とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

J2リーグ第12節 モンテディオ山形対名古屋グランパス

 前節、終了間際にかろうじて追い付いてのドロー。勝ち点差2の3位に後退し、アウェイとは言ってもこのゲームは勝ちたいグランパス。一方のモンテディオも3ゲーム勝利がなく、ホームでそろそろ勝利が欲しいところ。CHに風間監督の長男、風間宏希がすわり、左CBにはV・ファーレン長崎の監督、高木琢也の息子、高木利弥が入る。一方、毎試合、先発メンバーが変わるグランパスは、このゲームでは田口と和泉、八反田を併用。前半は八反田をシャドーストライカーで起用した。

 2分、CH風間のFKのクリアを左WB山田がミドルシュート。直後の2分にも右WB荒堀がミドルシュートモンテディオは序盤、両WBが積極的に仕掛けてきた。5分、風間のCKから左FW汰木がシュート。10分、CH風間のミドルシュートはポストの左。11分、左WB山田のクロスに右FW瀬沼がヘディングシュート。前への意識をもって積極的に攻めるモンテディオに対して、グランパスはいつものようにDFラインからパスを繋いでいくが、パスミスを奪われ、カウンターを浴びる場面が多い。

 グランパスもようやく20分、左サイドをCH和泉が上がり、クロスに右WB宮原がシュート。しかしブロックではね返したボールを左FW汰木がドリブルで持ち上がり、左CB高木が上がってクロスを入れる。CF中山には合わずにヘディングはまるでクリアのように後ろに飛んだが、これを左FW汰木がミドルシュート。前半は圧倒的にモンテディオの方が元気がいい。24分、CH本田もミドルシュート。28分、CF中山がポストプレーから反転してシュートに持ち込むが、GK楢崎がセーブした。

 グランパスは中盤でボールを持ってパスを探すが、結局奪われる展開が続く。30分過ぎ、和泉を前に出し、八反田とポジションを入れ替えると、ようやくグランパスにも少し攻撃に変化が出てきたか。38分、左WB内田の縦パスをCFシモビッチが落とし、右FW玉田の戻しからシモビッチがクロス。こぼれ球を左WB内田がシュートするが、これもDFにブロックされる。その後はグランパスが攻め込むが、決定的なチャンスはつかめない。そのまま前半を終えた。

 後半に入ると少しはグランパスが積極的に攻め出した。2分、CH田口がミドルシュートを放つと、7分には右FW玉田の落としからCFシモビッチがシュート。しかしDFがブロックする。8分、MF和泉に代えてFWフェリペ・ガルシアを投入。シモビッチと2トップにして玉田がトップ下の布陣に変更する。しかしなかなかフェリペ・ガルシアに収まらない。15分には風間のCKにCB菅沼がゴール前でフリー。しかしヘディングシュートは外してくれた。

 18分、今度は左WB内田に代えて杉本を投入する。しかし19分、モンテディオは左FW汰木がドリブルで駆け上がり、前に走り込んだCF中山と左WB山田。しかしスルーパスを受けた山田のシュートはオフサイド。ネットを揺すったのに残念。グランパスも23分、FWフェリペ・ガルシアのパスからCH田口がミドルシュート。しかしGK児玉がキャッチする。26分にはCH田口の縦パスを受けたOH玉田がスルーパス。走り込んだCH八反田だったが、シュートは枠を外した。

 攻めてもモンテディオの集中した守りに決定的なチャンスを作れないグランパス。27分にはモンテディオがCH本田を中村に交代。中盤のさらなる活性化を図る。後半30分を過ぎてなお、積極的に仕掛ける右FW瀬沼、左FW汰木。そして右WB荒堀の運動量も衰えない。一方、グランパスは次第に運動量が落ちて、守備からボールを奪っても、カウンターで上がっていく選手が少ない。足が止まっている。

 アディショナルタイム1分、モンテディオは右FW瀬沼の落としからCH風間が右に流し、右WB荒堀がミドルシュート。GK楢崎がナイスセーブ。グランパスも3分、CH田口のクロスにFWフェリペ・ガルシアがヘディングシュートをするが、枠を捉えられない。結局、このままタイムアップ。スコアレスドローで終わった。

 モンテディオにもう少し決定力があれば結果は変わっていたかも。グランパスが最後まで集中した守備は褒めてもいいかもしれない。しかし攻撃面でのアイデア、変化が乏しかった。前半は守り、後半に入ってフェリペ・ガルシアや杉本らを投入して攻撃に変化を付けて打開するというのがこのところのパターンだが、それが必ずしも結果につながっていない。スローペースな前半のうちに失点して、後半に何とか追い付いたのが前節。そして今節は失点はなかったものの得点もなし。うーん、そろそろ圧倒的な攻撃サッカーを観たいのだが、風間監督のサッカー美学は違うところにあるようだ。まだ少し我慢が必要なのかもしれない。

