とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

あいちトリエンナーレ2016 その2

 あいちトリエンナーレが今週末で閉幕する。9月に名古屋の各会場を回ったことは「あいちトリエンナーレ2016」で書いたが、その後、先々週末の8日に岡崎と豊橋の会場を回ってきた。岡崎で開催されていた「ペンタルム・ルミナリウム」は先週末の16日に終わってしまったが、今回のトリエンナーレの中ではこの展示が最も楽しかった。今さら「よかった」と書いても意味ないけど、自分の記録として書いておこう。

 8日は午前中に家を出て、高速で岡崎へ向かった。ICを出て真っ直ぐに「ペンタルム・ルミナリウム」が展示されている岡崎公園に向かった。11時位に到着し受付に行くと、整理券を配布していた。早くて12時入場。そうだったか。整理券をもらい、近くの展示会場「岡崎表屋」を見学する。古い商業ビルを会場にしており、個人的には建物の方が気になる。どういう間取りなんだろう。

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 11時半になって岡崎公園に戻ると、しっかり30分待たされた。当たり前だけど。まるでウルトラマンが寝そべっているようなカラフルなバルーン・アートで、コンプレッサーで膨らましている。時間になって靴を脱いで内部に入ると、途端にカラフルな色の洪水。赤い洞窟、青いチューブ、緑のドーム。何もかもがその色になって、写真を撮ってもすべてその色になってしまう。自由に寝そべることができるので、一渡り内部を歩くと、各自思い思いの場所に腰を下ろし、ゆったりと過ごす。さまざまな色に包まれ、心地よく癒される。いつまでもいたい気分だが、所定時間の20分はあっという間に過ぎてしまう。どこかのテーマパークにあってもいいと思った。実際、世界の各地でこの展示イベントは開催されているらしい。また巡り会いたいと思った。

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 この後、岡崎シビコまで歩き、いくつかの展示を見る。昼食は岡崎まぜそばを食べたいと松本町にあるラーメン屋に向かったが、もう売り切れ閉店だった。それで別のラーメン店に行ったが、そこには岡崎まぜそばはなかった。残念。それでもおなかはいっぱいになり、次は六供会場の石原邸へ行く。

 旧石原邸は1859(安政6)年建築の商家で、登録文化財に指定されている。裏には土蔵や庭門があり、これらも文化財登録がされている。よくあるタイプの通り土間と奥二間の田の字型の間取りだが、土間上部の梁の木組はすばらしく、竈などもきれいに整備されていた。そしてアート作品。土蔵には不安定な形状の陶器が置かれ、自由に動かすことができる。触って、動かして、楽しむ。これもまた面白い。

 岡崎を出て次は豊橋へ向かう。まっすぐに水上ビルへ向かう。水上ビルは牟呂用水の上に建設された共同住宅群で、1・2階が店舗、3階以上は住宅になっている。豊橋駅に近い立地だが、建設後50年以上が経過し、1階にはポツポツと空き店舗が目立つ。そこを利用していくつかのアート展示がされているが、一番の目玉は屋上まで金網を張って小鳥を放した作品だ。当日は約30分待ち。入場人員はきっかり20人以下を守り、出ていった人の分だけ入場させる。小鳥は全部で100羽近くいたそうだが、既に2割近い小鳥が死亡したり、逃げたりしたと最近の新聞で叩かれていた。また日本の野鳥は少なく、飼育鳥が多いように思ったが、先日の新聞には売買禁止の海外の小鳥もいたと指摘され、管理者はいろいろと大変なようだ。だが鑑賞する分には楽しい。隣接住戸の屋上など、屋上からは普段見ることのない建物の風景が見られる。

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 豊橋会場はどこも夜7時まで開場している。それで辺りは次第に闇が迫ってきたが、次の会場に足を伸ばすことができる。次は開発ビル会場に向かった。開発ビルは総合開発機構(株)という3セク会社が所有管理する複合ビルだが、既に建設後45年が経過し、再開発事業の実施が決まっている。下層階にまだ少し店舗等が残っているが、大半は退去し、その空きスペースを使ってアート展示が行われた。9階まで上がり、階段で次第に下がりながら各展示を見学していく。9階にホールがあったなんて知らなかった。HPによればかつてはボーリング場があったが、その後、ホールとして利用してきたということのようだ。2階で底引き網漁の映像が流されていたが、暗い中、みんな寝そべって鑑賞する。いや実は少し居眠りをした。

 観終わって7時になり、外に出るともうすっかり暗い。夕食は近くのスープ屋さんで食べて家路に着いた。あいちトリエンナーレは今週末で終了するが、今年もまずまず楽しかった。特に岡崎のバルーン展示がよかったかな。アート=癒し。それでいいのではないか。政治向きな作品はなかなか疲れるし、理解が進まない。また3年後。今度はどんなテーマで、どこで開催するのか。次回も楽しみにしたいと思う。