とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

新生グランパス 復調の兆し

 ガンバ戦でかろうじての勝利を挙げた後、絶好調のFC東京に2連敗。その間にダヴィの退団が決定し、FC東京との2戦目ナビスコ杯では屈辱の1-5。この窮地に唯一の望みが救世主ケネディの登場だったが、期待以上の活躍を見せてくれた。
 ゲームは、パウリーニョの完全ダイビングをファールと判定する大誤審で1-1のドローに終わったが、思えばピクシーが監督に就任した昨シーズンの初戦もサンガとのドロー・ゲームだった。
 ケネディはと言えば、高さを生かしたポストやヘディングはもちろんのこと、身体を生かしたキープからの反転やドリブル、スルーパスなど足元のテクニックが思いの外しっかりしていたので驚いた。トッップにいるだけでなく、まるで玉田のように中盤までボールを受け取りにくるかと思えば、サイドに流れてクロスやドルブルを試みるなど、攻撃のレパートリーも多そうだ。
 チームも、ダヴィのときは全然ポストにならなかったので、中盤が一人で局面を打開することが迫られたが、玉田、ケネディとポストが二つになり、また中央で引きつけてくれるので、サイドや中盤も空き、やりやすそう。このゲームで言えば、中村や山口、阿部などが積極的に前線まで飛び出す動きができたのも、トップがしっかりしているからだと言える。
 それにしても、前半30分まではグランパス・ペースだったのに、中央を固めるサンガにゴールを奪うことができず、グランパスの動きが落ちた30分過ぎから京都が攻勢を取り始め、前掛かりになったサンガの隙を突く形でようやく先制できたのは、まだまだという感じ。マギヌンの左足アウトのクロスと水本を置き去りにしたケネディの動きはよかったけど。そういえば、前半ロスタイムの中村からのパスを、ケネディがキープから振る向きざまにシュートしたのには驚いた。こうした動きもできるんだ。
 後半も最初のうちはグランパス・ペースで何度かチャンスもあったが、20分過ぎから動きが止まり、サンガの攻勢に押される場面が多くなる。25分の柳沢からパウリーニョが絡んでのディエゴのミドルや30分の柳沢からパウリーニョのヘッドはセーブしたものの、35分、ディエゴのヘッドに抜け出したパウリーニョのダイブにやられてしまった。審判の問題もあるけど、やはりあそこで抜け出されてしまった守備が問題か。課題は後半の電池切れと集中力。
 最後は玉田のCKからのヘディングや玉田のドリブルから田中の折り返しに対する強烈ボレーなど、ケネディが反撃と可能性を見せてくれた。次はレッズ戦。どんなパフォーマンスを見せてくれるのか。昨年の開幕も、ホームでサンガに引き分けた後、アウェイのレッズ戦で勝利を挙げ、リーグ戦の好調に結びつけていった。昨年の再来を期待したい。