とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

J1リーグ第24節 ヴィッセル神戸vs.名古屋グランパス

 前節、相馬の活躍もあり、8試合ぶりの勝利を挙げたグランパス。しかし今節の相手は3位ヴィッセル。前節は最下位コンサドーレに引き分けたとは言え、その前は3連勝。しかし、首位ゼルビアとは勝ち点差8に開き、絶対に負けられない状況でもある。正直、勝てるとは思っていないが、前節の勝利を糧に、いい内容のゲームをしてくれればと思っていた。

 ヴィッセルの布陣は4-3-3。大迫をトップに、右WGに武藤、左WGパトリッキ。中盤は扇原をアンカーに、右IH井手口、左IH佐々木。広瀬と初瀬のSBに、CBは山川とトゥーレル。GKは前川。山口蛍は負傷でもあったか、スタジアムで見守る。対するグランパスはいつもの3-4-3。パトリックをトップに、シャドーに森島と山岸。椎橋と稲垣のダブルボランチに、WBは右に野上、左に中山。CBは右から内田、三國、河面。GKはランゲラック。あれ、相馬がベンチにもいない。永井もいない。勝てる可能性がまた低くなったと思った。

 案の定、序盤、ヴィッセルが積極的に攻めてくる。2分、左SB初瀬のCKのクリアを左IH佐々木がシュート。5分には右SB広瀬のクロスにCF大迫がヘディングシュートを放つ。しかしグランパスもすぐに攻め返す。8分、左WB中山からの縦パスをCFパトリックが落とすと、左FW山岸がミドルシュート。10分には右FW森島が直接FKを狙う。

 このゲームでのグランパスは、前線の3人が積極的に前からプレスをかけていく。そして22分、CH椎橋からのフィードをGK前川が収め、左SB初瀬にパス。右FW森島のプレスに初瀬が中に折り返すと、CBトゥーレルのトラップが流れる。それをCFパトリックが奪って、GK前川が開けた無人のゴールに流し込んだ。ゴール。グランパスが先制点を挙げた。

 しかし、ミスを取り戻そうと、その後はヴィッセルが積極的に攻めてくる。28分、左SB初瀬のロングスローのクリアを右SB広瀬がミドルシュート。31分、CF大迫がキープして、スルーパスに左WGパトリッキが走り込むと、クロスのこぼれを右WG武藤がシュート。わずかにバーの上。そして33分、GK前川のフィードを右WG武藤が収めると、左に展開し、左WBパトリッキのクロスに左IH佐々木がヘディングシュート。ヴィッセルが同点に追い付いた。グランパスも44分、CH稲垣から椎橋、さらに左FW山岸とつないで、左WB中山がシュートを放つが、DFがブロック。前半はこのまま1-1の同点のまま折り返した。

 後半に入っても球際に強く戦うヴィッセルに対して、グランパスも3トップが高い位置からのプレスを続け、よく戦う。ただし、左WB中山についてはもう少し自信を積極性がほしいかな。やはり相馬と比較せざるを得ない。それでも4分、右FW森島のFKに左FW山岸がヘディングシュート。そして9分、FW森島が左サイドからデザインされたCKを送ると、CH稲垣がダイレクトでスーパーボレーシュート。これが決まる。グランパスヴィッセル相手に勝ち越した。

 しかしその後はヴィッセルの猛攻が続く。集中して守るグランパスだが、ヴィッセルは22分、パトリッキに代えて右SBに菊池を投入。広瀬を左WGに上げた。24分には左SB初瀬のロングスローのクリアをCH扇原がボレーシュート。だがこれはDFがブロックした。その後もサイドからのクロスにロングスロー、さらに早めのロングパスでグランパスを攻め立てるヴィッセル。押し込まれるグランパスだが、前線3枚のFWはそれでも前からプレスをかけ続ける。

 32分、ヴィッセルは広瀬に代えて、右WGに飯野。武藤が左WGに回った。一方、グランパスも中山に代えて右WBに和泉。野上が左WBに回る。36分、縦パスを受けた左WG武藤が反転シュート。DFがブロック。攻め続けられるグランパスは40分、パトリックを下げて、CBハチャンレを投入。ハチャンレが中央に入り、三國が右CBに回る。FWは山岸がトップに入り、右FWに和泉、森島が左FW。内田が右WBに上がった。攻め立てるが、ゴールが遠いヴィッセルは44分、佐々木に代えて、左IH山内を投入。

 そして45分、左IH山内が仕掛けて、CB三國をかわし、シュート。入ったばかりの山内は90分戦ってきた選手とは動きが違った。これが決まり、土壇場でヴィッセルが同点に追い付いた。45+1分、グランパスは内田を下げて、右WB重廣。だが45+3分、右サイド深い位置からのFKをCB山川が蹴り込むと、右SB菊池がヘディングシュート。これが決まる。アディショナルタイムでの逆転劇。ヴィッセルが3点目を挙げた。

 しかしゲームはこれで終わらない。45+7分、グランパスのFKから右に流して、右FW和泉がサイドチェンジ気味にクロスを放り込むと、PA内でFW山岸がヘディング。そこに飛び出したGK前川のパンチングがそのまま山岸の顔を打ってしまう。倒れる山岸。主審はPKスポットを指した。山岸は何とか立ち上がると、PKを蹴るのはCH稲垣。45+10分、稲垣がゴール左サイドに気持ちの籠ったPKを突き刺し、同点。そしてタイムアップ。3-3。ゲームは結局ドローに終わった。

 グランパスは後半に勝ち越した1点を最後まで守り切るかと思ったが、必死さではヴィッセルの方が上。同点、さらに逆転までして、今度はヴィッセルが勝利かと思ったら、グランパスが魂の同点劇。壮絶なゲームだった。勝ち点3のところが勝ち点1になってしまったが、このドローはグランパスにとって大きい。一方、ヴィッセルにとっては痛い引き分けか。それでも終盤までのゲームを見れば勝ち点を1点でも確保できたのはよかったのではないか。

 いすれにせよこれでリーグは一時中断。オリンピック中に3週間の休みが入る。首位ゼルビアが敗戦して、ヴィッセルは少しだけ勝ち点が詰まった。連覇に向けて、準備を整える3週間になる。一方、グランパスも、前節の相馬の気迫が乗り移ったかのようなゲームだった。勝てなかったのは残念だが、気持ちを見せてくれたのはうれしい。この勢いを保ったまま、しっかり調整して、リーグ再開を迎えたい。まさか相馬の再移籍はないだろうな。それだけが心配なのだが・・・。

PS.

 相馬の移籍について心配って書いたら、なんと、今朝の新聞にゼルビアへの移籍が濃厚との記事が出ていた。一昨日の欠場に嫌な予感がしてたんだよな。長谷川監督は試合前のインタビューで「現在のベストメンバー」なんて言うし・・・。

 仕方ない。相馬も今のグランパスの現状に何か感じることがあったのだろう。見捨てられたチーム、そして選手たち。これはもう奮起するしかない。先日の稲垣らの気持ちのこもったプレーは、その表れだったのだろう。五輪が終わったら、違うチームとなって帰ってきてほしい。今のままではいけない。