J1リーグ第10節 柏レイソル対セレッソ大阪

 第7節の大阪ダービーではセレッソの復活を印象付けた。前節ではフロンターレに勝利し、これで7試合負けなし。5位まで躍進してきた。清武が完全復活し、躍動するセレッソ・サッカーを観たいと思った。相手はレイソルレイソルも第7節でヴィッセルに勝利した後、3連勝。知らぬ間に6位まで順位を上げていた。前節は若いCH手塚のFK一発で勝利。多くの若い選手をCH大谷がまとめ、大津や細貝といった海外から帰ってきた選手が彼らを支えている。このゲームでは大津はケガで欠場。左SHには武富が入った。

 3分、左SH柿谷がポストからうまくDFをかわしてのパスにCF杉本がミドルシュート。ポスト左に外したが、序盤からセレッソが積極的に攻めていく。特に右SH清武が積極的に動いて、トップ下のスペースでプレーをする。その対応もあってレイソルはいつものハイプレスがかけられず、攻撃も遠目からのクロスやフィードに終始する。16分、CBヨニッチのカットから縦パスをOH山村が落とし、右SH清武の縦パスをCF杉本が落として、OH山村が右に展開。右SH清武のクロスはうまく合わなかったが、最終ラインからゴール前までスムーズにパスがつながっていく。

 レイソルは24分、OH中川がミドルシュートセレッソが仕掛けるも、最後の局面でパスがつながらず、なかなかシュートまで至らない。43分、CH大谷のミドルシュートはGKキムジンヒョンがキャッチ。右SH清武のミドルシュートもDFがブロックする。そしてアディショナルタイム1分、右SH清武の縦パス、CF杉本の落とし、清武が縦につないで、左SH柿谷が右に展開。CF杉本が切り返しからミドルシュートを放つ。GK中村航輔がナイスセーブ。中盤のつなぎが華麗だ。しかしゴールはならず。前半はスコアレスのまま折り返した。

 後半に入ると、風上になったレイソルが積極的に前からプレスをかけていく。8分、CH手塚の縦パスからCFクリスティアーノミドルシュート。GKキムジンヒョンがキャッチ。風の影響が大きい。そして13分、CFクリスティアーノがDFをかわして前に抜けようとしたが、長過ぎたボールを左SB丸橋がクリア。しかしそのボールがクリスティアーノに当たって、そのままゴールに転がり込んだ。ゴール。レイソルがラッキーな形で先制点を挙げた。

 これで勢いに乗ったレイソルは14分、CKからCB中山がヘディングシュート。しかしGKキムジンヒョンがファインセーブ。セレッソも18分、FKのチャンスに清武がサインプレーで中央に待つCH山口にグラウンダーのパス。しかし山口のミドルシュートは大きくふかしてしまった。その後もレイソルのプレスの前にセレッソのミスが目立つ。24分、CF杉本がDFに削られ、DFに削られ、倒れそうになりながら持ち直して前に運び、左に流す。が、左SB丸橋に合わない。

 レイソルは20分、左SH武富に代えてCFディエゴ・オリヴェイラを投入。クリスティアーノを左SHに回す。24分、クリスティアーノのFKはGKキムジンヒョンがスーパーセーブ。バーを叩く。セレッソは27分、山村、ソウザに代えて、右SH関口、CH木本を投入する。守るレイソルは31分、CH手塚に代えて細貝。35分、CF杉本のクロスに左SH柿谷が華麗なオーバーヘッドボレー。しかし枠を捉えられない。37分には右SB松田に代えて右CB田中裕介を投入。3バックにして、前線に杉本、柿谷、清武を並べる。

 アディショナルタイム2分、左WB丸橋のFKから右CB田中がクロス。CF杉本がシュートを放つが、ポストの右。しかも細貝を倒してファールを取られる。4分にはDFのフィードをCF杉本が落とし、FW清武がミドルシュート。しかしGK中村航輔がファインセーブ。最後まで得点を許さない。そしてタイムアップ。1-0。レイソルクリスティアーノのラッキーなゴールを守って、勝利した。

 前半だけを見ていれば、セレッソがゴールを挙げるのも時間の問題と思ったし、後半もレイソルの攻撃が鮮やかだったわけではない。実際、ゴールはラッキーゴール一つだけ。だが、最後までプレスをかけ続ける姿勢は数年前の好調だったレイソルを思い起こさせる。一方、セレッソは柿谷、杉本、清武とタレントが揃っている割にゴールが遠い。しかしレッズが連敗してJ1リーグは大混戦になってきた。レイソルセレッソヴィッセルなどにも十分チャンスがある。面白くなりそうだ。

J1リーグ第10節 浦和レッズ対鹿島アントラーズ

 昨季、チャンピオンズリーグを争った因縁の戦い。昨年はレッズ・ホームの埼玉スタジアムアントラーズが2-1と勝利し、逆転で年間チャンピオンになっただけにレッズにとっては絶対に負けられない。雪辱を期す戦いとなる。ところが柏木と遠藤航が欠場。CBに那須。CHには青木が入った。一方のアントラーズも山本修斗がケガで、代わりに西が左SBを務め、右SBには伊東が入る。

