とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

女子東アジア杯 日本対北朝鮮

 宮間や岩清水など、国内組でもW杯で活躍した主力を外して選考した今回のなでしこジャパン。その初戦、北朝鮮はドーピング問題でW杯カナダ大会は出場停止となったものの今大会出場4ヶ国のうちでは日本に続く世界ランキング第8位。相当の強敵だが、その北朝鮮に対して日本の先発は京川を右SBに入れるなど、はっきり言ってやや舐めていたのではないか。少なくとも佐々木監督は今大会で優勝を狙ってはいない。若手選手たちのテストの場として捉えているようだ。
 それにしてもボランチに起用した上尾野辺が低い位置を取っては、日本の攻め手がほとんどない。3分、右SH増矢の仕掛けで得たFKを上尾野辺が蹴るが枠の外。8分、FW有町が仕掛けて、こぼれ球を左SH杉田がシュート。GKホンミョンヒがセーブ。10分には北朝鮮のCKから左SB高良がクリアしたボールを右SB京川が運び、高良、CH上尾野辺、左SH杉田、右SH増矢とつなぐが、そこで潰される。
 前半序盤は日本ペースでパスを回すが、肝心のところでミスが出てシュートまでいかない。20分にはCH上尾野辺のミスからFWラウンシムがドリブルで運び、CHキムウンジュがミドルシュート。22分にも左SH杉田のドリブルが止められると、右SHウィジョンシムがクロス。FWラウンシムのドリブルを後ろから追いかけた右SB京川がタックルでボールを弾きだすが、一緒にラウンシムを倒してファールの判定。PKを献上する。CHキムウンジュの蹴ったPKはGK山根がストップ。ナイスセーブ。しかしなかなか攻撃の形が作れない日本はその後、上尾野辺を左SHに上げて、杉田をCHに下げる。29分、CH川村のクロスにFW有町がヘディングシュート。しかし枠に入らない。
 すると36分、左SBユンソンミのFKを左SHリエギョンが押し込んで、北朝鮮が先制点を挙げた。日本はゲームメイクもダメ、体格でも北朝鮮に劣り、ミスを重ねる。それでも42分、右SH増矢がドリブルで中に切れ込むと、左SH上尾野辺がつなぎ、CH杉田が左に展開して左SB高良がクロス。FW有町がヘディングでコースを変えるもGKホンミョンヒがファインセーブ。どうしてもゴールが入らない。前半は1-0、北朝鮮リードで終えた。
 前半終了間際に上尾野辺を左SBにして、高良を左SHに上げたが、後半は高良を右SBに回して京川を左SHに上げる。このあたりの布陣の変更も佐々木監督がまだ試行錯誤している感じ。それでも4分、上尾野辺の左サイドからのFKに右SH増矢が落ち着いてトラップからシュート。日本が同点に追い付く。さらに7分には杉田のCKをGKホンミョンヒがパンチングで弾いたところをFW有町がミドルシュート。しかし枠を捉えられない。17分には京川に代えてOH横山を投入し、有町を左SHに回す。北朝鮮は15分、右SHウィジョンシムに代えてOHキムスギョンを投入。キムユンミを右SHに回す。
 すると20分、カウンターからキムユンミのスルーパスにFWラウンシムがCB高畑と競争になって抜き去ると、最後は横にパスを出して左SHリエギョンがシュート。北朝鮮が2点目を入れる。必死に反撃する日本は25分、左SB上尾野辺のクロスのクリアをCH杉田が見事なミドルシュート。ネットに突き刺して日本がまたも同点に追い付く。
 しかし攻撃は何とか個人技で追い付いても、守備の連携ができていない。北朝鮮の速さと運動量にDF陣が後手に回る。28分、日本のミスからOHキムスギョンが縦パス。右SHキムユンミのスルーパスにFWラウンシムがシュート。ここはGK山根がナイスセーブ。29分、CHキムウンジュのクロスに右SHキムユンミがヘディングで勝って、抜け出した左SHリエギョンがシュート。ネットを揺するが今度はオフサイド
 しかし34分、右SHキムユンミのクロスをOHキムスギョンが収めて、FWラウンシムが反転からシュート。ついに北朝鮮が勝ち越し点の3点目を入れる。振り回される日本の守備陣。36分には右SBキムウンヒャンのクロスにCB高畑がOHキムスギョンに競り負けると、右SHキムユンミが拾って、またもFWラウンシムがDFをかわしてシュート。ダメ押しの4点目を挙げた。
 日本は37分、CB高畑に代えてFW高瀬を投入し、川村をCBに下げる。最初からそうすればよかった。高畑、北原のCBではどちらもストッパータイプで慣れない京川のSBなどDFラインが統率できなかった。アディショナルタイムに左SH有町に代えてCH猶本を投入したが、ほとんどボールに触ることなくタイムアップ。4-2。北朝鮮の前に力負けしたゲームだった。
 しかしアディショナルタイムに出すくらいなら最初から猶本を先発させればよかった。上尾野辺のボランチが下がりすぎで全く機能せず。ならば杉田と猶本の組み合わせの方がよさそうだ。もしくは田中明日菜か。川村はCBで起用しラインコントロールをさせたい。次の韓国戦はいったいどういう布陣で来るのか。佐々木監督の選手起用は正直よくわからない。もう少し落ち着いた起用法でいいように思うのだが。京川の右SBなんて必要だったんだろうか。