とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

グランパス悔しい逆転負け。気持ちが空回りして自らバランスを崩していった。

 開幕戦をともに1-0で勝利したグランパスFC東京。だがその内容はかなり違ったようだ。攻撃力を爆発させながら、ゴールに嫌われたFC東京。シュートが少なく守り切ったグランパス。このゲームも藤本・中村を欠いたが、序盤からグランパスが攻め込んでいった。
 2分、田中のクロスを永井がヘッドでつなぎ、玉田がミドルシュート。4分、ケネディのクロスに玉田、吉村が飛び込む。6分にはダニルソンのクロスを闘莉王が落とし、永井がシュート。だがGK権田がナイスセーブ。12分、ダニルソンミドルシュート。14分、阿部が中にパス、金崎のヒールのスルーパスに永井が抜け出しシュート。
 FC東京は序盤こそグランパスの圧倒的な圧力の前にバタバタとしたが、グランパスの運動量が収まるにつれてFC東京も次第に立て直してきた。17分、長谷川から石川が右に流し、徳永のクロスに梶山がシュート。DFがブロック。23分、ルーカスがミドルシュート。29分には左SB太田のクロスに羽生が飛び込む。増川がクリア。
 お互い攻め合う展開の中、36分、中央でケネディポストプレー。DFと競り合った後でスルーパス。玉田が抜け出してドリブル。GKが飛び出すところをきれいにゴールに流し込む。グランパス先制。41分にも永井の見事な守備から吉村の縦パスをケネディが受けてスルーパス。金崎がシュートを放つが、GK権田がファインセーブした。
 前半で1点リードしてグランパスはゲームをこのまま閉じようという意識があったのではないか。後半序盤こそ運動量もあってFC東京を押し込んだが、点を取ろうという意識は少ない。すると14分、左SB大田がドリブルで前進、またぎフェイントで揺さぶり闘莉王を引き出すと中へパス、長谷川がつないで羽生がシュート。DFのはね返りを石川がシュートしてFC東京が同点に追いつく。
 するとここからFC東京の勢いが止まらない。18分、羽生のドリブルから梶山がシュートすると、直後にも長谷川から羽生がミドルシュートグランパスは19分、たまらず吉村に代えてダニエルを投入。ダニエルがCBに入り、闘莉王ボランチに上がる。しかしこれでグランパス中盤の連携と機動力は明らかに落ちた。
 そして22分、ショートCKから高橋のサイドチェンジをCB加賀がヘッドで戻し、長谷川がヘディングシュート。高いグランパスDF陣を左右に振って、FC東京の中では高さのある加賀と長谷川で逆転ゴールを決めた。
 グランパスも25分、闘莉王の縦パスをケネディが右に流し、金崎のクロスに永井がダイビング・ヘッド。グランパス後半初めてのシュートも惜しくも枠を外す。26分には田中隼磨に代えて石櫃を投入。石櫃の攻撃力に期待したのだろうが、攻撃でも守備面でもまだ周囲との連携が不十分。
 28分には増川のパスミスをルーカスに拾われ、梶山のスルーパスに石川が抜け出しシュート。FC東京が3点目を挙げて突き放す。ダニルソン闘莉王が攻撃に偏って、DFからのパスをうまく引き出せない。30分には運動量の落ちた金崎に代えて田口。ボランチに入れて、闘莉王をさらに前線へ。これで中盤は多少落ち着いたが、今度は前線でケネディ闘莉王がだぶって、攻撃が形にならない。
 グランパスの反撃はようやく42分。玉田のFKにケネディが飛び込み、触ったかどうか。ボールはバーに当たってはね返るが、これを永井がシュート。グランパス2点目。このゲーム、永井は攻守によく走りがんばったと思うが、永井を生かすパスがあまり出なかった。
 藤本がいないとケネディだけが攻撃の核。これに闘莉王がかぶって却って攻撃力を減退させていた印象。1点差に迫って焦るグランパスはロスタイム。ダニルソンが自ら倒した太田にすぐ立てと抱き起そうとしてルーカスとトラブル。レッドカード一発退場となってしまう。あそこは興奮させたルーカスにもイエローカードだと思うが、ルーカスの手玉に乗ってしまった。ストイコビッチ監督がやけに冷静だったことが面白いが、それがダニルソン闘莉王に乗り移っている。焦ってボールがつながらないグランパス。長いロスタイムも有効に使うことができず、このまま2-3で敗戦した。
 悔しい逆転負け。1点リードで守りに入り、同点に追いつかれて闘莉王を次第に前に出してはバランスを崩し、自ら負けていった印象が強い。もう少し落ち着いてチームを束ねられる選手が欲しかった。藤本と中村の欠場が響いたゲームだった。