とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

高校サッカー選手権 決勝 前橋育英対星稜

 ついに決勝戦がやってきた。昨年の雪辱を期す星稜対念願の決勝進出の勢いのまま初優勝を目指す前橋育英。星稜には河崎監督がケガで不在というハンデもある。それにしても一生懸命闘う選手に対していつもながらアナウンサーがうるさい。感動ドラマを盛り上げたいのはわかるが、ここぞという場面で盛り上げてくれればいい。ハーフタイムのテーマソングショーもいかがなものか。吹きっさらしの中、頬に伝わう涙を拭おうともせず歌う姿は感動的ではあったが・・・。
 かなりの強風が吹く中、序盤、星稜が攻め込んでいく。2分、左SB宮谷のクロスからFW大田がシュート。サイドネットを揺する。5分には左SH藤島がドリブルから中に切れ込んでいく。そして11分、前橋育英の左SB渡辺星夢のバックパスをFW大田が奪うと、GK吉田が足をかけて倒してしまう。このPKをCH前川が決めて、幸先よく星稜が先制点を挙げた。
 その後も星稜が積極的。20分には右SH杉原がライン際をドリブルで進み、思い切ったシュート。星稜は中盤の運動量多く、試合のペースをつかんでいく。一方の前橋育英は中盤を省略し長いボールでカウンター攻撃を仕掛ける。25分、CHからのフィードをDFが処理にもたついたところを左SH渡邊凌磨が奪い、シュート。26分には右SH坂元が斜めにドリブルをして落としたボールに左SH渡邊がミドルシュート前橋育英は渡邊凌磨の動きがいい。
 星稜はサイド攻撃。28分、FW森山のポストプレーから右SH杉原がドリブルで仕掛けてミドルシュート。29分には右SB原田のクロスをFW森山が落とし、CH前川がシュート。枠を外す。前橋育英も負けずに攻める。31分、右SH坂元がうまい切り返しからミドルシュート。GK阪口がナイスセーブ。32分、左SH渡邊が強烈なミドルシュート。またもGK阪口がナイスセーブ。34分、後方からのFKをDFとFWが競り合ったこぼれ球に左SH渡邊が胸トラップからボレーシュート。わずかに枠を外す。
 36分、前橋育英のFW青柳のドリブルに、CH平田がナイスタックル。45分には左SH藤島のスルーパスに大田が抜けてシュート。しかし枠に入らない。前半はお互い動きが多く、シュートシーンも多い面白いゲーム。1-0、星稜リードで終えた。
 後半に入っても前橋育英は長いパスにFWを走らせるサッカー。星稜はパスをつないでサイドから仕掛けていく。中盤の出足は星稜の方が上。6分、前橋育英は中盤深い位置からのFKをFW野口が落とし、CH鈴木徳真がシュート。そして8分、GK吉田からのフィードにDFが競って抜けたボールをFW野口がうまくDFを抑えて前を向きシュート。ついに前橋育英が同点に追いついた。
 すると直後の10分、今度は左SH渡邊凌磨が左サイドをドリブルで駆け上がり、切り返しからミドルシュート。これが見事に決まり、前橋育英が逆転した。星稜も負けてはいない。12分、左SH藤島のクロスにFW森山が飛び込む。が、DFがクリア。さらに右サイドにこぼれたボールに右SB原田がクロス。ゴール前を抜けたボールにCH前川がシュート。しかしGK吉田が抑えた。
 そして19分、右サイドからFW大田のクロスになぜに前にいた?右SB原田がヘディングシュート。星稜が同点に追いついた。その後は膠着状態。星稜が21分、左SH加藤を投入すれば、前橋育英はCH小泉、さらに31分、FW野口に代えて左SH横沢を投入する。26分、OH渡邊のミドルシュート。星稜も38分、右SH藤島がドリブルからシュート。40分には前川のCKがファーサイドに抜けて、CH平田の落としにFW大田がシュート。しかしGK吉田がわずかに触ってバーに逃れる。惜しい。後半終了間際には、右SH坂元のドリブルから切り返してのクロスにOH渡邊がシュート。アディショナルタイムにはCH鈴木徳真がミドルシュート。しかしGK阪口がキャッチ。最後まで走り続けた両チームだが、90分では決着がつかず、延長戦にもつれ込んだ。
 延長前半は前橋育英が積極的に仕掛けていく。特に左SH横沢が再三仕掛けてサイドを抜いていくが、星稜のDFも粘り強く対応する。そして5分、ゴール前でこぼれ球を拾ったFW森山が反転からシュート。これが決まり星稜がまたも逆転。リードされた前橋育英はロングボールを前線に入れて反撃。10分、FW青柳からの縦パスにOH渡邊がシュート。しかし枠を捉えられない。
 延長後半3分、渡邊のCKにFW青柳がヘディングシュート。しかし枠を外す。その後は星稜が押し込む展開。FW大田に代えて大倉を投入した星稜は、前線でボールをキープして時間を稼ぐ。そして10分、右サイドでキープしたところから中にこぼれたボールをFW森山がミドルシュート。これが決まりダメ押し点。4-2と突き放し、そのままタイムアップ。星稜が昨年の雪辱を果たし、念願の初優勝を飾った。
 さすがに決勝戦ともなると、高校サッカーといえども面白い。お互い最後まで運動量が落ちず、気持ちのこもったゲームを展開した。突貫小僧的な森山はその象徴。河崎監督もベッドの中で大喜びだろう。本田はどうかな? ちょうどパレスチナ戦の真っ最中。でも自分のゲーム以上に星稜の優勝を喜ぶコメントを言っている。本田らしい。星稜高校、本当におめでとう。