とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

AFC U-23選手権 グループB 日本対サウジアラビア

 東アジアE-1選手権、ジャマイカとの強化試合とU-23世代を中心とした試合が続く。ジャマイカ戦は9-0と圧勝した日本だが、相手が弱すぎた。AFC U-22選手権は日本以外の国にとっては東京五輪への出場権を争う重要なゲーム。真剣勝負が期待される。国外組は食野だけ。国内組にとっては五輪メンバー選考への最後の勝負となる。

 日本の布陣は3-4-3。小川航基をトップに、食野と旗手がシャドー。左WB杉岡と右WB橋岡が左右に開き、ボランチは田中碧と田中駿汰。CBは右から渡辺剛、岡崎慎、古賀。そしてGKは大迫。ベンチには遠藤や相馬、上田などいつでも交代OKと控えている。対するサウジアラビアも3-4-3の布陣で来た。ハムダンをトップに、右FWガリーブ、左FWフライフの2シャドー。ボランチにアリとオムラーンが並び。右WBはアブドゥル・ハミド、左WBにドゥバイシュ。CBは右からアムリ、トムバクティ、ヒンディ。GKはヤミ。

 序盤は互角の展開。サウジアラビアが強いプレスをかけてくれでもなく、日本もサウジアラビアの布陣を確認して様子見な感じ。最初にチャンスをつかんだのはサウジアラビア。7分、PA手前あたりでのこぼれ球からCHアリが強烈なミドルシュートを放つが、わずかにポスト左に外れた。9分にはCFハムダンが切り返しからミドルシュート。GK大迫がファインセーブで弾き出す。日本も右WB橋岡、左WB杉岡からゴール前にクロスを入れるが、ゴール前の守備は堅い。なかなかシュートも打つことができないまま時間が過ぎていった。

 ようやく24分、左FW食野が仕掛けて、切り返しからミドルシュートを放つが、DFがブロック。これが日本の初めてのシュート。26分にはCH田中駿汰の縦パスを受けた右FW旗手が切り返しからミドルシュートを放つが、枠は捉えられない。次第にサウジアラビアのやり方に慣れてくると、日本がパスを回してペースを握る。だがサウジアラビアもいったんボールを奪うと攻撃は鋭い。29分には左FWガリーブが切り返しから強烈なミドルシュート。これもGK大迫がファインセーブで弾き出す。

 日本は37分、CH田中駿汰の縦パスをCF小川がフリック。右FW旗手が抜け出してGKと一対一。だがGKヤミにうまく守られてシュートが打てない。これは結果オフサイドだった。サウジも逆に38分、FWガリーブがCHオムラーンとのワンツーで仕掛けて、横パスをFWフライフがミドルシュート。これは枠を外した。日本も44分、CH田中碧の縦パスから左FW食野が切り返してミドルシュート。同じく枠を捉えられない。前半はこのままスコアレスで折り返した。

 後半2分、CH田中駿汰の縦パスに再び右FW旗手が抜け出す。しかしシュートはまたも枠を外す。すると直後の3分、FWガリーブが左サイドから斜めにドリブルで仕掛ける。日本のDFが3人余りもプレスに行くが止めることができず、FWフライフにスイッチされてミドルシュートサウジアラビアが先制点を挙げた。

 必死に反撃する日本は5分、GKヤミのゴールキックをカットした右WB橋岡の縦パスに走り込んだ右FW旗手が戻したパスを右WB橋岡がミドルシュート。だがDFがブロック。7分には左FW食野のCKのクリアから右WB橋岡がミドルシュートを放つが、CBヒンディがゴールライン上でクリアした。そして11分、左WB杉岡のパスを受けた左FW食野が中に持ち込んでミドルシュート。これがDFに当たってコースが変わり、ゴールに飛び込んだ。ゴール。日本が同点に追い付く。

 しかしその後は日本が攻めるも、サウジの守備をなかなか崩せない。サウジアラビアは21分、FWフライフに代えてFWブリカンを投入。さらに28分にはCFハマダンを下げて、右FWエッサと交代する。日本は27分、CF小川を下げて上田綺世。サウジの選手に次第に疲れが見えて、ファールを受けては長く倒れ時間を使う場面が目立ってくる。もっぱらゴール前を守り、攻撃はFW任せ。そんなサウジを日本はなかなか崩すことができない。33分にはCH田中駿汰の縦パスのこぼれを左WB杉岡がシュートするが、GKヤミがセーブした。

 このまま引分けかと思った43分、CB古賀のバックパスが弱い。GKに届く前にCFブリカンが奪うと、そのままドリブルでゴールに迫る。GK大迫が立ちはだかり、かわそうとしたところでブリカンが倒れた。触っていないと主張するGK大迫。だが主審はPKを宣告。結局、VARで確認の結果、後ろからおいかけたCB岡崎の足が当たって倒れたとして、岡崎にイエローカード。そしてサウジにPKが与えられた。これをガリーブが決めて、サウジアラビアが2点目。日本は45+1分に左WB相馬、右FW田川を入れるが、元気になったサウジが時間を使い、そしてタイムアップ。AFC U-23選手権グループリーグ初戦は黒星スタートとなった。

 前半の中盤以降は日本が主導権を握って攻めたにもかかわらず、ゴールは食野の1点だけ。右FW旗手が再三のシュートを決めきれなかった。だが旗手だけの問題ではなく、とにかく攻めのバリエーションが少なすぎる。CHからの縦パスをCFやシャドーが落とし、シュートする。縦パスはよく入れたが、WBの利用や有効なサイドチェンジは少なかった。CF小川もポストプレーはこなしたが、基点にはなれていない。ダブル田中のボランチコンビも攻撃のアイデアという点では物足りない。CBも強力なサウジのFWを止めきれず、再三強烈なミドルシュートを打たれていた。GK大迫のファインセーブがなかったら、もっと早い段階で勝負は決まっていたかもしれない。

 やはりオーバーエイジが必要だ。ブレーメンが大迫の五輪出場を容認というニュースが入ってきた。中盤は柴崎が必要だろう。そしてCBは吉田か、植田か。次は中2日でシリア戦。森保監督はメンバーを大きく替えるだろう。今度こそオーバーエイジ枠など考えずに済むようなプレーを見せてほしい。次は必ず勝利が必要だ。