とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

W杯イタリア対ウルグアイ戦を観る。スアレスはよっぽどイライラしてたんだろうな。でもこれじゃ噛みつき損。

 NHK-BSで深夜、W杯ブラジル大会の好ゲームを再放送している。見逃したゲームも放送するので、時々録画しては観ることにした。まずはグループD、イタリア対ウルグアイ。両チームここまで1勝1敗で、イタリアの方が得失点差で上回る。勝った方が決勝トーナメントへ進出。イタリアは引分けでも勝ち抜ける。それがマルキージオ退場後、悪い方へ出た気がする。
 前半はとにかく激しい当たり、タックル。気持ちが入った激しいプレーの応酬だ。12分、CHピルロのFKは長い距離を飛んで直接ゴールマウスへ。GKムスレラがセーブする。ウルグアイはCBゴディンを中心に機動力のあるカセレスヒメネスの3バック。イタリアのCFバロテッリを徹底マークする。23分にはバロテッリが高いジャンプで左WBアルバロ・ペレイラを倒し、イエローカードをもらう。思えばこれもゲームの伏線かも。
 バロテッリにボールが入らないイタリアは遠目からミドルシュートを放つ。27分には中盤まで下がったCFバロテッリがロングシュート。29分、CHピルロが左に流し、左WBデシーリョのクロスにFWインモービレがボレーシュート。だがうまく当たらない。ウルグアイも33分、CHロドリゲスの縦パスを受けたFWスアレスがOHロデイロとのワンツーで抜け出しシュートを放つが、GKブッフォンがセーブ。前半はお互いいいところを消しあうプレーで、サッカーを殺し合った。
 後半に入り、頭から、イタリアはバロテッリに代えてCHパローロ、ベッラッティがOHに上がる。前線で徹底マークされるバロテッリの2枚目のイエローを恐れつつ、少し離れたところでの展開から攻めるとともに、やや守備を固める意識もあったのではないか。ウルグアイロデイロに代えて右WBマキシミリアーノ・ペレイラを投入する。ウルグアイは両WBから全体的に押し上げるイメージか。後半も両者激しい当たりの応酬が続く。
 13分、CHロドリゲスがCFスアレスポストプレーを挟んでドリブルで前進、シュートを放つ。そして14分、イタリアのCHマルキージオが中盤での攻防の中、主審の目の前で足裏を見せてCHアレバロの脛を蹴りつける。一発退場レッドカード。厳しすぎるとは思うが、主審の目の前だったことが不幸だった。これでイタリアは完全に引き分け狙いにシフト。ウルグアイは18分、左WBアルバロ・ペレイラに代えてFWストゥアーニを投入。ウルグアイが押し込む展開が続く。
 21分、CHアレバロの縦パスをCFスアレスが落とし、FWカバーニがシュート。DFに当たりこぼれたボールをスアレスが持ち込んでシュート。だがGKブッフォンがファインセーブ。ゴールが遠い。26分、イタリアはFWインモービレに代えてカッサーノ、さらに30分、ベッラッティに代えてモッタを投入する。一方ウルグアイは33分、ロドリゲスに代えてガストン・ラミレス。ラミレスが左WBに入った。
 そして34分、事件は起こった。中盤でのパスの攻防の中、イタリアゴール前でCBキエッリーニスアレスが突然倒れる。審判は何が起こったか見ていなかったようだが、ビデオにはばっちり。スアレスが突然キエッリーニの左腕に噛みついていく。その後、自ら口を押さえて痛がる場面が滑稽だが、スアレス得意の噛み付き攻撃。こいつはスッポンか。よっぽどイライラしていたんだろう。だがこの時はおとがめなしでそのままゲームは進行する。
 そして36分、ラミレスの蹴ったCKにゴール前で両チームの選手が激しく競り合う中、ボールはCBゴディンの肩に当たってゴールに飛び込む。ついにウルグアイが先制した。ウルグアイの勝利への執念にサッカーの神様もようやく味方をしたという感じ。その後はピルロのFKなどもあったが、そのままウルグアイが1点を守り切って勝利。逆転で決勝トーナメント進出を決めた。
 それにしても面白い。いや、スアレスの噛み付き事件がなければお互い守り合う退屈なゲームだったかもしれないが、それでもお互いの執念がぶつかり合う好ゲームだった。暑さの中のゲームだが、やっぱりJリーグよりも気持ちが入っているなあ。W杯の再放送、これからも楽しみにしよう。