とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

レッズ、レイソル戦は見違える出来。最後は魂の守りで今シーズン初勝利を挙げる。

 開幕戦のサンフレッチェ戦はペトロビッチ・サッカーの成熟度の差が出たゲームだった。レッズがまさかわずか2戦目でここまで修正してくるとは思わなかった。一つはトップにデスポトビッチを入れて、前線に収めることができるようになったこと。そして前節ではCBで起用した阿部をボランチに上げて、CBは永田を起用したのも大きい。阿部は常に危険なところに顔を出しては、芽を摘み取っていった。そしてGK加藤のスーパーセーブ。レッズはホーム初戦、魂の戦いで初勝利を挙げた。
 序盤からレッズがパスをつなぐサッカーを展開する。レイソルは高いプレスでミスを誘い、カウンターを仕掛けてくる。6分、田中のロングシュートはGK加藤の正面。9分、阿部から柏木のポストに原口のシュートもGK菅野の正面。そして10分、左SB橋本がパスカットすると、レアンドロのスルーパスリカルド・ロボが走り込み、クロス。だがGK加藤がキャッチ。直後、右SH平川の縦パスにデスポトビッチがDFをかわして持ち込み、クロスのクリアを原口。が、酒井がファールで止める。
 13分、鈴木のスルーパスに柏木が飛び出すが、DFが自由にさせない。そして15分、田中がロボとのワンツーで中央突破を図ると、左に振って、ジョルジュ・ワグネルのシュート。GK加藤がナイスセーブ。逆に20分、平川の大きなサイドチェンジから梅崎が落として、槙野がミドルシュート。久々にみるレッズのパス回しに槙野が気持ちよさそうに上がってくる。そして21分、阿部の縦パスを原口が受けてスルーパス。抜け出した柏木が胸トラップから反転してボレーシュートを放つが、枠を外す。
 31分には阿部のフィードから梅崎がつなぎ、槙野が原口とのワンツーで突破を図り、最後はクロス。だがこれがデスポトビッチと合わない。そして36分、鈴木啓太の縦パスを柏木がスルーすると、デスポトビッチが追いかける。ワグネルが先に追い付いて中にドリブルをしようとすると、デストポビッチが身体を寄せてボールを奪い、シュート。ついにレッズが先制点を挙げた。43分にはワグネルのFKもあったが、前半はレッズの1点リードで終了した。
 後半に入りレイソルが高いプレスから攻勢をかけてくる。7分、レアンドロのFKは壁に当たってバーを叩く。11分、田中がドリブルで上がり、レアンドロのスルーパスにそのまま走り込んでミドルシュート。GK加藤ファインセーブ。レッズも15分、平川から柏木がミドルシュートを放つが、GK菅野もこれ以上ゴールを許さない。18分にはレアンドロから田中がミドルシュート。これは枠を外れた。
 次第にゲームは緊迫感を帯びてくる。攻めるレイソル、守るレッズ。阿部の好守備が目立つ。25分、原口の落としから槙野がシュート。だがGK菅野がナイスセーブ。直後、レアンドロのクロスにロボが走り込むが、CB坪井がクリア。27分、酒井のサイドチェンジからワグネルのクロスに田中がヘディングシュート。これもGK加藤がスーパーセーブ。
 28分、ワグネルに代えて工藤。3トップにしてあくまでレイソルは攻める。29分、レアンドロミドルシュートにGK加藤がよく反応してセーブ。31分には動きの落ちた原口に代えて山田直輝投入。33分、田中がドリブルで前進、右に流しレアンドロのクロスにロボが飛び込むが、これもDFが競ってクリアする。34分、レイソルはロボに代えて北嶋投入。だがレッズが必死の守りでゴールを許さない。
 44分には濱田を梅崎に代えて投入。高い位置で濱田がボールに競り、レイソルの攻撃を遅らせる。ロスタイム5分。最後まで集中を切らさなかったレッズがこのまま1点を守り切り、レイソル相手に勝利を飾った。
 濱田の左SHでの起用がまさにペトロビッチ采配を物語る。デスポトビッチ、平川、柏木も最後まで走り回った。鈴木、永田はあまり目立つ場面はなかったが、全員で戦っていたことはよくわかった。そして何と言っても阿部。攻撃の点ではまだまだ物足りない部分もあるが、さっそく3-4-3で守り切ったことにレッズの進歩が見られる。これからさらに連携がよくなってくると、台風の目になるかもしれない。選手の強い気持ちが感じられた復活レッズの好ゲームだった。