とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

なでしこはそこそこ安定。でもアメリカは絶好調だな。GK山根は面白い。

 アルガルベ杯初戦、アメリカ戦を観た。日本は左SBに入った有吉とGK山根を除いては、五輪メンバー。このメンバーだとさすがになでしこは安定したプレーを見せてくれる。だがアメリカのメンバーが溌剌。ワンバックをベンチに置いて、いいプレーを見せていた。
 最近、グレーや縁取りだけの背番号が流行りかな。先のニュージーランドもそうだったが、アメリカ女子のユニフォームも背番号がよく見えない。それで選手名に間違いがあるかもしれないが、まずは2分、右サイドをロイドがドリブルで抜け出し、クロスにFWルルーがシュート。ゴール前に入った味方CHラピノーに当たってはね返ったボールをロイドがシュート。開始早々日本の守備を切り裂いていく。11分にもCHから右に大きくサイドチェンジ。右SHからのクロスをFWプレスがシュートを放つ。GK山根がナイスセーブ。日本は左SB有吉の入った左サイドを再三抜かれる。
 なでしこの初シュートは12分、CH阪口がミドルシュート。16分にはCKに阪口がヘディングシュートを合わせるが枠に飛ばない。18分にも宮間が少し長い距離のFKを直接ミドルシュートを狙う。長い距離でも積極的にシュートを放っていくのは、佐々木監督からの指示だろうか。風上だったこともあるかな。
 アメリカは22分、右SHオライリーが左SB有吉を抜いて、切れ込んでクロス。28分にも左SHオライリーの縦パスにFWルルーが走り込み、CB岩清水を抜いてシュートを放つ。日本もよくプレスをかけてアメリカのパスを中断するが、攻撃はなかなかパスがつながらない。30分過ぎにはラピノーとオライリーの両SHがポジションチェンジ。何度もサイドを突破してはアメリカが押し込んでくる。日本は39分、左SB有吉に代えて上尾野辺を投入。これでキープ力が生まれ少し落ち着いたが、前半は互角から後半押される展開のまま、スコアレスで終えた。
 後半4分、右SHオライリーアーリークロスにFWプレスがシュート。GK山根がナイスセーブで弾き出す。CKにはFWルルーがヘディングシュート。後半に入ってもアメリカの攻勢は変わらない。8分、CH阪口がミドルシュート。10分にはCF大儀見のスルーパスにOH大野が抜け出すが、オフサイドの判定。大野はキープ力もあり、飛び出す動きもでき、海外移籍しても相変わらずの好調さを示している。またCH澤もいつものプレー。危ないシーンでは必ず澤が入っていく。一方、心配なのが右SB近賀。左SB有吉は前半のうちに交代させられたが、右SB近賀も不安定なプレーが目立つ。何よりいつものゴール前まで入っていく攻撃力がほとんど見られない。
 13分、右サイドからのフィードにFWルルーが走り込み、クロスにFWプレスがシュート。そしてゴールキックからGK山根がCB熊谷とパス交換。しかしバックパスをFWルルーに狙われる。GK山根のキックにルルーが詰めて、ボールはゴールに転がり込む。アメリカが先制。GK山根、痛恨のミス。
 その後、日本は右SH川淵に代えて岩渕、24分にはCH阪口に代えて左SH木龍を投入するが、なかなか攻撃シーンが訪れない。風下で自軍ピッチに押し込まれ、もっぱら守備に奔走する。26分、FWプレスのスルーパスにFWルルーが抜け出しシュート。GK山根がファインセーブ。27分、CKからFWプレスがミドルシュート。28分にはFWルルーのミドルシュートがポストを叩く。33分にもCHラピノーがミドルシュート。アメリカは中盤でパスがよくつながり、日本がボールを奪っても、すぐに囲んで奪い返す。前方へのパスは必ずアメリカの選手がカットする。
 それでも32分、CF大儀見に代えて高瀬、CH澤に代えて宇津木を投入すると。ようやく日本が少し押し返していく。そして37分、ゴールから遠い位置で得たFKを宮間が蹴ると、無回転のシュートはそのままゴールに向い、GKソロが横っ跳びで伸ばした手を弾いてゴールに吸い込まれた。なでしこ同点に追い付く。
 44分、FWルルーが上尾野辺を抜いてゴールに迫る。日本も45分、岩渕のクロスにCH宇津木が走り込んでシュートを放つが、枠には決まらない。ゲームはこのまま終了し、1-1の同点で終わった。
 慣れたメンバーで臨んだなでしこは比較的安定したプレーを見せていたが、アメリカの速さと運動量がすばらしい。風上に立った後半は面白いようにパスを回して何度も日本ゴールに迫った。だが長身187cmのGK山根が立ちはだかる。これまで日本のGKは海堀か福元がレギュラーだったが、山根の高さは魅力的。このゲームではミスで1点を献上したが、それ以外は安定したプレーを見せており、このゲーム最大の収穫はGK山根だった。一つずつ積み重ねて、なでしこの強さを取り戻していってほしい。