代表ウィークを経て、リーグ戦後半が始まった。折り返し後、最初の相手はヴィッセル。ヴィッセルもシーズン序盤はACLとの連戦もあって勝ち星が上がらなかったが、次第に順位を上げ、現在は6位。独走するアントラーズとの差は大きいが、3位サンガとの勝ち点差はわずか3ポイントに迫る。対するグランパスも5月に入って以降は負けなし。中断前はレッズ、アルビレックスに連勝し、順位も14位まで上げてきた。
ヴィッセルの布陣は4-3-3。佐々木をトップに、右FWパトリッキ、左FW広瀬。中盤は、扇原をアンカーに、右IH井手口、左IHに宮代。DFは、右SB酒井宏樹、左SBにはアントラーズから移籍したばかりの永戸が先発で入り、CBは山川とトゥーレル。GKは前川。一方、グランパスはいつもの3-4-3。山岸と和泉がトップに入り、トップ下に菊地が構える。ダブルボランチは椎橋と稲垣で組み、WBは右に内田、左に中山。CBは、右から原、三國、佐藤。GKはピサノ。
序盤、ヴィッセルがロングボールからのカウンターで攻めていく。2分、DFからのロングボールから、CF佐々木のスルーパスに右FWパトリックが抜け出し、CB佐藤が対応。FKを献上する。すると4分、左SB永戸のFKは壁に当たるが、はね返りをCB山川がミドルシュート。左に外れる。7分には、CH扇原のCKにCB山川がヘディングシュート。DFに当たり、枠を外す。
グランパスも16分、OH菊地のパスから、FW和泉が反転シュートを放つと、18分には左WB中山のクロスのクリアを右CB原がボレーシュート。だが、ヴィッセルの厳しい守備の前に、グランパスはなかなか決定機を作れない。ヴィッセルは20分、CF佐々木のクロスに、右FWパトリッキがヘディングシュート。23分にも、DFからのフィードをCF佐々木が落とし、右FWパトリッキが持ち込むが、何とかCB佐藤が対応した。ヴィッセルは、CF佐々木とパトリッキが強く、三國と佐藤で対応するが、起点を作られ、なかなか押し返せない。31分には、CH扇原のクロスにCF佐々木がヘディングシュート。しかしこれはGKピサノがキャッチした。
41分、グランパスは左WB中山のクロスから、FW山岸が右に流し、FW和泉がシュート。しかしポスト左に外す。そして44分、ヴィッセルは、右サイドから攻め込むと、混戦の中から右IH井手口が縦パス。右FWパトリッキが抜け出し、クロスを入れると、CH稲垣が足を伸ばして触ったボールが走り込んだ右WB内田に当たって、そのままゴールに飛び込む。オウンゴールでヴィッセルに先制点を献上してしまう。不運な失点。さらに前半終了間際の45+2分、左SB永戸のCKがファーのこぼれると、左IH宮代がシュート。ヴィッセルが追加点を上げ、2点リードで前半を折り返した。
すると後半立ち上がり、グランパスは、内田に代えてFWに森島。和泉を左WBに下げ、中山を右WBに回す。しかし後半もヴィッセルが攻勢。3分、左IH宮代が高い位置でボールをキープすると、落としを左SB永戸がクロス。CBトゥーレルがヘディングシュート。6分には、左FW広瀬のCKからCB山川がヘディングシュート。セカンドボールをことごとくヴィッセルに回収され、押し込まれる展開が続く。8分には、右FWパトリッキがドリブルからミドルシュート。これはGKピサノがナイスセーブ。さらに10分、CB山川のフィードを左IH宮代がヘディングで落とし、CF佐々木がボレーシュート。わずかにポスト左に外れた。
しかしこの攻勢に耐えると12分、FW森島から左サイドへ大きくサイドチェンジ。OH菊地が受けて、中へ戻すと、走り込んだ右CB原がミドルシュート。これがGK前川の手の先を通り、ネットを揺らす。グランパスが1点を返した。13分には再び同じような展開。FW森島からのサイドチェンジを今度は左WB和泉が受けて、戻しをCH椎橋がミドルシュート。しかしこれはGK前川がセーブする。18分には、OH菊地のFKから、CB佐藤がヘディングシュートを放つが、GK前川がキャッチ。
すると26分、グランパスは菊池と和泉に代えて、FWマテウスと左WB徳元を投入。森島がトップ下に入る。一方、ヴィッセルも、広瀬とパトリッキに代えて、左FW汰木と右FWエリキを投入する。30分、GKピサノからCB三國へのパスが弱いところを狙われ、右FWエリキがボールを奪い、クロスに左IH宮代がシュート。まだ負けているのに、やや集中力に欠けたプレーはいただけない。
34分には、椎橋を下げて、FW浅野。森島をボランチに下げる。35分、37分と、FWマテウスが遠目からミドルシュートを放つが、枠は捉えられない。さらに39分には、FWマテウスからのクロスをGK前川が胸に当てて弾くと、CH稲垣がシュート。だが、CH扇原がブロックし、バーを叩く。ヴィッセルは41分、永戸に代えて、左SB鍬先。さらに45+1分には、宮代を下げて、右CBに岩波を投入。エリキをトップに残す5-4-1の布陣で守りを固める。そしてタイムアップ。2-1。ヴィッセルが前半の2ゴールを守って勝利した。
やはりヴィッセルは簡単ではない。後半序盤はかなり攻め込まれる展開もあったが、その後は集中した守りで何とか守り切り、反撃をしたが、前半の2失点は痛かった。これで順位は15位に落としたが、まだまだ後半戦は始まったばかり。次はホームに戻ってエスパルス戦。5月以降の負けなしは、第14節エスパルス戦の3-0での勝利から始まった。再び勝利して、また連勝を重ねていきたい。押されてはいたけれど、選手たちの気持ちは感じることのできるいいゲームだった。そのままの戦う気持ちでエスパルス戦も向かっていきたい。次は勝利を期待する。