澤の引退発表で皇后杯も突然、レオネッサ対エルフェンのゲームが注目を集めたが、残念ながらNHK-BSではそのゲームの中継はなし。準々決勝の中では随一の好ゲーム、ベガルタレディース対レッズレディースを観戦した。レッズは若手も充実してリーグ優勝した昨季と変わらないメンバーながら、今季はリーグ6位。エキサイティングシリーズで絶不調に陥った。対するベガルタはCH川村を中心にメンバーも充実。これまでで最高のシーズンを送っている。序盤はレッズ主導でゲームが進んでいった。
2分、CH岸川がミドルシュート。さらにFW吉良がCB山本からボールを奪いシュートを放つ。12分には中盤でCH岸川がうまくCH川村を背負いターン。縦パスを受けたCH猶本がドリブルで抜け出しシュートを放つが、足を滑らせ枠を大きく外す。19分の猶本のFKもGKキャメロンのナイスセーブに防がれた。さらに23分、CH猶本がミドルシュート。CH川村がブロック。23分、右SB乗松の突破からクロスを左SH長野がシュート。しかし枠を捉えられない。27分、右SB乗松の縦パスを右SH柴田が落とし、CH猶本がミドルシュート。レッズは右サイドから積極的に攻めていくが、CH川村を中心とした守りを崩すことができない。
すると次第にベガルタ・ペースとなってくる。28分、左SB万屋がドリブルで中に切れ込み、縦パスをFW井上が落としてFW有町がミドルシュート。29分、CH田原のスルーパスにCH川村が走り込み、切り返しからミドルシュート。そして30分、左SH中野のCKにニアに走り込んだFW井上がスルーして、CH川村がミドルシュート。バーを叩く。さらに33分、中野のCKから右SB坂井がヘディングシュート。フリーだったが、枠を外す。37分にも中野のFKからCB千葉がヘディングシュートを放つが、これはGK池田がキャッチした。
序盤はレッズ、終盤はベガルタが攻勢をかけたが、前半はスコアレス。ベガルタの左SB万屋は45分に膝を痛め、井出上に交代した。
後半も序盤はレッズが攻めていく。5分、右SB乗松の縦パスにFW吉良が走り込み、中に切れ込んでクロス。ファーサイドで待ち構えたCH猶本がGKやDFの上を超すループシュートを放つが、バーにはね返された。8分には右SB乗松のクロスに右SH柴田がシュート。しかしCH川村が立ちはだかる。シュートブロック。12分、CH岸川のミドルシュートもCH川村がブロック。こぼれ球をCH猶本がシュートするが、枠を外した。
するとゲームはまた次第にベガルタ・ペースとなってくる。20分、右にポジションチェンジしたSH中野のクロスにFW有町がヘディングシュート。GK池田がセーブ。22分、右SB坂井のクロスに左SH中野がヘディングシュートを放つが、サイドネットに突き刺さった。24分にはFW井上がドリブル突破からミドルシュート。26分、FW有町がポストプレーから落としたボールにCH田原が縦パス。FW井上がミドルシュートを放つが、わずかにバーの上を越えていく。
後半も終盤になってベガルタのプレスが早い。レッズは運動量が落ちて守備に追われる。31分、GKキャメロンからのフィードからFW有町がミドルシュート。39分、中野のCKからCH川村がヘディングシュート。44分にはFW井上がミドルシュートを放つが、GK池田が横っ飛びナイスセーブ。かろうじてセーブして、後半もスコアレスで終わった。
延長戦頭からレッズはCH岸川に代えて栗島を投入する。延長戦に入ってもベガルタが優勢。3分、中野のFKからCH川村がダイビングヘッド。しかしGK池田がセーブ。6分、右SB坂井のフィードからFW井上が抜け出す。ドリブルからシュートを放つが、枠を捉えられない。逆にレッズも13分、CKからCH猶本がミドルシュートを放つが、GKキャメロンにセーブされた。
延長後半に入り、ベガルタは右SH嘉数に代えてFW浜田を投入。井上を右SHに回す。7分、左SB井出上のゴール前へのクロスにFW浜田がシュート。さらにCH川村が押し込み、GK池田がブロックしたはね返りを浜田が押し込む。ゴール。かと思ったがオフサイドの判定。最初の浜田のシュートの時点で川村がオフサイドポジションにいたか。残念。レッズも8分、左SH長野のクロスにFW吉良がシュートを放つが、GKキャメロンにセーブされた。そしてこのままタイムアップ。準決勝進出はPK戦に委ねられた。
そしてレッズの二人目、猶本が外し、5-4。最後はFW井上がしっかりと決めてベガルタが準決勝進出を決めた。いいゲームだった。レッズは再三のチャンスを逃したのが痛かったが、川村を中心に守備で粘り、縦に速い攻撃でリーグ2位に躍進した今季のベガルタの好調さを象徴するようなゲームだった。次はいよいよレオネッサ戦。リーグ戦では今季エキサイティングシリーズで勝利して1勝2敗。その勢いでレオネッサにぶつかってほしい。好ゲームを期待したい。