 序盤からお互い激しいプレスの応酬。11分、右CB森脇が切り返しからミドルシュートを放ったが、これが両チームにとっての初シュート。16分には左WB宇賀神のスルーパスに左CB槙野が上がって、クロスを入れるが、武藤の前でDFがクリアした。レッズが積極的に仕掛け、アントラーズがしっかりと対応する展開。19分、右SH遠藤康のスルーパスにFWペドロ・ジュニオールが抜け出しクロスを入れるが、左SH土居に合わない。21分にはCH青木から右SH遠藤がボールを奪い、FW金崎がミドルシュート。GK西川にセーブされるが、少しずつアントラーズに前への意識が出てくる。

 22分、レッズは右WB関根の横パスからFW興梠のスルーパスにCFラファエル・シルバがシュート。しかし枠を捉えられない。すると24分、CH小笠原の横パスを受けたFW金崎がDFを背負ってポストプレーから、反転して素早くシュート。これが決まり、アントラーズが先制点を挙げた。その後は攻めるレッズ、守るアントラーズという展開が鮮明に。

 33分、FW武藤のFKにCH青木がヘディングシュート。しかしポストの右。アントラーズはCB植田とCB昌子がいい。36分にはショートCKから左SB西のミドルシュート。はね返りからCB昌子がミドルシュートを放つ。レッズも45分、武藤のCKのこぼれを右CB森脇がミドルシュート。しかし枠の外。前半はアントラーズ1点リードで折り返す。

 後半も攻めるレッズ。2分、武藤のCKをGKクォンスンテがパンチングでクリア。これを左WB宇賀神が狙うが、ミドルシュートは枠の外。6分には右WB関根の横パスをFW武藤が落とし、CFラファエル・シルバがシュート。しかしこれも枠を捉えられない。逆に16分、アントラーズはCH小笠原の縦パスを受けたFWペドロ・ジュニオールが切り返してシュート。わずかにポストの左。レッズは直後の16分、CH青木を下げて駒井を投入する。

 レッズは両CBが高く上がって、代わりに両CHが下がり、両SHは中に絞って、下がってくるFWと3人でゲームを組み立てる。だが柏木がいないと攻撃がどうしても単調になる。同じことの繰り返しという感じ。アントラーズが中盤でボールをカットして、逆にカウンターで攻めていく。18分、左SH土居の縦パスからFWペドロ・ジュニオールがドリブル。落としたボールを上がってきたCHレオ・シルバミドルシュート。20分にもFWペドロ・ジュニオールのスルーパスにFW金崎が抜け出してシュートを放つ。惜しくもポストに当たる。

 レッズは21分、FW武藤に代えて李を投入。24分、CFラファエル・シルバがドリブルで運んでシュートを放つが、止めたのはCHレオ・シルバ。元アルビレックスの選手同士の攻防が面白い。アントラーズは25分、右SH遠藤康に代えて、左SH永木を投入。レッズの右サイド、駒井対策。土居を右SHに回す。するとレッズは26分、CB那須が中央をドリブルで上がりミドルシュートを放つ。GKクォンスンテがナイスセーブ。アントラーズも27分、CH小笠原の長いスルーパスにFW金崎が走り込み、左SH永木が右につないで、CHレオ・シルバミドルシュートアントラーズも隙を見逃さない。

 29分にはFWペドロ・ジュニオールに代えて鈴木優磨を投入。前線から運動量をかけてレッズの守りを脅かす。それでも30分、CFラファエル・シルバからつないだパスを左CB槙野がミドルシュート。しかしポストに当たって外れていく。35分には右SH土居が攻め込んで、コーナーフラッグ辺りでの攻防に対する主審の判定に対してCH小笠原が執拗なアピール。アントラーズのイレブンを鼓舞すると、36分にはFW興梠に対してCH小笠原がタックル。しかし37分、FW興梠もドリブルで仕掛ける。両チームのベテラン同士の気持ちの籠った攻防が面白い。

 42分にはCH小笠原に代えて三竿健斗を投入。アントラーズが守りを固めると、アディショナルタイム、FW興梠が膝を痛めてズラタンに交代する。これでジエンド。最後までアントラーズの集中力が途切れることなく、柏木・遠藤を欠いたレッズを寄せ付けることなく勝利した。1-0の完封だ。

 やはり先制した後のアントラーズの守備はすばらしい。小笠原が気持ちでチームを引っ張れば、レオ・シルバが攻守に身体を張って、技術でチームを引っ張る。金崎とペドロ・ジュニオールもお互い献身的だし、気持ちが籠っている。そして何と言っても昌子と植田のCBコンビがすばらしい。これでレッズを逆転して首位に立った。ガンバも含め、今季も3強の戦いが始まった。