘディングに競り勝って、右SHイジェソンがシュート。

 そして13分、左SBキムジンスのクロスにFWキムシヌクが強烈なヘディングシュートをネットに突き刺し、韓国が同点に追い付いた。すると韓国はここで力を緩めることなく、さらに勢いを増していく。19分、右SHイジェソンの縦パスに、右サイドに回っていたSBキムジンスがクロス。FWキムシヌクのシュートはGK中村がセーブした。そして23分、PAの少し前で左SB車屋が足裏タックル。FKを献上する。これをCHチョンウヨンが無回転シュートを直接決めて、韓国が逆転に成功した。

 さらに攻め続ける韓国。31分、左SBキムジンスのクロスに走り込んだFWキムシヌクが落として、FWイグノがヒールシュート。34分、左SBキムジンスのクロスにFWキムシヌクがヘディングシュート。日本は植田の入った右サイドがスカスカ。左SBキムジンスと左SHキムミヌに好きなように使われる。そして35分、右SHイジェソンが斜めにドリブルして左に流すと、フリーのFWキムシヌクがシュート。3点目を挙げた。日本は44分、CB昌子のフィードに右SH伊東がヘディングシュート。しかしGKチョヒョンウがキャッチ。日本は開始3分と前半44分までの間、シュートを打つことすらできなかった。

 後半に入っても日本はパスミスを繰り返す。右SB植田と右SH伊東が全く噛み合わず、逆に伊東の良さを消している。またアンカー今野のサイドもカバーできず、自由に使われる。8分、CHチュセジョンのフィードをFWキムシヌクがヘディングで落とし、左SHキムミヌがミドルシュート。GK中村航輔がファインセーブで弾き出す。16分には右SHイジェソンのヘディングからFWイグノがシュート。さらに19分、CHチョンウヨンがミドルシュート。20分、左SBキムジンスの縦パスに走り込んだ左SHキムミヌがシュートを放つ。

 日本はようやく21分、井手口に代えてCH三竿を投入。韓国も23分、FWイグノに代えてキムギフン。すると直後の24分、キムギフンが直接FKを決める。ニアに走り込んだ小林がクリアできず。韓国4点目。日本は25分、右SH伊東に代えてFW川又を投入し、倉田を右SHに回す4-4-2の布陣に変更。これで多少は前で収まるようになったか。少なくとも競り合うようにはなった。35分、左SH土居の縦パスに走り込んだ左SB車屋のクロスにFW小林がシュート。しかしDFがブロックする。

 36分には右SH倉田に代えて阿部を投入。これで多少は右サイドが使えるようになった。39分、右SB植田の縦パスに走り込んだ右SH阿部のクロスにFW川又がヘディングシュート。しかしGKチョヒョンウがファインセーブ。どうしてもゴールが遠い。アディショナルタイム48分にもFW小林のフリックをFW川又が胸トラップからボレーシュートを放ったが、GKチョヒョンウがセーブ。そしてタイムアップ。4-1。日本が完敗。EAFF E-1選手権は韓国が優勝を飾った。

 それにしてもここまで韓国に惨敗する日本は久しぶりに見た。植田の右SB起用が最大のミス采配。ベンチには室屋の顔も見えたが、まだケガは癒えなかったのだろうか。こうしてみると改めてSBの人材不足が深刻だ。長友、酒井宏樹酒井高徳に続く選手がいない。ここは内田の復帰に期待するしかないのか。槙野を左SBで起用すれば、CBは昌子? これもまた不安だ。国内組の熾烈なアピールを期待したが、結局大した発見もないまま、EAFF E-1選手権は終了。寂しい大会となった。